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貨幣数量説とは?-公務員試験マクロ経済学

こんにちは、先輩!最近マクロ経済学の授業で、ケンブリッジ方程式とか、フィッシャーの数量方程式新しい用語が出てきて混乱しているんですけど、助けてください…!

こんにちは、カズ。ケンブリッジ方程式ってことは、古典派の貨幣数量説に関する範囲だね~。古典派に関する議論ってIS-LM分析から貨幣数量説までたくさんトピックがあるから、貨幣数量説まで覚えてられないという受験生も多いから大変だよね。

そうなんですよね、しかも貨幣数量説はIS-LM分析みたいに図を使ったりするわけではないから少し覚えづらいです。

確かにそうだね。貨幣数量説は古典派の貨幣市場のことを見ていくから、今日は古典派の貨幣市場も含めて理解できるようにしよう!

古典派の貨幣市場では何が決まる?

そもそもマクロ経済学では、「財市場」、「貨幣市場」、「労働市場」と大きく3つの市場を分析対象としており、それら3つの市場において物価水準Pや、国民所得Y、利子率rが均衡する時に安定した状態となります。

 

どのように均衡状態になるかについては、ケインズ派と古典派という2つの考え方が公務員試験では出題されますが、古典派の考え方によると、国民所得Yは失業者のいない完全雇用国民所得の水準で均衡し、利子率rは財市場で決定された水準で均衡するとされています。

 

それでは古典派の貨幣市場では何が決まるのでしょうか?古典派の想定する貨幣市場では、物価水準Pが決まるとされています。貨幣市場は貨幣供給と貨幣需要の関係式M/P=L(Y)+L(r)が成り立っているとされていますが、物価水準Pは右辺の分母にある値になります。

bestkateikyoshi.hatenablog.com

 

 

貨幣の流通速度とは

それでは実際に、貨幣市場においてどのように物価水準Pが決まるかですが、前提として「貨幣の流通速度」を理解する必要があります。貨幣の流通速度とは、「ある一定期間に貨幣が平均して何回用いられたか」を意味しています。この貨幣の流通速度をvとしたとき、物価水準P、一定期間の取引量T、マネーサプライMを用いてv=PT/Mと表すことができます。

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貨幣の流通速度

一定期間の取引量とは、ある経済の中で、どれだけお金がやり取りされたかを表します。例えば、10万円のパソコン、5万円のテレビのみがやり取りされている地域を仮定します。一定期間の中でパソコン5台、テレビ10台が販売されたとすると、この地域では100万円分のやり取りがされたことになります。

 

ここで、例を分かりやすくするために、物価水準Pを加味した取引量PTを100万円とします。もしこの地域内で実際に出回っている貨幣量(即ち、マネーサプライM)が10万円分のみとすると、v=PT/M=100/10=10回転となり、ある期間内での貨幣の平均流通速度は10回となります。これが貨幣の流通速度の考え方となります。古典派の仮定する貨幣市場では、この貨幣の流通速度vは一定であるとします。

 

 

古典派における金融政策の効果

先ほどの貨幣の流通速度v=PT/Mを変形して、マネーサプライMと物価水準Pの関係について深く考えていきたいと思います。v=PT/MのマネーサプライMと物価水準Pを左辺に移動させ、貨幣の流通速度vを右辺に移動させると、M/P=T/vとなります。

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貨幣数量説とは

M/Pは実質マネーサプライです。ここで貨幣の取引量Tを一定とすると、(名目)マネーサプライMが変化しても、変化するのは物価水準Pのみとなります。マクロ経済学で出てくる金融政策は、名目マネーサプライMを変化させることでしたが、金融政策を実施しても物価水準Pのみが変化し、国民所得には影響を与えないことになってしまいます。つまり、古典派の考える貨幣市場においては、金融政策は無駄であり、インフレ/デフレを招いてしまうという結果を招いてしまうことになります。

 

 

ケンブリッジ方程式とは?

次に、冒頭の会話で出てきたケンブリッジ方程式について見ていきたいと思います。まず、先ほどの貨幣数量説のM/P=T/vにおいて、一定期間の取引量Tを、国民所得Yであるとして、TをYに置き換えます。すると、M/P=Y/vとなります。この時、右辺の1/vをkに置き換え、M/P=kYとした式をケンブリッジ方程式と呼びます。また、ここで出てくるkをマーシャルのkと言います。

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ケンブリッジ方程式とは

マーシャルのkは、「国民所得Yのうち、どれほどの割合を貨幣で持ちたいか」を表しています。先ほどの貨幣の流通速度vと同様に、マーシャルのkはほぼ一定であると仮定され、やはり先ほどと同様に、名目マネーサプライMを変化させても、物価水準Pのみ変動してしまうため、金融政策は無意味だという認識に立っています。

 

但し、金融政策が全くの無駄だとは、古典派も考えていません。古典派においても、長期においては、労働力人口増加などにより完全雇用国民所得が増加すると考えるため、物価水準Pの低下を抑えるために、マネーサプライMを増加させる必要があるとしています。この時、どれだけマネーサプライMを増加させればいいかと言うと、国民所得の増加に伴う貨幣需要の増加、つまり、国民所得1単位の増加に対して貨幣需要はkだけ増加するため、k%だけマネーサプライMを増加させるのが良いとされています。それにより、物価水準Pを一定に保つことができるためです。この考え方をk%ルールと言います。

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