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ミクロ経済学の利潤最大化条件とは?-公務員試験ミクロ経済学

こんにちは、先輩!そういえば、質問があるのですが今時間ありますか?

こんにちは、カズ。大丈夫だよ、どうしたの?

この間ミクロ経済学の授業で習った「平均費用(AC=Average Cost)」,「平均可変費用(AVC=Average Variable Cost)」、「限界費用(MC=Marginal Cost)」ですが、意味は理解できたんですが、何に使うのかいまいちわからないんですが、なんで覚えなくちゃいけないんですか?

色々なグラフが出てくるから覚えるので精一杯になってしまうこともあるけど、色々なことを明らかにするために使えるよ。

例えばどんなことを調べられたりするんですか?

例えば、ある価格の時に利潤が最大になる生産量を明らかにしたり、赤字になるかどうかを判断する損益分岐点(赤字になるときの生産量)を明らかにしたり、生産/販売自体をやめるべきかどうかを判断する操業停止点を明らかにするために用いられるよ。

そんなことができるんですね。

そうそう。今日は、そのうちの一つで、企業の利潤が最大になる生産量の導出の仕方について理解できるようにしよう!

利潤の求め方は?

まず利潤が最大となる生産量が決定されるためには、「平均可変曲線」、「平均可変費用曲線」、「限界費用曲線」だけでなく、生産物の価格も必要になってきます。公務員試験では通常、生産物の価格は所与(定数=与えられた数値)として問題文に書いてあることがほとんどです。

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例えば、ある企業(レストラン)がカレーを生産販売しており、以下の費用曲線を持つとします。そして、生産物であるカレーを1杯500円で販売しているとしたとします。

図:利潤の求め方は? 

上記のスライド2のように、カレーを100杯販売したとすると、売上は100杯×500円で50,000円となります。次に、100杯販売する時、このレストランの1杯の平均費用は「平均費用曲線AC」から450円なので、総費用は100杯×450円で45,000円になります。ということは、100杯販売した時の利潤は50,000-45,000=5,000円となります。

 

 

利潤最大化条件は?

ここまでで利潤の求め方は理解できたと思います。公務員試験では生産物の価格は所与として問題文に記載がありますが、利潤を最大にするために「生産量はいくつで計算すればいいの?」という疑問が出てくると思います。生産量については通常問題文にはなく、これは自分で導出する必要があります。

 

利潤最大化の計算をするために、生産量をいくつにすればいいのか結論から言うと、「限界費用MC=価格P」となる生産量を使うことになります!価格500円なので、以下のグラフだと限界費用曲線のMC=500円の時の生産量100杯が利潤最大となる生産量となります。

図:利潤の求め方は? 

 

 

限界費用MC=価格P」が利潤最大化条件となる理由は?

ではなぜ、「限界費用MC=価格P」が利潤最大化条件となるかというと、「価格P=限界収入MR」より、「限界費用MC=限界収入MR(価格P)」となるからです。「何を言っているの?」と思うかもしれませんが、そもそも価格Pは企業にとってMR(Marginal Revenue/限界収入)と同じ意味を持ちます。

 

「限界収入MR」とは?

「限界収入」とは、「生産を1単位増やす(/減らす)ごとにどれだけ追加的に収入が増える(/減る)か」を示していて、例えば、500円のカレーの販売量(/生産量)を100杯から101杯に増やすと、収入として500円分増えることを表します。ちなみに、「限界費用」とは、「生産を1単位増やす(/減らす)とどれだけ追加的に費用が増える(/減る)か」を示しています。

図:限界費用と限界収入による利潤最大化 

上記のスライド2をまず見てください。価格P(限界収入MR)を500円として、当初20杯生産しているとします。この時、限界費用MCは150円のため、20杯から21杯と一杯生産量を増やした時、500円の売上が伸びる一方で、追加的な費用は150円しかかからないため、利潤が大きくなります。そのため、この企業はもっと生産した方が利潤を拡大できます。

 

他方、スライド5のように105杯生産しているとき、106杯に増やそうとすると価格Pは500円なのに、限界費用MCは600円のため作れば作るほど赤字になってしまいます。そこで、105杯から生産量を減らしていくことを選択します。

 

最終的に100杯の時、生産量を上げても下げても利潤が減ってしまうため、生産量は100杯で安定します。これが「限界費用MC=限界収入MR(価格P)」となるメカニズムとなります。

 

 

最後に

限界費用MC=価格P」という利潤最大化条件は、公務員試験で超重要になってくる考え方です。暗記するだけでもいいですが、グラフを見ながら「どうしてこういう条件になるのか?」を理解することが問題を解く上で不可欠になってきます!ぜひマスターしてください!

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