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外部不経済・外部経済とは-公務員試験のためのミクロ経済学

bestkateikyoshi.hatenablog.com

登場人物

カズ

地域活性ボランティアサークルに所属する大学1年生。経済学部に所属しているが、数学は苦手。

Photo by All Solhouettes / Adapted

先輩

カズと同じ地域活性ボランティアサークルに所属する2つ上の先輩。経済学部に所属している。留学経験があり、外国人の友人も多い。

外部不経済・外部経済とは?

先輩、こんにちは...。

こんにちは、カズ。今日もまた疲れた顔しているね。今日もミクロ経済学が中間テスト対策の勉強で大変?

はい。そうですね。この間先輩が「価格の硬直性」について教えて下さったので、需要と供給の均衡の安定性について整理できてきました。ただ他の部分でちょっと疑問があるのですが、余剰分析で「消費者余剰」と「生産者余剰」を足し合わせた「総余剰」が市場全体の余剰の合計のことで、この総余剰が大きければ大きいほど、市場では効率的な売買が出来ているということでしたよね。

そうだね。そして図1のように需要と供給が一致する生産量、価格のところで適切な資源配分ができているということだったよね。

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図1;総余剰

はい。でも、市場全体で適切な資源配分ができていたとしても、例えばある工場が害のある成分を含む排水を垂れ流したり、ゴミを不法投棄していたりしたとしたら、生産者と消費者の間では最適な生産量ですけど、社会全体にとっては環境問題を引き起こしたりで良くないですよね。ミクロ経済学では、こういった生産者と消費者の間のやり取り以外の問題なども考慮しているのですか?

いいところに気が付いたね。ミクロ経済学でも今カズが言ってくれたような生産者と消費者の間のやり取り以外の問題も「外部性」をいうテーマで勉強するよ。

「外部性」ですか?市場の外っていうことですか?

うんうん。さっきカズが言ってくれたような環境問題って生産物の売買のときには含まないけど、人間が生活するうえで被る不利益だよね。それらを是正するためにはコストを支払って改善する必要があるけど、もし政府が市場のやり取りに介入しなければ、誰もそのコストを支払わずに結局、被害を受ける人達が出てきてしまうよね。このように、市場のやり取りの中に「内部化されていないコストが存在する」ケースを外部性というよ。

なるほど。「内部化されていないコストが存在する」ケースのことを外部性というのですね。

そうそう。それじゃあ実際に外部性について詳しく見ていこう。特に外部性は2つに分類されて、「外部不経済」と「外部経済」という2つに分類されるよ。

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図2;外部不経済とは

まず外部不経済っていうのは、負の外部性が存在するケースのことだよ。市場の中では消費者余剰と生産者余剰を足し合わせた総余剰が最大の効率的なやり取りができているけど、社会全体で見たときには環境問題のような問題が起こっていて、問題を是正するためのコストが市場のやり取りに含まれていないことを負の外部性があるというよ。

社会全体では問題が起きているのに、市場のやり取りの中ではその問題を解決するためのコストが支払われていないケースを外部不経済と言うんですね。

そうそう。図3を見てみよう。

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図3;需要曲線と供給曲線(=私的限界費用曲線)

まず図3のようにある財の市場での生産量と価格は需要曲線と供給曲線の交点で安定するんだったよね。

はい。図3の例だとある財1個の価格が100円の時に生産量120個で均衡します。

そう。じゃあ、供給曲線についてだけど、供給曲線というのは市場でこの財を生産する企業の限界費用曲線を足し合わせたものだよ。限界費用については復習だけど、今から生産量を1つ(1単位)増やしたときに増えた費用のことを言っているよ。純粋独占市場の時にも似たような話をしているから、もし忘れていたら少し確認してみよう。

図4;外部不経済

図4のようにもともと市場で含まれていないコストが存在する場合は私的限界費用曲線として生産量と1個の価格も120個、100円となるよね。でも、自分たちの市場の財の売買によって環境問題のような社会的損失が発生しているから、市場内部のコストとして社会的限界費用曲線としてコストを含めるとするよね。そうしたら、生産量と1個当たりの価格はどうなっている?

社会的限界費用曲線と需要曲線の交点で均衡するんですよね。そうなると、1個当たりの価格は110円で、総生産量は100個になります。

そうだね。このように外部不経済では社会的なコストを生産者や消費者などその市場内部の人たちに支払ってもらう様にしているよ。もっと具体的に言うと①政府が環境問題などの保障のために課税を行う方法、②企業自身が環境問題への補償金を支払う方法の2点が外部不経済を内部化する方法としてあるよ。

なるほど。ちなみに、この2つの考え方はグラフにすると何か違いとかあるのですか?

いいや、基本的には外部不経済を内部化するということはつまり、社会的限界費用曲線を用いて生産量と1個当たりの価格を考えるから、どちらもグラフにするとほぼ同じだと考えて大丈夫だよ。

そうなんですか。覚えること少なくなって良かったです(笑)。

ここまでが社会全体にとって良くない影響を与えてしまう外部不経済だよ。ここまでは環境問題のような悪い影響だったけど、ある財を売買することによってその外部へのメリットがある外部性もあるよ。それを外部経済と言うよ。

なるほど。不経済じゃなくて経済なんですね。でも、その市場以外の外部に良い影響を与える財ってあるのですか?

うん。結構例はあるけど、代表的な財として学校経営などがあるよ。分かりやすく私立学校を例にして考えてみると例えば、私立学校は生徒からの授業料によって経営が成り立っているよね。でも、その私立学校でスキルを身に付けた生徒が企業に就職すると、それらの企業にとってもメリットがあるよね。

はい。企業が教育しなくてもある程度のスキルが身に付いている人材を採用できると企業にとってはメリットがありますね。

そうそう。でも、企業はそのメリットの分のお金を私立学校に払うわけではないよね。これを外部経済と言うよ。

なるほど。では外部経済の場合はどの様にグラフで表されるのですか?

図5を見てみよう。外部経済の場合は外部不経済の時の私的限界費用曲線、社会的限界費用曲線の位置とは少し異なり、私的限界費用曲線の下に社会的限界費用曲線が来るよ。

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図5;外部経済

なぜ図5のように社会に良い影響を与える外部経済の社会的限界費用曲線が私的限界費用曲線の下方に来るかと言うと、私立学校の経営だけを考えると生徒から授業料を受け取るだけで、授業料を得るためだけのコストと考えると高くなってしまうけど、もし卒業した生徒を雇用した会社にとってのメリットも考えると、会社はまた一から教育する必要がなくなるからコストも浮くよね。

あ、つまり私立学校の教育サービスによって、他の会社で本来必要だった研修とかのコストが浮くことで社会全体としては効率的になるから社会的限界費用曲線は私的限界費用曲線の下方に来るんですね!

そうそう!このような外部経済の場合は、私的限界費用曲線と需要曲線の交点における生産量は、社会的限界費用曲線と需要曲線の交点よりも過少で、価格も高くなってしまっているよね。

はい。図5を見るとそうですね。

このような場合には、政府が補助金を私立学校に支払うなどして私立学校の私的限界費用曲線を社会的限界費用曲線まで引き下げるなどして対処することによって、社会的に良い生産量、価格にするという方法がとられたりするよ。

なるほど。外部不経済の場合は、政府が市場から税を受け取ったり補償金を徴収したりする側だったのが、外部経済の場合は、政府が補助金を渡す側になるのですね。よくわかりました!ありがとうございます!

bestkateikyoshi.hatenablog.com

参考

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