⑴高校受験レベルとしてよく出る4つ目のシグナル
以前、高校受験長文読解の指導法―論理関係を明確にするシグナルに注目する―という記事で文中のシグナルを理解することで語彙力だけに頼らない読解を行うことが出来るということを話しました。今回は4つ目として、列挙シグナルについて説明していきたいと思います。
⑵指導のポイント
1,列挙シグナルは単体で使われることは少ない
2,列挙シグナルは文中の各段落のはじめのトピックセンテンスにあることが多い
3,列挙シグナルを用いて、生徒が苦手な長文の全体把握が出来る
⑶列挙シグナルは単体ではない
これまでのシグナルは、逆接シグナルのbutや原因結果シグナルのbecauseなど単語1語によるシグナルでしたが、今回の列挙シグナルは文中にシグナルとなる単語が何個かセットで構成されています。例えば、以下に列挙シグナルをまとめてみました。[列挙シグナル]
1つ目 |
・first「第一に/はじめに」 ・firstly ・first of all |
2つ目 |
・second「第二に」 ・secondly ・then「それから」 |
3つ目 |
・third「第三に」 ・thirdly |
最後 |
・finally「最後に」 |
列挙シグナルとは、「1つ目に、~。2つ目に~。最後に~」と言ったように列挙する際のサインです。文中ではそれぞれ段落の始めにくることが多く、トピックセンテンス(その段落の中で一番言いたいこと)を列挙して分かりやすく整理したいときに使われることが多いです。
もちろんこれ以外にも列挙シグナルは存在し、大学受験レベルになるとより覚える必要があります。しかし、高校受験レベルで見ることがある列挙シグナルはこのような感じだと思います。
⑷本文の要旨の整理に利用することが出来る!
この列挙シグナルを理解すると生徒にとってどのような利点があるかというと、読解中に本文の要旨を整理しながら問題を解くことが出来るようになる点です。どういうことかというと、通常私達家庭教師などであれば英文を意識せずとも一読して全体の内容を把握出来るとは思います。
しかし、まだ慣れていない中学生にとっては難しく英語を何文も読むことで、その前まで読んだ文章の内容を忘れてしまうことが多いと思います。数多くの英文を読んで慣れるしかないといわれればそれまでですが、何の助言もないまま手探り状態で長文読解をするのは大変だと思います。
そこで、有効なのが本文全体を体系立てて整理することが出来る列挙シグナルなのです。多くの場合、列挙シグナルがある場合は、本文中のそれぞれの段落のはじめのトピックセンテンスの部分にあるため、その部分を使って本文の内容を整理出来るようになると、生徒の英文への理解度も高まってくると思います。