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経済学における効用とは?-公務員試験ミクロ経済学

あっ、先輩、こんにちは!今日は何か調子悪そうですね。大丈夫ですか?

こんにちは、カズ。ありがとう、昨日ゼミの飲み会でお酒飲み過ぎたからまだ少し気持ち悪いんだよね…。

そうでしたか…。先輩、お酒好きでしたっけ?僕も二十歳になったら早く飲んでみたいです。

ビールは好きだよ~。でも、飲みすぎて気持ち悪くて、今はお酒のことは考えたくないかな...。

今日はゆっくり休んでください...!

ありがとう、昨日は飲みすぎて私のビールに対する効用はこれ以上飲むと逆に下がりそうな感じだよ。

あれ、「効用」ってミクロ経済学の講義でやったのは覚えているんですが、何でしたっけ?

「効用」は経済学ではすごく重要な概念になるから必ず理解したほうがいいよ。それじゃあ今日は、「効用」の基礎的な部分について勉強していこう。

効用とは?

「効用」とは、「消費者の主観的な満足度」を指し、英語ではUtilityと言います。経済学をこれから勉強していくと「限界効用」という用語が出ますが、「限界=Marginal」と「効用=Utility」の頭文字から「限界効用」はMUと表されることがあります。

 

効用を「消費者の主観的な満足度」と定義していますが、なぜ主観的かとしているのでしょうか。効用は人によって異なり、定量化は本来難しい尺度です。しかしながら、現実に消費者は「買いたいな」という欲求をもとに買い物を行います。

 

そこで経済学では、「効用」を仮に設定することで、主観的な尺度を定量的に表しています。併せて、経済学では消費者が個々人の効用を大きくしようと行動(財を購入)すると仮定しています。

 

例えば、多くの人はお腹が空いたら食欲を満たすために何か食べ物を買って食べるでしょう。また、スマホゲームで早くクリアしたいと思って課金する人もいるでしょう。在を購入することで食欲を満たしたり、早くクリア出来たりと満足することができます。これが経済学で定義づけられた効用の正体になります。

 

ここで、ケーキを例にとって効用を考えてみましょう。

図;ケーキの効用

 

Aさんはケーキが好きで、1個食べた時には満足しているけどもっと食べたいと思っているとします。そこでAさんは、2個目のケーキも食べたとします。この時、Aさんは2個食べれて大満足のため、効用が増えます。

 

次に、Aさんは2個でも満足出来ずもっと食べたいと思ったとします。この時、3つ目も食べることができ満足できたため、Aさんの効用はさらに増加します。

 

最後に、誰かケーキを1つもらって、さらに食べられることになったとしましょう。また、Aさんのお腹は限界で、さすがにもう食べたくないと思っているとします。この時、もうお腹いっぱいということで4つ目を食べたとしてもあまり満足できないと思います。そのため、Aさんの効用はほとんど増加しないと考えられます。

 

このように、効用は好きなもの(財)を消費すればするほど増加していきますが、消費しすぎるとさすがにもう満足しなくなってきます。このような効用と消費された財の個数の関係を、1財の効用関数と呼ばれる次のような簡単な関数で表すことができます。ちなみに、縦軸のUが効用の大きさを表していて、横軸のxが財の消費量を表しています。

図;1財の効用曲線

 

1つ目のケーキは格別に美味しいけれど、3つ目、4つ目と食べていくと最後には気持ち悪くなってしまってたくさん食べても満足度(効用)が上がらなくなってしまうことを上の図は表しています。もちろん、これに当てはまらない財もありますが、上記は一般的な形になります。

 

 

2財の効用関数

ここまで、一つの財(ケーキ)のみを使って、ケーキと効用の関係を見ていきました。しかし現実には財やサービスがたくさん存在し、人々はそれら多くの財を組み合わせて効用を高めています。

 

しかしながら、全ての財を分析するのは困難です。そこで経済学では、2つの財を使って分析しています。2財を使ったモデルは公務員試験でもよく出てくるため、基礎を抑える上でとても重要になってきます。例えば、お茶とコーヒーという2つの飲み物から効用を得ている個人を想定してみましょう。

図;お茶とコーヒーの2財の効用

 

上図のような効用曲線で表現される好みを持つ人がいたとします。今、お茶とコーヒーを合計4本飲んでいいとしたら、何本ずつ組み合わせて飲むと最も満足度が高いかを考えているとします。

 

人によってはどちらかが極端に好きで、片方を4本飲みたいという人もいますが、一般的には、コーヒー4本やお茶4本とどちらか一方に偏るのではなく、2本2本でお茶とコーヒーを組み合わせて消費した方が満足度は高くなると言えるでしょう。4本同じものを飲むと飽きてしまうためです。

 

そのため、ミクロ経済学でも2財の効用関数を作る際には、特に断りがなければ、2財を上手く組み合わせて消費した方が効用は高くなるという仮定が置かれています。

図;2財の効用曲線

 

2財の効用曲線は通常上記のように原点に対して凸の曲線になります。縦軸のYがお茶の個数で、横軸のXがコーヒーの個数だとします。この時、効用曲線上はどこでも同じ大きさの効用になります。例えば上図の場合、『お茶4本とコーヒー1本』の組み合わせと、『お茶2本とコーヒー2本』の組み合わせの効用は同じです。

 

どちらか一方に偏り過ぎていても満足度はそれほど上がりません。そのため、上記の場合では、『お茶4本とコーヒー1本』の組み合わせと、『お茶2本とコーヒー2本』の組み合わせの効用は同じとなっています。

 

また、特殊な効用曲線でなければ、効用曲線がグラフの右にシフトすればするほど効用が高くなるとされています。上図でも『お茶2本とコーヒー2本』の組み合わせより『お茶3本とコーヒー3本』の組み合わせの効用の方が右側にあるから効用は高いとされています。このような効用曲線を「無差別曲線」と呼ぶこともあります。

 

はじめにも言ったようにミクロ経済学では家計(消費者)が限られた資源(お金)の中で効用(満足度)を最大にするということを前提にして分析を進めていくため、効用はとても重要になってきます。

 

 

様々な無差別曲線

今回は冒頭の会話で出てきたお酒の効用関数について話しませんでした。というのも、お酒は通常特殊な効用関数の部類に入ってくるため、今回話した効用関数とは違う形になるためです。特殊な効用関数については以下のページで紹介していますので、ぜひ見てみてください。

 

bestkateikyoshi.hatenablog.com

 

bestkateikyoshi.hatenablog.com

 

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