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長期費用(LC)とは?-公務員試験ミクロ経済学

あ、先輩、こんにちは。質問があるのですが、今大丈夫ですか?

こんにちは、カズ。大丈夫だよ、どうしたの?

ありがとうございます。ミクロ経済学の授業で、先週まで「限界費用MC」や「平均費用AC」など勉強してきて何とかマスターできたのですが、今日の授業で「長期限界費用LMC」と「長期平均費用LAC」が出てきて、よくわからなくなってしまいました。

あー、なるほど。確かに似たような言葉がたくさん出てくるから訳が分からなくなってしまうよね。

そうなんですよ…。

でも、「短期」と「長期」の違いをしっかり理解しておけばそんなに難しくないから、今回は「長期限界費用曲線LMC」と「長期平均費用曲線LAC」を実際に見ながら直感的に理解できるようにしよう!

「長期」と「短期」の違いは?

公務員試験では圧倒的に「短期」を仮定した問題が出題されるため、「長期」の限界費用曲線や平均費用曲線について気に留めない受験生も多くいます。しかし、この「長期」と「短期」、あまり難しくありません。大きな違いとしては、「短期」の時と違って「長期」の時には「固定費用FC」が存在しないという点です。

 

短期費用曲線について勉強した時、以下のように平均費用(AC)、平均可変費用(AVC)が出てきました。

bestkateikyoshi.hatenablog.com

可変費用とは、人件費などのように短期間でも比較的柔軟に投入量を変化することができる費用になります。一方で工場の設備の費用やテナント料など資本投入に対する費用は短期間で投入量を変化することが困難なため、固定費用と呼ばれています。短期における総費用は可変費用固定費用を合計したものを言いました。このように、可変費用固定費用を分けて費用を分析するのが短期の最大の特徴の一つでした。

 

しかし、長期費用の分析では工場設備なども長期間の中で変化することができると考え、固定費用が存在しないと考えます。したがって、短期における平均可変費用AVCのように平均費用ACと分ける必要はなく、長期平均費用LAC(長期平均可変費用と同じ意味)だけが使われます。

 

 

長期限界費用曲線(LMC)と長期平均費用曲線(LAC)とは?

長期における限界費用曲線、平均費用曲線の形状は、以下のように短期における限界費用曲線、平均費用曲線と変わりありません。ちなみに、短期の時と違って固定費用はないと考えるので、平均可変費用曲線は描かれません。

図:長期限界費用曲線(LMC)と長期平均費用曲線(LAC) 

短期の時と同様に、限界費用MC=価格Pで生産量が決定します。上記のように価格500円の時、MC=500円となる生産量100杯で利潤最大化されます。

 

しかし、長期の場合、利益がとれそうであれば企業が利潤を求めて同じ市場に参入してくると考えられるので、価格は長期均衡であるLMC=LAC(交点)で均衡します。

 

例えば、今年の大学祭であるサークルが500円でタピオカを販売することにしたとし、1杯にかかる費用は460円だとします。今年このタピオカを販売すると大盛況で、1日100杯売れて利益が出たとすると、40円×100杯=4,000円の利益が出ます(スライド1)。

図:長期均衡 

するとこの様子を見た他のサークルが、お金になりそうだからと次の年参入してきます。この時、先に500円で販売していたサークルに対抗するために安く販売します(スライド2)。この時、参入してきたことで競争が発生するため、長期平均費用LACギリギリまで値段を下げることで対応します(スライド3)。

 

そうした結果、長期均衡においては市場全体としてLMC=LAC=Pが成り立ちます。もしこれが短期費用分析の場合は1年間とか短いスパンで考えるため、他のサークル(企業)の参入がないと仮定しているので、利潤があると仮定しています。しかし、長期費用分析になると利潤を求めて他の企業が参入してくるため価格競争になり最終的に利潤ゼロの長期限界費用曲線(LMC)と長期平均費用曲線(LAC)との交点で均衡するとしています。

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