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均衡の安定性とは何か?-大学生視点で理解するミクロ経済学

ミクロ経済学

⑴記事のポイント

key words

ワルラス的価格調整過程
マーシャル的価格調整過程
クモの巣理論

bestkateikyoshi.hatenablog.com

⑵登場人物

カズ

地域活性ボランティアサークルに所属する大学1年生。経済学部に所属しているが、数学は苦手。

Photo by All Solhouettes / Adapted

先輩

カズと同じ地域活性ボランティアサークルに所属する2つ上の先輩。経済学部に所属している。留学経験があり、外国人の友人も多い。

⑶均衡の安定性とは?

こんにちは~、先輩。先週は市場均衡について教えていただきありがとうございました。需要曲線と供給曲線について良く理解出来たので、授業の課題もスラスラと進められました。

それは良かった。そういえば、昨日はサークル早退してたけどどうしたの?

えっと、昨日は夜、スーパーで値引きされたお弁当を買うために早く帰りました。最近金欠でやばいので...。

そうだったんだ。確かにスーパーって閉店間際になると売れ残っている商品が安くなったりするからありがたいよね。あっ、そういえば、スーパーの惣菜の値引きの話もミクロ経済学の需要曲線と供給曲線の近郊の話に結び付けられるんだけど、授業で「ワルラス的価格調整過程」って用語はもう習った?

あぁ...。頭が痛くなるような話題ですね...。一応、授業では習いましたよ。需要と供給の不均衡がどうやって均衡するのかっていうメカニズムですよね?確か、「ワルラス的価格調整過程」のほかに、「マーシャル的価格調整過程」と、「クモの巣理論」の3つメカニズムがあるって言ってたのは覚えてます。ただ、それらの違いは忘れてました。

3つあるっていうことは覚えててすごいね。確かに3つの違いを理解するのって難しいから、最初は苦労するかもしれないけど、慣れれば分かるようになるよ。ちなみに、前回話した需要曲線と供給曲線のグラフの縦軸と横軸ってそれぞれ何だったか覚えてる?

f:id:bestkateikyoushi:20170221233223p:plain

参考;図1「ウィキペディア 需要と供給」

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9C%80%E8%A6%81%E3%81%A8%E4%BE%9B%E7%B5%A6

はい。縦軸が価格(P)で、横軸が数量(Q)です。

そうだね。実は「ワルラス的価格調整過程」と「マーシャル的価格調整過程」の違いには、その「価格」と「数量」が大きく関わっているんだ。そして、「クモの巣理論」では「価格」と「数量」のほかに、時間という要素も関わってくるという違いがあるよ。

えっと、それはつまりどういうことですか?

まぁまぁ、焦らない焦らない(笑)。1つずつ説明していく前に前提を思い出してほしいんだけど、そもそも、需要と供給の均衡の安定ってどういうことだったっけ?

えーっとですね、需要曲線は「ある価格の時にどれだけの人数が財を買いたいと思っているか(数量)」を示していて、供給曲線は「ある価格の時に企業が財をどれだけ売りたいか(数量)」を示しているので、需要と供給の均衡の安定って言うのはある価格で買われる数量と売られる数量が一致することですよね。

そうそう。

例えば、ドーナツ1個40円の時買いたいと思っている人は100人(1人一個のみ購入すると仮定)いるのに、40円だとコストの関係で作れる企業が少なくて50個分しか作れないのが不均衡の状態ですよね。そして、今50個しか市場に出回っていないけど値段がもっと高くても食べたいっていう消費者がいるから、コストが高くてもドーナツを作れる企業が増えてきて値段も市場に流通するドーナツの数も増えてきます。その結果、例えば100円まで値段が上がったときに、100円なら75人の消費者が買ってもいいと思っている時に、企業側もちょうど75個作っていて、需要と供給の数量と価格が一致した時を均衡したと言います。(図2)

図2;「需要曲線と供給曲線の均衡の安定」

そうそう、今カズが言ってくれた需要と供給の不均衡な状態から均衡した状態までのプロセスがあったよね。実は、これから話す「ワルラス的価格調整過程」「マーシャル的価格調整過程」「クモの巣理論」の違いはどの様に均衡状態になるかというプロセスの違いにあるんだよ。まず、「ワルラス的価格調整過程」について話すと、これは「需要」と「供給」の不均衡が「価格」主導で調整されるという考え方だよ。言葉だけで説明すると分かりにくいから、図3を使って考えてみよう。

 図3;ワルラス的価格調整過程

まず今、価格が500円の唐揚げ弁当がスーパーで売られるとする。そして、その時スーパーが出来れば100個一日で売りたいと思っているとするよね。でも、500円なら買うという人が50人(1人一個のみ購入すると仮定)しかいなければ、どうなると思う?

500円のままだと50個売れ残ります。

そうだね、つまり、売れ残らないようにするためには唐揚げ弁当1個の価格を下げた方がいいよね。そうすると、この図3を見ると、唐揚げ弁当はいくらにすれば過不足なく買ってもらえる?(図3をクリックすると画像が変わります。)

図3を基にすると、1個250円に値下げして販売すれば、250円で買いたい人も75人いて、スーパー側も250円なら75個売りたいと思っているので過不足なく売れます。

そう!今のスーパーの例だと、価格を下げていくことで売れ残りがなくなるようにしたよね。こんな感じで価格を調整することで需要と供給が一致するという考え方が「ワルラス的価格調整過程」の考え方なんだよ。スーパーの食品のような長持ちしない財を「非耐久財」と呼ぶのだけど、現実でも「非耐久財」と呼ばれる財は値引きされて価格調整されることが結構あるよね。

なるほど。じゃあ逆に「マーシャル的価格調整過程」はどうやって不均衡が調整されるのですか?もしかして、財の「数量」主導ってことですか?

そう。察しがいいね。「マーシャル的価格調整過程」は「数量」主導で不均衡が調整される考え方だよ。自動車や住宅など長持ちする「耐久財」の市場の均衡を考える際に用いられる考え方だよ。

ええっと、「数量」主導ってどういうことですか?なかなかイメージが湧かないんですけど...。

うん、なかなかイメージするのは難しいと思うけど、例えば自動車とか住宅などの「耐久財」って、食品とかの「非耐久財」よりは高価で作るのも大変そうだよね?そういった「耐久財」って、価格が上がったり下がったりしたとしても、販売量をすぐに変えることって難しいよね。作るのが大変だから。

そうですね。なんか製造に時間がかかりそうですね。

そう。図4を見てほしいんだけど、例えばある自動車メーカが5台の車を生産したとする。メーカの人たちは1台100万円で売れればいいと思っていたのだけど、欲しいと思っている消費者は希少だからということで100万円以上払う価値があると考えているとする。すると、メーカの人たちはどうすると思う? 

図4;「マーシャル的価格調整過程」

えーと、さっきのスーパーの唐揚げ弁当の例と違って、すぐに価格を変えて販売量を増やすってことはできないですね。だって、製造するのに時間がかかるので。

そう!まさにここが「マーシャル的価格調整過程」のポイントなの!「マーシャル的価格調整過程」の考え方によると、市場で需要と供給の不均衡があったとしても製造に時間がかかるから、スーパーのお弁当の例みたいにすぐに価格を変えて販売量を調整するっている「価格」主導の調整ではなくて、生産ラインを拡大したりなど「数量」を調整する過程で不均衡が解消されていくっていう「数量」主導の調整が考え方の軸になっているんだよ!

なるほど。「数量」主導っていうのはそういった意味合いだったのですね。じゃあ、3つ目の「クモの巣理論」とはどういった不均衡調整の考え方ですか?

うん。「クモの巣理論」っていうのは、調整の不均衡が解消されるまでの時間が他の2つの考え方に比べると遅いモデルだよ。ちなみに、他の二つの調整の長さはどうだと思う?

ワルラス的価格調整過程」は、スーパーの例から分かるように、価格を下げたり上げたりすることによって不均衡を解消するだけなので、調整速度は速そうですね。「マーシャル的価格調整過程」は、財の生産計画を変えたり生産ラインを拡大したりなど「数量」調整だったので、「ワルラス的価格調整過程」よりも調整速度は遅そうですね。

そうだね。「クモの巣理論」はその2つよりもさらに調整速度の遅いモデルなんだ。「クモの巣理論」は農産物など「生産」と「消費」に時間のずれがある財にあてはまるとされていて、例えば、今市場にはリンゴのみがあるとして、図5中の数量10個が今年の生産量だとするよね。すると価格はどうなる?

図5;「クモの巣理論」

数量10個だと需要と供給は不均衡で、リンゴ農家の方は1個100円で売れればいいと思っていますが、消費者は500円の価値があると考えています。

そうだね。この状況の時、来年リンゴ農家は生産量をどうしようとすると思う?

図5の供給曲線を見たところ、リンゴ農家の方は生産量を増やして25個リンゴを作ることにすると思います。

そう。ただ、その年にリンゴ農家が25個作ったとしたら、消費者はどう考えるかな?

リンゴが25個も市場に出回っていると消費者にとってはリンゴが貴重に感じなくなるので1個200円の価値しか感じなくなって供給量が多すぎになってしまいます。

そう。そうすると、その次の年にはリンゴ農家は前年の反省を活かして減らすよね。すると、減らされた分リンゴが貴重になって消費者の評価価格が高くなって、、、となっていく。そうすると年を追うごとに均衡点へ収束していくよね?このように、時間の経過とともに不均衡が少しずつ調整されるモデルが「クモの巣理論」の考え方なんだ。少しずつ不均衡が改善されていくから、かなり時間がかかるよね。この点が「ワルラス的価格調整過程」、「マーシャル的価格調整過程」とは大きく異なる点なんだよ。

なるほど。そういう違いがあったんですね。

公務員試験対策や中小企業診断士とかの資格対策のためだと実際に問題を解くためには、解くためのテクニック的な物を覚える必要があるけど、それはまた今度時間があるときに教えるよ。

いつもいつもありがとうございます!

bestkateikyoshi.hatenablog.com

※オススメ参考書 

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