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フィリップス曲線とは?-公務員試験マクロ経済学

こんにちは、先輩。マクロ経済学の参考書読んでいたら、フィリップス曲線という聞きなれない用語が出てきました。これまで学習してきたIS曲線やLM曲線などとはまた違った曲線なのですか?

こんにちは、カズ。そうだね、フィリップス曲線は失業率と名目賃金の上昇率に関係する曲線だから、IS曲線とかとは全く違う曲線になるよ。

そうなのですね…。また覚えないといけないものが増えて頭がこんがらがってきました。

そうだね、公務員試験のマクロ経済学対策では最後の方に出てくる範囲だから、結構多くの受験生が捨てちゃっている部分でもあるけど、計算問題はほとんど出題されないから、しっかり理解できれば他の受験生と差をつけられる範囲でもあるよ。

そうなのですね、じゃあせっかくなのでマスターできるようにしたいと思います!

短期フィリップス曲線とは?

フィリップス曲線は短期と長期に分けて考えるのですが、まずは短期フィリップス曲線から見ていきましょう。そもそも、フィリップス曲線とは、「失業率u」と「名目賃金上昇率△w/w」の関係を表したグラフです。△w/wは、名目賃金の変化分を表しています。

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短期フィリップス曲線

上記のように縦軸に名目賃金上昇率△w/w、横軸に失業率uをとる図において、短期フィリップス曲線は右下がりの曲線になります。なぜかというと、失業率が高い時には、賃金は低くても働きたい人が多い状態であるため、名目賃金は上昇しません。一方で、失業率が低い時には景気が良い状態でもあり、名目賃金は上昇します。その結果、短期フィリップス曲線は上記のように右下がりの曲線となります。

 

次に、グラフ上で、u*を自然失業率水準と言います。この時、名目賃金上昇率はゼロとなっており、自然失業率u*の時、完全雇用であるといいます。完全雇用なのに失業率u*があると変だと思うかもしれませんが、現実でもより高い待遇を求めて求職活動を続ける人や、選り好みをして職を探し続ける人など経済状況の良し悪しに関わらず職についていない人たちはいます。そのような人たちを自然失業率水準u*とします。

 

ここで、短期フィリップス曲線の図の縦軸は「名目賃金上昇率△w/w」ですが、これを「物価上昇率△P/P」と同じと仮定します。もちろん現実では、名目賃金上昇率と物価上昇率に差が生まれることはありますが、ひとまずここでは同じと仮定します。

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物価版フィリップス曲線

名目賃金上昇率△w/wと物価上昇率△P/Pは同じと仮定するため、ここでも短期フィリップス曲線は右下がりの曲線となります。このように。物価上昇率と失業率との関係を表した曲線を物価版フィリップス曲線と言います。

 

 

短期フィリップス曲線のシフト

次に、短期フィリップス曲線のシフトについて見ていきましょう。ここでは、期待インフレ率という考え方を導入します。期待インフレ率とは、人々がインフレ率をどれくらいかと予想する予想値のことです。例えば、現在の失業率が自然失業率u*の水準であるとすると、物価上昇率△P/Pはゼロなので、期待インフレ率はゼロとなります。

 

今、労働需要が増加して、名目賃金wが上昇したと仮定します。これは、名目賃金率△w/wが上昇することを意味します。先ほど期待インフレ率について説明しましたが、人々はインフレ率がゼロのままと期待し、名目賃金wが上昇しても物価水準Pは上昇しないと錯覚した場合、どうなるでしょうか?この時、人々は実質賃金w/Pが上昇したと錯覚します。というのは、分子の名目賃金wだけ上昇して、分母の物価水準Pは上昇していないと錯覚するためです。

図:短期フィリップス曲線のシフト

すると、労働者は労働供給を増やすため、失業率はu₁の水準まで低下します。しかし実際には、名目賃金wの上昇とともに、物価水準Pも上昇しています。そのため、実質賃金w/Pは当初と変わらないことに人々は気付き始めるため、労働供給を減少させます。その結果、失業率はu*の水準まで戻ってしまいます。

 

 

長期フィリップス曲線

次に、長期フィリップス曲線について見ていきましょう。短期フィリップス曲線のシフトでも見たように、人々は期待インフレ率を基に、実質賃金が上昇していると錯覚してしまうため、一度は労働供給を増やします。しかし、物価水準Pも上昇していることに気づき、労働供給をもとの水準に減少させてしまうため、自然失業率u*の水準で均衡してしまいます。このプロセスを以下のグラフのように何度も繰り返すことになります。

図:長期フィリップス曲線になる過程

このようなプロセスを何度も繰り返すため、長期的なフィリップス曲線は、自然失業率u*の水準で垂直な直線となります。

 

実際には、上記のようにインフレ率を適切に設定できないこともあります。例えば、実質賃金w/Pが上昇したという思い込みが錯覚だったと分かった後、失業率は自然失業率u*の水準まで戻ろうとしますが、この時、物価水準Pが前よりももっと下がっていると思い込んでしまうことがあります。そうすると、以下のように自然失業率水準以上に労働供給を減らしてしまうことがあります。

 

この時、現実よりも高いインフレ率を人々は予想してしまっているため、自然失業率水準もより下がってしまいます。このように失業とインフレが同時進行で起こる状況のことをスタグフレーションと言います。この時、長期フィリップス曲線は右上がりとなってしまいます。

 

 

最後に

いかがでしたでしょうか。フィリップス曲線は原理を理解しておき、賃金率、物価水準、失業率の関係をしっかりと捉える必要があります。他の受験生と差をつけられる分野なので、ぜひマスターしてください!

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