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アブソープション・アプローチとは?-公務員試験マクロ経済学

こんにちは、先輩。ちょっと聞きたいことがあるのですが、この間マクロ経済学の講義で、「アブソープション・アプローチ」というものが出てきました。英語が苦手なので横文字を見るだけで勉強する気がなくなってきてしまうのですが、「アブソープション・アプローチ」って何なのでしょうか?

こんにちは、カズ。いきなり「アブソープション・アプローチ」と言われてもどういう意味?と思ってしまうよね。

そうなんですよ…。経済学は横文字多すぎて頭が追い付かないです…。

うんうん。「アブソープション・アプローチ」って財市場の分析をしたIS-LM分析の発展バージョンみたいなもので、貿易も考慮した考え方になるよ。今回はせっかくだから、「アブソープション・アプローチ」について理解できるようにしていこう!

アブソープション・アプローチとは?

そもそも、アブソープションは日本語で「吸収」という意味です。マクロ経済学で出てくる「アブソープション」とは、財市場における総需要を表しています。貿易を加味しない財市場の均衡条件は、Y=C+I+Gでした(Y:国民所得、C:消費、I:投資、G:政府支出)。しかし、アブソープション・アプローチでは、需要をC+I+G、つまり国内需要だけではなく、EX-IM、つまり貿易による外国需要も加味するモデルを使います。

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アブソープション・アプローチ

経済学では、(EX-IM)、つまり輸出入の差を経常収支と言います。上記のように、アブソープション・アプローチとは、国内需要との関係で経常収支を捉えようとする考え方になるマス。

 

 

輸出入の額はどう決まる?

ちなみに、もう少し深い議論として、マクロ経済学では輸出入の額がどのように決まるのかについて紹介していきたいと思います。まず、輸出額を決定する要素として、海外各国の国民所得があります。なぜかというと、海外の国々が裕福になればなるほど、他の国から製品を輸入する余裕が生まれます。もちろん、良い製品でないと輸入してもらえないという問題は現実にはあると思いますが、マクロ経済学のモデルではひとまずその点は考えず、海外の国民所得が増加/減少すると、日本の輸出額が増加/減少するとします。そして、もう一つの輸出額決定要因としては、為替レートになります。為替レートは、円安とか円高のことです。もし円安になった場合、海外の人にとってみると日本からの輸入品が相対的に安くなるため、多く輸入するようになります。その結果、日本からの輸出が伸びます。

 

このように、相手国の国民所得、為替レートによって輸出額は変化します。しかし、公務員試験の場合、100%ではないですが、大体のケースで、相手国の国民所得、為替レートは一定として、輸出額は所与のものとなっていることが多いので、このあたりはなんとなく理解しておけばひとまず大丈夫です。

 

一方で、輸入額は、自国の国民所得と為替レートによって決まります。ただ、先ほど話したように、公務員試験では為替レートは一定とする設問も多いため、ひとまず為替レートは考えなくて大丈夫です。ただし、自国の国民所得は考慮する必要があり、以下のような式になります。

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輸入関数

ここで、im₀は、基礎輸入になります。基礎輸入とは、国民所得の大きさに関わらず必要となる輸入のことで、例えば石油資源など日本では採れないような資源が当てはまることがあります。次に、im₁は、限界輸入性向になります。国民所得に租税を引いた可処分所得(Y-T)に対する輸入の割合を表しており、これらの和がこの国の輸入額となります。

 

 

貿易を加味した乗数効果は?

財市場の分析の際、以上のように海外部門、つまり貿易も考慮した場合に出題されるトピックとして、海外部門も加味した乗数効果になります。乗数効果(乗数過程)とは、「投資や政府支出など特定の需要を変化させたとき国民所得がそれ以上に変化する過程の事」を言います。

図:乗数過程の計算方法

詳しくは、「乗数過程(乗数効果)とは」のページで紹介しているので、乗数過程について理解したい方はそちらを参照ください。貿易を加味した場合、例えば政府支出の乗数過程は以下のようになります。

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政府支出の乗数過程

上記では、参考のため、貿易を考慮していない乗数過程も載せています。両者を比較してみると何が違うでしょうか?実は、貿易がある場合、貿易がない場合と比べて乗数効果が小さくなってしまいます。

 

貿易を加味した場合には、分母に+im₁があります。そのため、政府支出が増加したとしても、国民所得の増加に与える影響は、貿易を加味しないときと比べ小さくなってしまいます。これは、政府支出の増加の一部が海外に流れてしまうため、貿易を加味しない時と比べて国民所得を増加させる効果が小さいためです。

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