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英語長文読解指導のコツ―3つの力を意識して伸ばす―

大学受験英語対策

⑴3つのポイントを俯瞰しながら読解に取り組むことが重要

 家庭教師として、大学受験を控えた生徒に長文読解の演習問題を解いてもらい解説する機会があると思います。解説の際、一文一文和訳を確認していったり、正答の根拠を一緒に見たり、文法を教えたりすることが多いと思います。しかし、それだけなら答えを見れば解説として記載されていて折角一対一で指導できるのに勿体無いと思いませんか。また、文章の中身を満遍なく解説するだけで、結局何が伝えたかったのか自分自身でも分からなくなってしまうことがあったかもしれません。

 なぜそうなってしまうかというと、自身の受験勉強のなかでも読解のポイントを体系的に意識する機会がなかったからだと思います。私自身、生徒に教えるようになるまで自分で問題は解けていても、どこからどのように指導すればいいのか分からないということがあり、人に教えるようになって全体像が見えてくるようになりました。今回は、どのようなポイントで、どういった力を伸ばせる指導をするべきなのか、特に3つの力について話していきたいと思います。もちろん、この他にも読解のコツとなる部分があり、既に他の方々のサイトにコツとしてまとめてくれているので、それらのポイントが重要だと感じればそれらを意識した読解指導を行ってみるのもいいと思います。

 

⑵指導のポイント

1,語彙力/文法力を伸ばす指導を行う

2,速読力を伸ばす指導を行う

3,論理的思考力を伸ばす指導を行う

 

 

⑶語彙力/文法力を伸ばす指導を行う

 これは言うまでもないと思いますが、語彙力、文法力が最低限ないと読解は出来ません。この後のポイントとして、「論理的思考力を伸ばす」で詳しく話していきますが、論理的思考力を伸ばすことでいくら分からない単語や表現がある程度推測できるようになるといっても、全文意味が理解出来なければ推測のしようもありません。そのためにもある程度語彙力や文法力は必要になってきます。

 また、文法の力がつくということは、構造を理解できるということにも繋がります。例えば、以下の例文を見てください。

 

But while Boston has recouped some of that loss in recent years and made itself into the anchor of a thriving white-collar economy, the far more drastic losses of cities like Detroit or Youngstown, Ohio, or Flint, Mich. — losses of people, jobs, money, and social ties — ( A ).

 

これは早稲田大学の過去問の文章の記事がHARVARD Kennedy SchoolのHPに載っているので、そこから一部を引用して少し修正したものです。早稲田大学の入試問題は( A )に入るフレーズを6つの語句( no, around, of, show, signs, turning)を並べ替えなさいという問題で、どこから目をつければいいのか分からない面倒な問題に感じると思います。しかし、文法力があれば、文章全体を読まなくても、また、日本語訳をしなくても簡単に解けてしまいます。

文章のはじめの方にwhileがあるので、「while A, B」の対比型の文章だと分かります。今回はAの部分がBostonからeconomyまでだと分かると思うので、その後ろ部分がBだということが想像出来ると思います。次に、Bの部分は文章が完結しているので主語動詞のある完全な文章になると推測出来ます。するとBの部分の主語動詞はどれとあたりをつけることが出来るでしょうか?候補としてはlikeが動詞になってそれまでが主語なのかとも考えられますが、「the far more drastic losses of cities」がlikeなのは明らかにおかしいと感じると思います。そうなると、likeは動詞ではなく「~のような」を意味するということが分かると思います。すると、Bの部分には現状動詞がないことになります。よって、( A )の前までが全て「while A, B」のB部分の主語になるのではとあたりをつけることが出来ます。

よって、6つの語句は( no, around, of, show, signs, turning)なので、まず動詞はshowのみになります。次に、showのあとには目的語にくる名詞が来ますが、選択肢には前置詞ofがあります。この前置詞は通常なら「A of B(BのA)」と二つの名詞を繋げるので、選択肢中の名詞であるturningとsignsのどちらを前にするか考えます。「turning of sings」「signs of turning」どちらがしっくりくるでしょうか?「サインのターニング」より「ターニングのサイン」の方がほとんどの方はしっくりくると思います。そう考えると、

show signs of turning

 

作り上げることができます。すると、残りの選択肢の一つであるaroundはどこにも間にいれることはできなさそうなため、

show signs of turning around

 

とするしかなさそうです。最後のnoですが、名詞の前に来るとしたらsignsかturningの前が考えられますが、通常動名詞の前の否定にはnotを使います。もちろん、no smokingなど慣用的に使われることはありますが、基本的にはnotを使います。そうすると、最終的に正答は以下のようになります。

show no signs of turning around

 

 今回この問題を解く際、文章は細かく読みませんでした。しかし、基本文型や動名詞など文章構造や文法を理解していることによって問題が解けるようになります。このように、生徒がより難しい問題にも柔軟に対応できるようになるために、語彙力/文法力を伸ばしてあげることがまず重要なのです。

 

⑷速読力を伸ばす指導を行う

 次に重要な力なのが、速読力だと思います。ほとんどの受験問題は文章量に対して時間が少ないため、いくら文法が完璧で丁寧に解いたとしても全て解けなくては意味がありません。理想としては、1分間に250語読めるくらいがネイティブクラスと聞いたことがあります。この数字は大学生でもなかなか達成できないかもしれませんが、難しくない文章であればこれくらいを目指すことによって受験でも余裕が出てくると思います。(もちろん、スピードだけでなく、正確さも重要ですが)

 では、実際に速読力を鍛える方法ですが、これも多くのサイトで紹介してくれていると思います。例えば、「文章は前から訳していく」や、「英語のまま理解していく」、「音読を繰り返す」などが紹介されています。もちろん、これらも重要なことではあると思います。しかし、どうでしょうか?言うは易しと言う通り、実際にどうすればいいのか具体的には分からないと思います。

 では実際に何をすればいいのかというと、修飾語のルールを体系的に理解し、左から修飾関係を見抜くことによって、速読の基礎がついてきます。例えば、以下の文章はさきほどのHARVARD Kennedy SchoolのHPから引用したものです。

 

 In Detroit, a city that now has more than 40 square miles of vacant land, Mayor Dave Bing has committed himself to finding a way to move more of the city’s residents into its remaining vibrant neighborhoods and figuring out something else to do with what remains.

 

 このように一文が長いと、日本語の語順のように後ろから前に訳すということが難しくなってきてしまいます。一方で英語の語順は、関係代名詞のように「名詞+修飾語」と名詞を後ろから修飾するという形になっています。そのため、多くの参考書やHPでは意味のまとまりごとに区切って前から読んでいくという方法を勧めていると思います。しかし、たぶんその方法は日本人としてしっくりこないのでうまくいかないと思います。

 そこで私の勧める方法は、「英語の修飾語と語順のルールを理解したうえで、日本語の語順で読む」方法です。例えば、上の例文ですが、はじめに一文全体をさっと見て、主語動詞がどれか構造をつかみます。次に、修飾語のルールに則って意味のまとまりごとに区切る作業をしてください。そうすれば、英語の「名詞+修飾語」は日本語では「修飾語から名詞」という流れで訳すので、修飾語を先に訳した後に、前の名詞を訳していきながら文章を自然な形で訳すことで頭の中にうまく入ってくると思います。

 なぜ英語のまま訳すべきなどとは言わないのかですが、確かに英語でそのまま理解出来れば読解スピードは上がると思います。そして、私自身、見慣れた文章や理解しやすい内容であれば英語のままで読み進めることが出来ると思います。しかし、私でも初見の内容の良くわからない文章を見たら、英語のまま読み進めても結局何が言いたいのか理解出来ないと思います。私でもそうなのですから、おそらく英語のままどんな文章でも読み進められる受験生は少ないと思います。だからこそ、文章理解もできて速読もできるコツとして、「修飾語のルール」を体系的に理解することが重要なのです。(このルールについてはいずれ記事として書いていきたいと思います。)

 

⑸論理的思考力を伸ばす指導を行う

 長くなってしまいましたが、最後に、論理的思考力を伸ばすという部分について触れていきたいと思います。なぜこれが重要かというと長文読解を進めていく上で、難しい表現にであってしまった時や暗記したはずなのに忘れてしまうということがあると思います。また、難しい内容のため、どういった話なのか全く分からないということがあると思います。そのような時に、文章全体の構成や全体像を把握できることで次に何がくるのかある程度予想できるようになります。

 では、実際に何を意識した指導を行うのがいいのかというと、butやbecauseのようなシグナル(つなぎ言葉)を意識することで、一文一文の論理関係が明確になってきます。これらのシグナルについては、大学受験英語長文読解指導法①―シグナルでコツをつかむ!― から全9回解説していますので、見ていただければと思います。

 

⑹ポイントを明確にして体系的に指導することが重要

 英語の長文を指導することになると、文章中にある各文法をその場その場で指導することになると思います。もちろん、それも大事ですが、生徒の立場になってみるとどうでしょうか。色々と解説をしてもらったけど、結局何が言いたいの?と全体像が見えてこない授業になってしまうと思います。そのため、はじめに何が重要か全体像を理解してもらった上で、文章内に出てくる修飾語ルールやシグナルなど全体像を意識しながら指導することで、より効果の高い指導が行えるのではと思います。

 

⑺参考

Drake Bennett(2010) How to Shrink A City(HARVARD Kennedy School /Originally, published in The Boston Globe )

https://www.hks.harvard.edu/centers/rappaport/events-and-news/quoted-in-the-news/how-to-shrink-a-city

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