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コースの定理とは?-公務員試験ミクロ経済学

あ、先輩、こんにちは~。ちょっと質問あるんですけど、今大丈夫ですか?

こんにちは、カズ。大丈夫だよ、どうしたの?

ありがとうございます!この間、ミクロ経済学の授業で「外部不経済」について勉強しているときに「コースの定理」という言葉が出てきたのですが、どういう意味か余りわからなかったので教えてほしいです…。

なるほど…。「外部不経済」は財のやり取りによって市場の外(社会全体)に与える悪影響に対して誰も対処しないことを言ったよね。

はい!「外部不経済」はもう完璧なので大丈夫です!

その「外部不経済」を内部化、つまり市場内部で解決する場合の交渉の方法のことを「コースの定理」というよ。公務員試験ではそんなに出題はされないけど、用語は時々出てくるから今日しっかりとマスターできるようにしよう!

コースの定理とは?

ミクロ経済学では、環境問題などの悪影響に対して誰が解決のためのコストを支払うのかという問題に対して、外部の被害を受けている人たちとどのように交渉して損失を補填するのか?ということが分析されることがあります。その中の一つの考え方として経済学では、市場内部の主体と被害を受けている主体の交渉にかかるコストがないと仮定した時、「両者が交渉することによってどちらが損失補償をしたとしても最適な資源配分を達成できる」とする「コースの定理」という考え方があります。

 

公務員試験で出題される「コースの定理」の定理の出題例としては以下のスライドのような設問があります。

表:コースの定理 

スライドの2枚目のように、外部性が存在し、交渉によって損失補償額、生産量を明らかにする問題が出題されることがあります。今回は工場を所有するA社とその近海で被害を受けているB事業者との交渉として、実際に見ていきたいと思います。「コースの定理」に関する問題を解くときに、初めにポイントとなるのが『A社とB事業者を合わせた社会全体の「A社の利益-B社の損失額」が一番高い生産量はいくらの時か』という部分です。

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コースの定理解法

上記のスライドを見ると分かるように、コースの定理では「A社の利益-B社の損失額」が最も高いときの生産量が社会全体として最適な生産量となるため、「A社の利益-B社の損失額」が最も高い430の時、A社の生産量130が社会的に最適な生産量となります。

 

 

A社が損失補償を行う場合

コースの定理」は「両者が交渉することによってどちらが損失補償をしたとしても最適な資源配分を達成できる」と定義しました。ここで、本当にそうなるのか、B事業者が漁業を行っていた後にA社が工場を建てて損失補償を行う場合と、A社が工場を経営していた後からB事業者が漁業を始めるために補償金を支払う場合の2つに分けて説明していきたいと思います。

 

まず、B事業者が漁業を行っていた後にA社が工場を建てて損失補償を行う場合ですが、この時、A社は自社の利益も最大にしつつもB事業者の損失の補填をしないといけません。

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ケース1「先に業者Bがいて、後からA社が入ってきた場合」

この時、A社は生産量を120にすると利潤は430で、B事業者の損失15を支払ってあげたとすると、残りの利益は415になります。さらに、A社は生産量を140にすると利潤は460で、B事業者の損失は30を支払ってあげたとすると、残りの利益は430になり、損失分を支払ってあげたとしてもA社の利益は増えます。しかし、A社は生産量を160にすると、利潤は480に増えますが、B事業者の損失も60となり、損失分を支払うとA社の残りの利益は420になります。つまり、A社がB事業者の損失を補填してあげるとした場合、A社は生産量が140の時、利益も一番多くなります。

 

 

B事業者が補償金を支払う場合

次のケースは、元々A社が工場で生産を行っていたところに、業者Bが入ってきた場合です。この時、元々A社は生産を行っていたわけなので、わざわざ新たに入ってきた業者Bに損失を補償する必要はなく、逆に事業者Bは自分たちへの損失を減らすためにA社に適切な生産量にしてもらうよう補償金を支払います。

 

この時、A社は生産量180の時利潤500と最大にできるため、B事業者は補償金を出してA社の利潤を500に維持しつつ、自社への損失も減らしていけるような戦略をとります。

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ケース2「先にA社がいて、後から業者Bが入ってきた場合」

この時、B事業者が選択するのがケース1と同様にA社の生産量140となります。なぜかというと、上記のスライドを見ると分かるように、損失額と補償額の合計が一番少なくなる生産量140の時が選ばれるからです。例えばA社の生産量を120まで抑えてもらおうとすると、この時のA社の利潤は430なので、B事業者は500-430=70を補償金として支払ってあげる必要があります。さらに、損失は15なので合計85コストがかかります。また、A社の生産量が160の時利潤は480のため、B事業者は補償金を20だけ支払えばよいのですが、逆に損失が60となり、合計80のコストになってしまいます。しかし、A社の生産量が140の時は利潤が460なので、B事業者は40だけ補償金を支払えばよく、損失は30のため、コストは合計70となり、この時が一番B事業者のコストが少なくなるため、交渉によってA社の生産量140の時が選択されます。

 

このようにして、交渉を行ってどちらから補償金を支払うとしても、選択される生産量は同じになります。これをコースの定理といいます。

 

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