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失業と4つの失業の種類-公務員試験マクロ経済学

こんにちは、先輩。昨日のマクロ経済学の講義で、失業という用語が出てきたのですが、失業にも種類がたくさんあって、何が何だかよく分かりません…。

こんにちは、カズ。確かに、そのあたりの範囲ってIS曲線とかLM曲線とかとは違うから、少し理解しにくいかもね。

そうなんですよ…。できれば教えていただけませんか?そもそも、インフレとか基本からよくわかりません。

大丈夫だよ、それじゃあ、今日は失業とインフレの関係について理解できるようにしていこう!

失業、失業率とは?

マクロ経済学では、働いている人および働く意思のある人々を労働力と言います。現在仕事を持たない人で、求職活動をしている人々を完全失業者と言い、完全失業率を、「完全失業者数/労働職人口」で算出することができます。

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完全失業率

一方で、求職活動をしていない人たちは、非労働力と定義され、労働力人口からは除外されます。ちなみに、ニートとは求職活動をしていない人たちを指しますが、厚生労働省は「よくあるご質問について」において、いわゆるニートと呼ばれる人たちを、「15~34歳で、非労働力人口のうち家事も通学もしていない方」と定義しています。つまり、厚生労働省の定義に従うと、ニート労働力人口にはカウントされません。

 

 

失業の種類

次に、失業の種類ですが、「非自発的失業」、「自発的失業」、「摩擦的失業、構造的失業」、「自然失業」の4つの種類があります。

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4つの失業の種類

一つ目の「非自発的失業」とは、企業の採用する枠がなく労働者を雇用しようとしないために発生する失業を表します。「非自発的失業」が発生していると、労働者は働きたくとも、企業の採用枠がないため働けない状態となっています。マクロ経済学の失業は、基本的には「非自発的失業」を指します。

 

二つ目の「自発的失業」とは、企業の採用枠はあるが、労働者が現在の実質賃金率に不満があるため働かず、失業が発生している状態となります。自発的とは、労働者が自発的に働かないことを意味しており、給料面でのミスマッチが原因で発生する失業です。

 

三つ目の「摩擦的失業、構造的失業」とは、地域や職種、労働者の特性などのミスマッチによって発生する失業です。例えば、東京など大都市では企業も多く、採用枠も多いため、働き口はあると思います。しかし、地方での求人は大都市に比べると少なく、その地方で働きたい労働者は、東京では求人はあるが、その地方では求人がなく、失業状態となってしまうことがあります。このような状態が地域間でのミスマッチによる失業となります。

 

四つ目の「自然失業」とは、労働者が自身の限界生産性に等しい実質賃金率の職を求めるという意味で合理的に求職活動を行う結果として生じる失業のことを言います。他の3つと異なり難しく感じるかもしれませんが、先ほどの「自発的失業」や「摩擦的失業、構造的失業」を包括する概念になります。つまり結局は、仕事自体は世の中にあるけど、自分に見合った仕事を探したいから求職活動を続けるということになります。「自然失業率」は別名「インフレ非加速的失業率」とも呼ばれるので、用語だけは頭の隅に置いておくといいです。

 

ちなみに、「自然失業」は45度線モデルやIS=LM分析など多くのモデルでゼロと仮定されていますが、フィリップス曲線などでは「自然失業」を含めたモデルを作ったりするため、これも頭の片隅の置いておくといいです。

 

 

最後に

公務員試験では、失業に関する問題としては、選択肢から正しい文章を探す形式の問題が多いので、用語の意味の違いを正しく理解しておく必要があります。また、失業率自体の計算はありませんが、名目賃金上昇率やインフレ率との関係で、失業率が計算や図の中に出てくることはよくあります。その場合にも、意味をはき違えないよう用語の意味等押さえておく必要があります。

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