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マーシャル=ラーナーの安定条件とは?-公務員試験マクロ経済学

こんにちは、先輩…。

こんにちは、カズ。どうしたの?なんか表情が暗いけど。

はい。実は経済学の授業でマーシャル=ラーナーの安定条件という用語がよく出てきたのですが、計算とか覚える量が多いし計算がややこしくよく分からないです。わからな過ぎて公務員試験も諦めモードです…。

そうだったんだ。まぁマーシャル=ラーナーの安定条件は捨てる受験生も多いからね。捨てるのもアリかもしれないけど、出題されたら他の受験生と差をつけられる部分でもあるから、せっかくだし勉強してみよう!

マーシャル=ラーナーの安定条件とは?

まずマーシャル=ラーナーの安定条件とは何かですが、マーシャル=ラーナーの安定条件とは「自国通貨が増価(/減価)したときに経常収支が悪化(/改善)するための条件」のことです。式にすると以下のようになります。

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マーシャルラーナーの安定条件式

マーシャルラーナーの安定条件では、「𝜺𝑿;輸出の価格弾力性」「𝜺𝑴;輸入の価格弾力性」を使います。それぞれの用語の詳しい説明をする前に、マーシャルラーナーの安定条件についてできる限り簡単に説明していきたいと思います。

 

自国通貨(例えば、日本円)の増価、減価とは、増価が円高(1ドル=e円のeが下落すること)で、減価が円安(1ドル=e円のeが上昇すること)を表します。経常収支とは、貿易やサービスなどの「モノ」の流れを表しており、「貿易・サービス収支」「第一次所得収支」「第二次所得収支」の3つから成り立っていますが、ここでは経常収支を「輸出額―輸入額」と考えてみるといいと思います。

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マーシャルラーナーの安定条件とは

よく円安が経済にとって明るいニュースとして紹介されているのを見聞きしたことがあると思います。これは例えば、1ドル=100円が1ドル=200円の円安になったとした場合、これまで1個100円(ドルにすると1ドル)でチョコレートを輸出していた企業が、1個0.5ドルで輸出できるようになり、有利に貿易ができるようになるためです(円安のおかげで安く販売できるようになったり、1ドルのまま販売すれば200円の売り上げになるのでもうけが増えたりするため)。輸出額が増えて、輸入額が減ると、経常収支を「輸出額―輸入額」とすると、黒字額が大きくなります。これを経常収支の改善と言います。

 

逆に円高になると、日本の輸出企業にとっては不利な条件となってしまいます。輸出額が減り、輸入額が増えると、経常収支の「輸出額―輸入額」において赤字額が大きくなるため、経常利益が悪化します。

 

以上のような現象は、経済にそこまで詳しくなくとも感覚として理解できる人は多いと思います。この現象が感覚としてではなく、「数値上」も成り立つための条件が、マーシャルラーナーの安定条件、即ち𝜺𝑿+𝜺𝑴 >𝟏となります。

 

 

輸出・輸入の価格弾力性とは?

ラーナーの安定条件の式に出てきた「𝜺𝑿+𝜺𝑴 >𝟏」において、「𝜺𝑿;輸出の価格弾力性」は「外貨建ての輸出財の価格が1%変化した時に輸出量が何%変化するか」を表しています。ここでポイントは、「外貨建ての輸出財の価格」という部分にあります。これは海外に品物を輸出するときに通常は相手国の通貨でやり取りするためです。また、「弾力性」という難しい言葉が出てきましたが、弾力性の式は通常以下のような形になります。

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弾力性とは

上記のように、輸出・輸入の価格弾力性ともに(-1)を掛けますが、ミクロ経済学などで出題される供給の価格弾力性の場合などでは(-1)を掛けないことがあります。というのも、価格が上昇したら、輸出入によって品物を購入する人は購入量を減らします。つまり、価格の上昇と購入量は逆向きの関係にあるため、-1を掛けます。しかし、供給の価格弾力性の場合は、供給者(販売者)目線で見ているので、価格が上昇すればもっと売りたいと思うようになるため、価格と販売量が同じ向きの関係にあります。

 

輸出量をX,外貨建ての輸出財の価格をP*としたとき、輸出の価格弾力性は𝜺𝑿=f:id:bestkateikyoushi:20190714170116p:plainとなります。

 

次に、「𝜺𝑴;輸入の価格弾力性」とは、「邦貨建ての輸入財の価格が1%変化したときに輸入量が何%変化するか」を表すもので、こちらは「邦貨建ての輸入財」となります。というのも、輸入する際は基本的に日本円でやり取りするためです。輸入量をM,外貨建ての輸出財の価格をPとしたとき、輸出の価格弾力性は𝜺𝑿=f:id:bestkateikyoushi:20190714170253p:plainとなります。

 

 

なぜ𝜺𝑿+𝜺𝑴 >𝟏になるのか?

輸出と輸入の価格弾力性が分かったところで、マーシャルラーナーの安定条件の式全体を見ていきましょう。本ページを見て下さっている方は「どうして>1なの?」と思うかもしれません。実を言うと僕もはじめは全く理解できませんでした。

 

ここで詳しく説明するか迷ったのですが、証明するにも経常収支の決定方法の一つとして用いられる弾力性アプローチという別の分野に絡んでくるため、証明についてはこちらのページを見てください。

 

 

Jカーブ効果とは?

ここまでマーシャルラーナーの安定条件について説明してきましたが、「じゃあ実際にいつでもこの条件は成り立つの?」と言われると、答えは「ノー」です。というのも、現実には、為替レートが変化しても、契約等の関係ですぐに輸出入量が変わるというわけではないからです。品物などの輸出入契約は、投資のようにデイトレードをしているわけではなく、何カ月間での長期契約をしていることが多いです。

 

すると、短期では、「円安(/円高)によって経常収支(輸出額―輸入額)が改善(/悪化)する」というマーシャルラーナーの安定条件が成り立たないことになります。

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Jカーブ効果とは

縦軸に経常収支、横軸に時間の経過を示す上記の図において、円安の場合は「マーシャルラーナーの安定条件」によれば時間の経過とともに右上に進んでいきます(経常収支の改善=円安になる)が、短期的には一度右下に下がっています。契約等の関係により為替レートの変化にすぐに輸出量が変化しないために一度経常収支が悪化するため、Jのような弧を描いています。これがJカーブ効果になります。

 

現実にはこのように、Jカーブ効果が発生しますが、経済学のモデル分析上ではJカーブ効果を無視することも多いです。マーシャルラーナーの安定条件が出題された場合は、常にこの条件が満たされていると仮定するので、いずれにせよ注意が必要です。

 

 

最後に

いかがでしたでしょうか?マーシャルラーナーの安定条件は、捨てる受験生も多いので、なかなか理解しにくいトピックではありますが、理解できれば他の受験生と差をつけることのできる範囲になります。ぜひ頑張ってみてください!

 

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