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有効需要の原理とは?-大学生の視点で理解するマクロ経済学

登場人物

カズ

地域活性ボランティアサークルに所属する大学1年生。経済学部に所属しているが、数学は苦手。

Photo by All Solhouettes / Adapted

先輩

カズと同じ地域活性ボランティアサークルに所属する2つ上の先輩。経済学部に所属している。留学経験があり、外国人の友人も多い。

有効需要の原理とは?

あ、こんにちは、先輩...。

こんにちは、カズ。どうしたの?表情が暗いけど。

えっと、実はこの間マクロ経済学の講義で「有効需要の原理」というのを習ったんですが、有効な需要の原理って用語から意味がよく分からないです...。それなのに明日小テストがあってどうしようかと考えてました。

なるほど...。確かに「有効需要の原理」って言葉だけでは分かりにくいよね。ただ、以前三面等価の原則とは?で話したように、マクロ経済学の様々なテーマの土台になる三面等価の原則を理解出来ていれば、簡単に理解できるテーマになるよ。

三面等価の原則ですか?確か、三面等価の原則っていうのは、「生産面」「分配面」「支出面」の3つの側面から一国全体の国民所得を見ることができて、「生産面からみた国民所得」=「分配面から見た国民所得」=「支出面から見た国民所得」というイコールの関係になるっていう原則でしたよね。

そうそう。そして、三面等価の原則を用いてマクロ経済学の諸テーマを分析していくって話を以前したよね。

はい。つまり今回の「有効需要の原理」も、三面等価の原則の等式(「生産面からみた国民所得」=「分配面から見た国民所得」=「支出面から見た国民所得」)を用いて「有効需要の原理」を理解していくってことですか?

そうだよ。

有効需要の原理」が何を使って成り立つのかはよくわかりました。それじゃあ、そもそも有効需要の原理」ってどういった原理なのですか?

有効需要の原理」というのは、需要量に合わせて供給(生産量)が即座に調整されるという考え方だよ。例えばある国の国民たちがチョコレートを一か月に100個分欲しいと思っているとするよね。それを知ったチョコレート会社は一か月に何個製造販売しようとする?

100個消費者がほしいと考えているとしたら100個作ると在庫もなくて無駄なコストがなく売り上げることができますね。

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図1;「有効需要の原理」とは?

そうだね。このように「有効需要の原理」とは、需要量に合わせて供給量もイコールになるという考え方なんだよ。ちなみに「需要量=供給量」って三面等価の原則では{何の国民所得=何の国民所得}になるかな?

ええっとですね...あ、「支出面から見た国民所得=生産面から見た国民所得」と同じことですね。

そうそう。「有効需要の原理」では、三面等価の原則の「支出面から見た国民所得=生産面から見た国民所得」という考え方が土台になっているよ。

なるほど。あれ、でも現実では企業の生産活動の中で在庫とか発生してますよね。在庫って発生したら、消費者がほしいと思う需要量と、生産した供給量がイコールにならなくなってしまいますね。

いいところに気が付いたね。確かに世間一般の考え方で考えると、在庫があると需要量と供給量が合ってないと感じてしまうよね。でも、三面等価の原則では、「支出面から見た国民所得」の中に企業が次期への投資として在庫を買い取ったと考えるから、統計上は「需要量=供給量」の「有効需要の原理」が成立するよ。

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図2;在庫がある場合の有効需要の原理

在庫が出た場合は、次期のための投資として自社で支出すると考えるから統計上は「有効需要の原理」が成立するんですね。

そうだね。それじゃあ有効需要の原理をもとにグラフで考えてみるとどうなるかだけど、図3を見てみよう。横軸(X軸)が一国の生産額(=供給額)、縦軸(Y軸)が需要額を表しているよ。

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図3;45度線分析

原点から伸びている直線が供給額を表していて、供給額は三面等価の原則でも話したように需要額と一致するから、だから45度の直線になっているよ。この後でさらに総需要を表すグラフも付け加えるんだけど、それら2つのグラフから一国の国民所得はいくらの時に需要と供給が一致するかを分析出来るようになっているよ。

なるほど。45度の供給額を示す直線は例えば、縦軸の需要額が100の時に横軸の供給量も100で一致するから45度の直線になっているのですね。

そうだね。じゃあもう一方の需要額を示す直線だけど、これは原点からスタートしてないよね。これはなんでだと思う?

うーん、なんでですか?よく分からないです。

需要額って「支出面から見た国民所得」のことだったけど、もし国民所得が0の時って消費者の消費額も0になると思う?

いえ、確かに所得がないと支払うことはできませんが、何か食べたりしないとそもそも生きていけないので、消費額は0にはなりません。

そう。つまり、需要額を示す直線は、横軸の国民所得に対して需要額が0からスタートしないから、供給額を示す45度の直線とは違って原点からスタートしないよ。

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図4;需要額を表す直線

図4に書いてあるように、マクロ経済学の45度線分析においては需要額Yd=C+I+G(消費額+投資額+政府支出額)となっていて、消費は国民所得が0でも取らないと生きていけないから国民所得の大きさに左右されない「基礎消費C₀」というものを考えていてグラフを作っているよ。

なるほど。だから供給額を表す45度線とは傾きが異なるのですね。

そうだね。図5は需要額と供給額を表す直線を2つとも入れたグラフだよ。

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図5;均衡国民所得水準

図5中の2つの直線の交点Y*は均衡国民所得水準と言って、財のやり取りを行う財市場を均衡させるような国民所得のことだよ。

なるほど。三面等価の原則から有効需要の原理に繋がって、45度線分析を理解できるようになるのですね。全てを理解するのは大変そうですが、つながりを意識して覚えられるようにします!

bestkateikyoshi.hatenablog.com

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