「○○市の課題とその解決方法は?」の答え方と準備のコツ-公務員面接Before-After
自治体の課題とその解決方法は最頻出の質問の1つ!
こんにちは。今回は、公務員面接で意外によく聞かれる質問の一つである「○○市の課題とその解決方法は?」という質問の答え方の準備のコツについて話していきたいと思います。実際に僕も何度か公務員試験の面接試験を経験してきて、「○○市の課題とその解決方法は?」という質問は様々な自治体の面接試験でされました。しかし一方で、僕が当時活用していた面接対策本にはこのような質問については載っておらず、質問が終わった後、もっとしっかり準備しておけば良かったと後悔することもありました。そこで今回は、「○○市の課題とその解決方法は?」という質問がされた時、多くの受験生が間違えてしまう回答例と、どの様な風に言うべきかについて話していきたいと思います!
受験生の多くはココを間違える!
○○市の課題とその解決方法は?
○○市の課題は、職員の不正が多いことです。最近も○○市役所では公金の横領などが問題になっており、職員の不正への問題意識が希薄になっています。そこで私は、職員一人ひとりの問題意識の希薄さを改善するためにコンプライアンス研修を行い、不正が行われにくい現場づくりを行っていきたいと思います。
○○市の課題は、近年人口の流出が激しい点だと思います。近年ではどの自治体も同様の問題を抱えておりますが、○○市は特にその流出率が高いです。そこで解決のために市のコンパクトシティ化して住民にとってより住みやすい街づくりを行っていきたいと思います。
上記の2つの例は、もっと改善できる回答例です。まず一つ目の「職員の不正」に言及している回答例がなぜもっと改善できるかと言うと、
- 面接官を公然と批判しているように捉えられかねない
からです。確かに「職員の不正」は課題ですが、当事者である自治体職員(面接官)の目の前で不正問題に言及することは、面接官を公然と批判していると捉えかねられないです。「職員の不正」は確かに自治体の問題の1つでありますが、相手によっては自分たち面接官に対して批判を言っていると思われてしまう可能性もあります。そのため、「職員の不正」問題に言及することは良いとは思いますが、伝え方に気をつけなければいけないと思います。二つ目の「人口流出」の回答例はどこがあと一歩かと言うと、
- 課題の解決方法が政策になってしまっている
ためです。確かにコンパクトシティ化すれば、都市機能が集中することで住民への公共機能を効率的に提供できるようになり、人口流出をおさえることができるかもしれません。そのため、解決方法に政策を伝えることは話の流れとしては間違っていないのですが、ここは面接です。面接官は「政策をどうするか」というより「自分自身はどのように行動するか」を聞きたいと思っています。
そのため、今回の「人口流出」の回答例のケースなら、コンパクトシティ化すると答えるだけではなく、「人口流出」を抑えるためにコンパクトシティ化を行っていく中で、「私は職員として~~と言ったことを行っていきたい」と自分個人の仕事の水準に落とし込んで具体的に話していくと、面接官から「この受験生は具体的に何をするべきか見据えて話している」と印象が良くなります。
答える時は2つのポイントに気を付ける!
それでは、どの様に答えるのが好ましいのか。その答え方のポイントとして以下の2つに気を付けると評価の高い答えを伝えることが出来るようになります。
- 公然と自治体の批判をしない
- 解決方法は自分が出来そうな範囲で話す
という2点です。
公然と自治体の批判をしない
一つ目のポイントは公然と自治体の批判をしないということです。ただ、批判と課題への言及は紙一重な部分があり、何が批判で何が課題か線引きが難しいと思います。しかし、どれが批判にあたってどれが課題として話していいのかは、内容よりも伝え方次第だと思います。先ほどの「人口流出」の回答例のケースでも、「自治体が柔軟な施策を実施できていないため、人口流出が起こっている」と言えば、批判と捉えられかねないです。例えば、批判と捉えられかねないケースの一例としては、「自治体は~できていない」や、「自治体が~している」から問題が起こっていると話すケースです。
解決方法は自分が出来そうな範囲で話す
二つ目のポイントが解決方法は自分が出来そうな範囲で話すということです。これは先ほど話したように、解決方法に政策を話すべきではないということです。確かに、政策などを考える部署もありますが、殆どの場合そういった部署に配属されることはなく、自治体職員になると実際に現場で行動することが多くなります。そして、自治体職員は事前に決められた計画によって動いているため、自治体の基本計画に「Aという政策を行う」と書いてあるのに、「Bの政策を行うべきだ」と面接で言ったとしても、勉強不足だと捉えられてしまいかねません。
そこで、事前に基本計画書を読み込んで、自治体の持つ課題は何か?そして、その課題に対してどの様な政策を実施しようとしているのかを整理し、その政策の中で自分はどのように行動していくのかを面接で話すことでより良い回答になります。なぜかというと、①基本計画書をしっかり読み込んで準備していると印象を与えられ、②大風呂敷を広げず、現実に出来ることを伝えることで公務員としての金銭などバランス感覚があると評価してもらえるからです。
上記のポイントを踏まえた回答例
○○市の課題とその解決方法は?
○○市の課題は、近年人口の流出が激しい点だと思います。○○市は特にその流出率が高く、実際に○○市でもコンパクトシティ化を計画していると思います。そこで私は職員として、市の中心部に住民が住めるよう住宅助成制度を整えて、住民に説明し、住民と共にコンパクトシティ化を推進できればと思います。
地域の課題の解決方法となると難しく感じてしまうと思いますが、ある政策を自治体が実施する際に、自分は職員として何が出来るかという個人の範囲で考えてみるといいと思います。上記の例も、「コンパクトシティ化する!」と大風呂敷を広げるよりも、「コンパクトシティ化を推進するために自分は~をする」と話した方が、よりよい評価を得ることができます!
受験する自治体の課題を明確にする!
最後に、回答例をどのように準備するかについて話したいと思います。今回の質問のために初めに行うことは、「自治体の課題を理解する」ということです。例えば、(http://www.city.matsudo.chiba.jp/shisei/keikaku-kousou/)このような自治体のHPにある基本計画を読むことによって課題は何か、また、その課題に対してどのようなことを実施しようとしているのか理解できます。また、自治体によっては(http://www.city.matsudo.chiba.jp/shisei/keikaku-kousou/sougoukeikaku/kihonkeikaku/koukisinkou/detaH2803.html)このような形で地域の持つ課題を整理してくれていることもあるので、そういった資料を活用するのもアリです。
課題を理解し、どのような施策を行おうとしているのか理解出来たらその次にやることは、他の自治体で同様の施策を行っていないか調べてみることです。例えば、コンパクトシティ化は富山市や青森市で先進的な事例としてすでに行われています。そして、具体的にどのようなことを行ったのか書かれているので、職員がどのようなことを実際に業務として行う必要があるのかイメージしやすくなります。
最後に、これまで調べたことを整理して以下の3つ
を整理しながら文章を作っていくとより良い回答を作ることができます。少し難しいとは思いますが、難しいからこそ合格不合格の評価の分かれ目になってくると思います。ぜひ参考にしてみてください!