はじめに
前回、早稲田文化構想学部英語過去問対策1―全体像を把握する!―という記事で、早稲田文化構想学部の入試対策として特に、「単語/熟語の空欄補充問題」、「短文の空欄補充問題」、「文章の要約問題」の対策を行うことが重要ということを話しました。そこで今回は早稲田文化構想対策の第二回目として、「短文の空欄補充問題」について話していきたいと思います。
記事のポイント
「短文の空欄補充問題」とは?
まずそもそも「短文の空欄補充問題」とは何かということですが、文化構想学部の赤本などを持っている方は確認できるかと思いますが、大問3の与えられた短文の選択肢を文章中の空欄に当てはめていく形式の問題です。(参考;大学入試問題過去問データベース)
どの様に対策をするのか・コツはあるのか?
前回、「単語/熟語の空欄補充問題」を解くコツや対策方法について話ましたが、基本的に単語や熟語の空欄補充問題には解き方のコツはなく、新しく出てきた単語や熟語を暗記することが重要ということを話しましたが、「短文の空欄補充問題」には解く手順やコツがあり、その手順やコツに沿って解いていくことで、筋道を立てて問題を解くことが出来るようになります。
そして、「短文の空欄補充問題」のコツとして理解しておくべきこととして、「比較構造を見抜く」ことと、「シグナル(つなぎ言葉)を把握する」こと、最後に「代名詞を見分ける」ことが「短文の空欄補充問題」を解く上でのポイントとなってきます。具体的には次回以降の記事で話していくとして、今回は、この3つのポイントを大まかに説明していきたいと思います。
「短文の空欄補充問題」を解く3つのポイントとは?
まず、「比較構造を見抜く」とは、文章中に出てくる物事の比較を見抜いて論理構造を明らかにすることです。次に、「シグナル(つなぎ言葉)を把握する」とは、シグナル(つなぎ言葉)を利用して文章の逆接や、例示、順接関係などで文章の流れを読み解くことです。シグナルの例としては、butやbecauseなどがあります。最後の「代名詞を見分ける」とは、代名詞が何を表しているのかを前文から捉えるということです。
これら3つのポイントをつかむことによって、これまで闇雲に解いていた短文の空欄補充問題を論理立てて解くことが出来るようになります。例えば、2016年度の文化構想学部の試験の英文を日本語にして簡単に説明してみたいと思います。
この間に来る文章はどう予測がつくでしょうか?もちろん、設問の選択肢を全て検討して確認する必要があるとは思いますが、上記の3つのポイントを理解していると、括弧に入る文章が推測できるようになります。それでは、今回の括弧に入り得る文はどの様になるでしょうか。大きく2つ考えられると思います。
1つ目が、「しかし、サンパウロなどの3000万都市も近年改善してきている」という文章が考えられます。2つ目が、「現在のシカゴでは、環境も改善され、問題も起こらなくなってきている。」だと思います。
なぜこの2つの文章が考えられるかというと、括弧の前でサンパウロは問題が起きているというネガティブな事柄を述べているのに対し、括弧の後ろでは衛生状況は良いなどポジティブな事柄を述べているためです。
そのため、括弧の中に入りうるのは、逆接シグナル(つなぎ言葉)を用いた文章か、現在の衛生状況の改善されたシカゴの状況が対比として挙げられる可能性があります。実際に選択肢を実際に見てみると、2つ目の「現在のシカゴでは、環境も改善され、問題も起こらなくなってきている」という文章が適切だということが分かってきます。
最後に
今回の例は日本語かつ3つのポイントの2つしか使いませんでしたが、このように3つのポイントを意識して問題を解くことで、論理的に確実に点数をとることが出来るようになります。とても重要なポイントなので、次回以降、各ポイントについて個別に話していきたいと思います。
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大学受験英語長文読解指導法⑤―alsoなどの追加シグナルを理解する―
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