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短期費用Ⅵ損益分岐点・操業停止点-公務員試験のためのミクロ経済学

bestkateikyoshi.hatenablog.com

登場人物

カズ

地域活性ボランティアサークルに所属する大学1年生。経済学部に所属しているが、数学は苦手。

Photo by All Solhouettes / Adapted

先輩

カズと同じ地域活性ボランティアサークルに所属する2つ上の先輩。経済学部に所属している。留学経験があり、外国人の友人も多い。

損益分岐点・操業停止点とは?

あ、先輩、こんにちは...。

こんにちは、カズ。どうしたの?そんなに疲れ切った顔して。

最近ミクロ経済学の授業で「短期費用」について学んでいるのですが、覚えることたくさんありすぎて大変です。これまでも先輩から企業の短期での利潤最大化の生産量をどの様に決定するか教えてもらいましたけど、いつまで「短期費用」について勉強するのですか?

「短期費用」の範囲はミクロ経済学で一番大変な範囲の1つだから、始めてミクロ経済学を学ぶ人にとっては大変だよね。でも安心して!これまで色々と話してきたけど、今回の「損益分岐点」と「操業停止点」が最後だから!

やっと終わりですね!良かったです(笑)。でも、「損益分岐点」、「操業停止点」って何なのですか?これまで説明してくれた「利潤最大化条件」とか「限界費用(MC)」とは異なるのですか?

うん。それらとは異なる話だけど、短期費用の分析で用いられる図1のような「平均費用(AC)曲線」,「平均可変費用(AVC)曲線」、「限界費用(MC)曲線」を使うから、一緒に覚えることが出来るよ!

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図1; AC曲線・AVC曲線・MC曲線

それぞれの曲線についての詳しい内容は、短期費用Ⅲ平均費用(AC),平均可変費用(AVC)と、短期費用Ⅳ限界費用(MC)に整理してあるからもし忘れていたら確認しておこう。

はい。ありがとうございます。

それじゃあまず、「損益分岐点」について話していこう。はじめに質問なのだけど、そもそも企業が損をしない生産量っていつの時だと思う?

損をしないようにするには、そもそも生産をしなければいいんじゃないですか?

確かに、まだビジネスを始めていない状態であれば生産をしなければ費用はゼロだから損はしないけど、ミクロ経済学の「短期費用」の分析で重要なのは、もう既に資本(K)投入量が一定量ある状態で、分析を始めるということを念頭に置くことだよ。

資本投入は確か、レストランであればテナント料のような固定費であったり、工場で生産するとしたら工場や機材のような固定費用のことでしたね。

そうそう。テナント料であればまだ簡単に解約できるかもしれないけど、工場や機材は一度買っても何も生産しなければそれだけで固定費用分費用がかかって損をしてしまうよね。だから、企業にとって損をしない生産量と言うのは、ある程度生産を行って固定費用(資本投入量に係る費用)を回収できるギリギリの生産量のことを言うよ。

なるほど。

そして、固定費用を回収出来て、損(/赤字)を発生させない生産量の境目になる価格と生産量の組み合わせを「損益分岐点」と言うよ。実際にグラフを使って見てみよう。

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図2;損益分岐点

図2はカレーの販売量(/生産量)を例にしているよね。「損益分岐点」は、図2のように平均費用(AC)曲線と限界費用(MC)曲線の交点の価格と生産量の組み合わせになるよ。なんでそうなると思う?

ええっと、何でですか?

なぜかを考えるためにまずは図3を見てみよう。図3はカレー1杯の価格が500円の時の最適な生産量と利潤について示しているよ。

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図3;価格500円、生産量100杯の時の利潤

価格は市場で決まるから、企業は決められないよね。だから例えば当初カレー1杯500円だったとするよ。すると、限界費用(MC)曲線で話したように生産量は、限界費用(MC)曲線を用いて100杯だと分かるね。この時、このカレー屋さんの売上の合計っていくらだったっけ?

「価格(円)×生産量(杯)」なので、500円×100杯=50,000円でした。

そうだね。じゃあ、生産量100杯の時の合計の費用はいくらになるんだったっけ?

確か、平均費用(AC)曲線を使うんですよね。生産量100杯の時の「平均費用(円)×生産量(杯)」になるので、450円×100杯=45,000円です。

そうそう。つまり、売上は限界費用(MC)曲線を使って計算して、費用は平均費用(AC)曲線を使って求めるんだったよね。そうすると、もし価格と平均費用が同じ時、つまり限界費用(MC)曲線と平均費用(AC)曲線との交点が同じ時、図4の総売上と総費用はどうなる?

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図4;損益分岐点

どちらとも41,800円になります。

そうだね。総売上も総費用も同じということは利潤が0になるよね。これがさっき話した損(/赤字)を発生させない生産量の境目になる価格と生産量の組み合わせの「損益分岐点」と言うんだよ!

なるほど。じゃあ次に、「操業停止点」とは何なのですか?

「操業停止点」とはその名の通り、「生産をやめるか続行するかの価格、生産量の組み合わせ」となる点のことを言るよ。図5を見てみよう。「操業停止点」は限界費用(MC)曲線と平均可変費用(AVC)曲線との交点の価格と生産量の組み合わせにあるよ。

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図5;操業停止点

限界費用(MC)曲線についてはさっきと同じだから図5のように価格250円の時に限界費用曲線から生産量は80杯だと分かるよね。そうすると、総売上は250円×80杯で20,000円となるよね。じゃあ、もう一つの平均可変費用(AVC)曲線とは何だったっけ?

ええと、平均可変費用(AVC)曲線とは「生産1個当たりの平均可変費用」を表す曲線でした。平均可変費用とは、人件費などの労働投入にかかる費用(機材など固定費用以外)のことなので、図5を例にすると平均可変費用が1杯250円の時の可変費用の合計は、250円×80杯=20,000円になります。

そうだね。平均可変費用とは、固定費用可変費用全ての費用の合計の平均である平均費用(AC)から固定費用を抜いた分だから、平均費用(AC)曲線よりも下にグラフが位置するんだったよね。

はい。

じゃあ、なんで「操業停止点」が限界費用(MC)曲線と平均可変費用(AVC)曲線との交点になるかというと、可変費用の性質を考えてみよう。可変費用とは、工場や機材など固定費用以外の人件費などの費用だから、もし操業しなければ0になるよね。

そうですね。

ということは、もし売上の合計が可変費用の合計を上回る生産量だとしたら生産した方が良い?

売上の方が高ければ生産した方が良いですけど、固定費用は含まないのですか?

うん。固定費用は考慮しないよ。例えば、生産量100杯で、10,000円売上があって、可変費用の合計が8,000円、固定費用が50,000円だとした時、100杯生産すると、損失はいくらになる?

10,000円から可変費用の8,000円と固定費用の50,000円を引くと、マイナス48,000円のなり、48,000円の損失が出ます。

そうだね。じゃあ損失が出るからといって生産量0(生産しない)場合はいくら分損失が出る?

売上も可変費用もないので固定費用の50,000円分が損失になります。あ、生産量100杯を生産する方が損失は少ないですね。

そうそう。じゃあ例えば生産量50杯の時売上が5,000円で、可変費用8,000円、固定費用50,000円の時はいくら損失が出る?

もし50杯生産したとき損失は5,000円から8,000円と50,000円を引いて、53,000円の損失が出ますが、生産しなければ固定費用分の50,000円分の損失だけで済みます。

うんうん。じゃあもし売上が8,000円、変動費用も8,000円、固定費用は50,000円なら損失はいくらになる?

あ、売上の合計と変動費用の合計が同じ時は、生産してもしなくても損失は固定費用分の50,000円になります!

そう!このように、売上の合計と変動費用の合計が同じになる時が「操業停止点」になるんだ。つまり、操業停止点より下の生産量になると固定費用分とさらに変動費用の損失が出てくるから損失がより大きくなってしまうよね。

図6;操業停止点②

図6を見てみよう。図6の2枚のスライドは「カレー1杯の価格250円で生産量80杯」の時と、「カレー1杯200円で生産量70杯」の時を表しているよ。価格250円の時はちょうど限界費用(MC)曲線と平均可変費用(AVC)曲線の交点だから、もし固定費用が10,000円だとしたら、生産してもしなくても損失は10,000円だよね。

2つめの「カレー1杯200円で生産量70杯」のときは総売上が14,000円なのに、変動費用の合計は18,200円ですね。

そうだね。そうすると、変動費用だけで損失が4,200円出てるよね。それプラスで固定費用10,000円分を支払う必要があるんだから、損失は14,200円になってしまうよね。だから、それなら生産しないで10,000円固定費用だけ支払う方がいいから、「操業停止点」より下の生産量では操業しない方がいいということになるんだよ。

なるほど。そういうことだったんですね。グラフの読み方もよく分かりました!ありがとうございます!

bestkateikyoshi.hatenablog.com

参考

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