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インフレーション・デフレーションとは?-公務員試験マクロ経済学

こんにちは、先輩。昨日マクロ経済学の小テストがあって、あまり点数がよくありませんでした…。試験本番まで近づいているのに、少しショックです…。

こんにちは、カズ。むしろ小テストで失敗したなら、良かったと思うよ!本番に向けて改善点が分かったんだし!

そうですね…。前向きに捉えていきます!

ちなみに、今回理解出来ていなかった部分ってどの範囲?

はい、実はインフレ、デフレの部分です。インフレ・デフレの部分はいつも混乱して、インフレ・デフレによる影響とかもうまく覚えられません。

なるほど、確かにインフレ・デフレは混乱する部分だよね。それじゃあ今日は、公務員試験レベルで必要なインフレ・デフレに関する知識をマスターできるようにしよう!

インフレ・デフレとは?

インフレとは、「インフレーション」のことを言い、「一般物価水準の持続的な上昇」のことを言います。一方、デフレとは「デフレーション」のことを言い、「一般物価水準の持続的な低下」のことを言います。

 

今、物価水準という言葉が出てきましたが、物価水準とは、社会全体における財やサービスの価格の平均水準のことを言います。同じ商品でも、スーパーによって値段が違うことがありますよね。場所によって異なる商品の値段を平均にした水準のことを物価水準と言います。

 

また、物価水準の変化は、物価指数によって測ることができます。

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代表的な物価指数

上記の名称については、ニュースなどで聞いたことがあると思います。指数の用途や消費者や企業などどの主体の取引による財・サービスかによって物価指数は分類することができます。

 

 

45度線分析とは?

公務員試験では、45度線分析という手法でインフレ・デフレを図で確認することができます。縦軸が需要量(需要額)Yd、供給量(供給額)Ys、横軸に国民所得Yを取る以下の図において、45度線とは総供給を表す角度45度の直線を表します。逆にもう一方の直線は需要額を表す需要曲線になります。

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45度線分析

まず、供給額を表す供給曲線は45度の直線になります。なぜ45度の直線になるかというと、45度線分析では、「総供給量=国民所得」が成り立つと仮定しているためです。45度線分析では、「有効需要の原理」という考え方を前提にしているためです。一方で、需要量は現在の所得額に関係なく、生きていくためには基礎的な消費等が必要になるため、横軸から見て国民所得がゼロの時にも、需要額はゼロからスタートしていません。そのため、供給と需要は違う直線となります。

 

ここからが本題ですが、45度線分析で、どうしてインフレ・デフレが分かるのでしょうか?実は、インフレ・デフレは、需要と供給の差でもあります。まず、デフレですが、デフレとは、イメージしやすいように一言で言うと不況の状況です。不況だと、企業がモノを作っても売れず、モノが余ってしまいます。そのため、45度線分析上では、以下のように供給が需要を上回っている場合になります。

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デフレギャップがあるケース

一方で、インフレとは、一般的には好況の状況の時を言います。もちろん、ハイパーインフレなど好況とは言い難いケースはありますが、ひとまず好況とさせてください。好況の時には、消費者が商品をたくさん買ってくれるので、企業の生産が追いつきません。そのため、以下のように需要が供給を上回る状況になっています。

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インフレギャップがあるケース

以上のように、インフレ・デフレは45度線分析によって可視化されることもあり、公務員試験を受験する場合には頻出度の高い図のため、ぜひ覚えておいてください!

 

 

インフレ・デフレはなぜ起こる?

マクロ経済学で物価水準はPで表されます。この物価水準Pは、財やGDP、賃金などにおける額面金額、つまり名目値を実質値に直す際に活用できます。例えば、今期の月給が20万円と来期の月給25万円と言われた場合、一見すると来期の月給25万円のほうが望ましいと思うかもしれません。

 

一方で、今期と比較して来期のモノの値段、つまり物価が上昇していた場合、どうなるでしょうか?例えば、今期のお米の値段が1袋5kgで2,000円とします。この時、今期の月給は20万円なので、月給20万円で100袋購入できます。次に、来期のお米の値段が1袋5kgで2,500円となった場合、月給で何袋買うことができるでしょうか?そうです、来期も100袋で、月給の価値は変わっていません。このように、額面金額は変わっても、実質的な変化がない場合に物価水準Pを活用することができます。

 

しかし現実には、全ての財・サービス、賃金の実質値が一様に変化するということはなかなかありません。つまり、月給は20万円から25万円に変化した一方で、お米の値段は2,000円から2,100円に、またチョコレートの値段は100円から130円に、など価格の変化にはばらつきがあります。このような変化のばらつきが起こることで、インフレ・デフレは発生します。

 

 

インフレ・デフレの影響

マクロ経済学で出てくるインフレ・デフレの影響としては、大きく3つあります。

実質資産の再分配

一つ目が、「実質資産の再分配」となります。例えば1万円を消費者金融(債権者)から無利子(簡便化のため無利子にしています)で借りたとします。この時もし返済時期にデフレとなっていたら、返済にどのような影響が発生するでしょうか?デフレの場合には、債務者(お金を借りた人)にとって損となってしまいます。

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実質資産の再分配

例えば、デフレとなり、お米1袋5kgで2,500円が2,000円になってしまったと仮定してください。デフレ前のお金を借りた時点では、お米は1万円で20kg分、つまり4袋購入できました。しかしデフレとなってしまった返済時には、1万円で25kg分、つまり5袋購入できます。したがって、同じ1万円でもデフレとなってしまった返済時点の方が価値が高いということになります、

 

一方で、インフレ前にお米5袋購入できていたのが、インフレ時には、4袋しか買えなくなってしまうので、債権者(貸し手)にとっては損となってしまいます。このように、インフレ・デフレによってお金の貸し借りにおいて実質的なお金の価値が変化してしまいます。

 

実質利子率の変化

二つ目が、「実質利子率の変化」となります。実質利子率rは、名目利子率iと物価変動率πの差です。

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実質利子率の式

例えば、名目利子率iが2%だったとします。他方、物価変動率πが1%、つまり1%の物価上昇(インフレ)が起こっている場合、どうなるでしょうか?「実質資産の再分配」でも見たように、インフレ時には、債権者(貸し手)にとって損となってしまいます。この時、同じ1万円でもインフレ後にはお金の実質的な価値が下がるため、利子率の価値も下がってしまいます。そのため、インフレ時には、名目利子率2%から、物価変動率1%を差し引いて実質利子率は1%となります。

 

逆に、デフレの時には、物価変動率はマイナスの値をとるため、実質利子率は上昇します。

 

実質所得の再分配

三つ目は、「実質所得の再分配」になります。「実質所得の再分配」とは、労働者と企業の間の所得移転のことを言います。前提として、マクロ経済学では名目賃金率をWとし、実質賃金率をW/Pとします。名目賃金率Wとは、実際にもらえる給料の額で、例えば月給20万円のような感じです。なぜ実質賃金率では物価水準Pを除しているかというと、「インフレ・デフレはなぜ起こる?」でも話したように、同じ20万円でも、身のまわりの商品の価格、つまり物価水準によって20万円の価値が異なるため、物価水準Pで割ることによって実質的な価値に直しています。

 

今、物価水準Pが上昇(インフレ)したとします。この時、名目賃金率Wが一定の下で、実質賃金率W/Pの分母が大きくなるため、実質賃金率W/Pは低下します。実質賃金率の低下は労働者にとって損となるため、企業にとって得となります。つまりここでは、労働者から企業への実質的な所得移転が生じているといえます。

 

一方で、物価水準Pが下落(デフレ)した場合、名目賃金率Wが一定の下で、実質賃金率W/Pは上昇するため、労働者は得をします。そのため、企業から労働者への実質的な所得移転が生じているといえます。ここで注意しておくべき点は、「名目賃金率Wが一定の下で」という点です。インフレ発生時に、企業が賃上げに応じ、物価水準Pの変化と同じだけ名目賃金率Wを上げてくれるなら、実質的な所得移転は起きません。

 

 

最後に

インフレ・デフレは日常生活でもよく耳にする言葉ではありますが、理解しにくい言葉だと思います。僕も大学生の時には、あまり理解できていなかったというのが本当のところです。ただ、経済を勉強する以外の方でも覚えておくべき用語だとは思うので、公務員試験レベルくらいはしっかりとマスターできるといいと思います。

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