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ハロッド=ドーマー・モデルとは?-公務員試験マクロ経済学

こんにちは、先輩。ようやくマクロ経済学のテキストも最終章に突入しました!

こんにちは、カズ。おー、よくここまで頑張ったね。最終章では何を勉強しているの?

ありがとうございます。はい、最終章ではハロッド=ドーマー・モデルというものを勉強しています。ただ実は、これまで学んできた分野と違って、資本Kと労働Lを使って分析するモデルなので、よく分かりません…。

なるほど…。ハロッド=ドーマー・モデルは計算問題が出てくるし、計算の過程を根拠づけて理解していないとなかなか覚えるのは難しい部分だしね…。

そうなんですよ。なので一度テキストは読みましたが、全く理解できませんでした。

なるほどね。ハロッド=ドーマー・モデルの計算問題はよく出題されるので、今日はしっかり覚えられるようにしようか。

ハロッド=ドーマー・モデルとは?

ハロッド=ドーマー・モデルとは、経済成長、つまり国民所得の増加を分析するモデルで、財を生産する際「資本K」と「労働L」という2つの生産要素をどのように組み合わせれば国民所得が増加するかを分析するモデルになります。

 

今世間では、「将来的にはAIがヒトの仕事を奪う」という話がされていますが、ハロッド=ドーマー・モデルでは、「労働と資本は非代替的であり、どちらか一方の生産要素が増えても生産量は変わらない」という考え方に立っています。僕は専門家ではないので将来のことはよくわかりませんが、ハロッド=ドーマー・モデルの考え方も、現実社会に当てはまる部分はあります。例えば、工場を新たに建設する時、機械という資本以外にも、実際に管理したり現場作業を行う労働Lは必要になります。この時、工場だけたくさん建設しても、人手不足であれば稼働できません。逆に、労働者をたくさん雇っても工場設備も増えなければ生産力はある時点で限界を迎えます。このように、ハロッド=ドーマー・モデルでは、労働Lと資本Kはどちらか一方で代替できるわけではなく、お互いをバランスよく投入することで生産量を増やすことができるという考え方をとっています。

 

 

レオンチェフ型関数とは?

ハロッド=ドーマー・モデルの労働Lと資本Kをそれぞれ投入した場合の生産量の関係は、レオンチェフ型生産関数という関数で表すことができます。

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レオンチェフ型生産関数

上記のminとは、労働Lと資本Kの内、小さい方に合わせて国民所得が決まるという考え方です。これは先ほども説明したように、労働者をたくさん雇っても、機械などの資本Kが少なければ、労働者がたくさんいる意味がなくなります。このため、労働量Lに合わせるのではなく、少ない資本Kによって生産量が決まるという意味です。縦軸に資本K、横軸に労働Lをとる図において、資本Kと労働Lを投入することによって得られる生産量を表したグラフは、以下のようになります。

図:ハロッド=ドーマー・モデルのグラフ

上記のように、生産関数はL字型になります。同じL字上であれば、資本と労働投入量が異なっていても、生産量は同じになります。一方で、Y₁やY₂と別々のL字上であれば生産量は異なり、右上にあるL字の生産曲線ほど生産量が高いことを示しています。

 

また、それぞれの生産量(L字曲線上)で、効率的に資本Kと労働Lを投入する組み合わせは、L字上の角の部分になります(E₀や、E₁、E₂)。なぜかというと、これらの組み合わせの時には、資本と労働が無駄なく活用されて生産できるからです。そして、E₀や、E₁、E₂を結んだ線が各生産量で最適な資本Kと労働Lの組み合わせを示す線となります。

 

 

資本係数とは?

公務員試験で出題されるハロッド=ドーマー・モデルの問題では、資本係数vを理解しておく必要があります。資本係数とは、ある生産を行うのにどれだけの資本投入量が必要になるかというもので、以下の計算で算出できます。

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資本係数

例えば、100億円分の生産量に対して、20億円分の資本ストックを投入する必要がある場合には、資本係数v=20/100=0.2となります。ハロッド=ドーマー・モデルでは、生産量が変化してもこの資本係数vは一定と仮定し、これを必要資本係数と言います。つまり、200億円分の生産量にしたい場合には、資本係数が0.2なので必要な資本ストック量は40億円分となります。

 

 

保証成長率の導出

ここからは、実際に公務員試験でもよく問われる計算問題について触れていきたいと思います。まず、ハロッド=ドーマー・モデルでは、保証成長率Gwという用語が出てきます。保証成長率Gwとは、必要資本係数vを満たしながら一国の資本ストックが成長する時の国民所得の成長率のことを言います。

 

保証成長率を導出するためには、まず以下の事柄を前提としておきます。

[前提]

・財市場の均衡条件Y=C+I →S=I

 *C:消費、I:投資、S:貯蓄。政府部門、外国部門は捨象。

・消費関数C=cY (0<c<1)

・貯蓄関数S=sY (0<s<1)

・加速度原理K=vY (v>0、vは一定)

 

上記の前提を基に、以下のように保証成長率Gw=△Y/Yを算出します。

 

保証成長率Gwの導出方法

①S=Iに、S=sYを代入する。

 I=sY

②加速度原理K=vYを変化分の式にする。

 △K=v△Y

③△K=v△Yに、△K=Iを代入する。

 I=v△Y

④I=sY及びI=v△Yから、Iを消去する。

 sY=v△Y

⑤sY=v△Yを△Y/Y=~の形に直す。

 △Y/Y=s/v …保証成長率Gw=△Y/Y=s/v

 

③において、ここでは固定資本減耗はないと仮定しています。そのため、資本ストックの変化分は直接投資Iの量になるため、△K=Iとなります。また、△Y/Yは成長率を表しており、%を表しています。そのため、国民所得の変化した量△Yを国民所得Yで割っています。前提として使う関数と、保証成長率として最終的に△Y/Yの形に持っていくというポイントを押さえておけば、途中の計算は忘れてしまったとしても、いつでも再現できるようになると思います。

 

ここからは、例を使ってみていきたいと思います。例えば、ある国の貯蓄率sが25%(国民所得の25%分を貯蓄として残すという意味)、必要資本係数vを5だとします(国民所得を1単位増やすのに、5の資本ストックが必要)。この時、先ほどの「保証成長率Gw=△Y/Y=s/v」に代入すると、Gw=△Y/Y=s/v=0.25/5=0.05となります。つまり、この国の保証成長率Gwは5%となります。このようにして、公式を使って保証成長率を導出することができます。

 

 

均斉成長条件とは?

先ほどの保証成長率Gwとは、資本Kから見た成長率になります。どういうことかというと、保証成長率GwはGw= s/v=(S/Y)/(K/Y)=S/K=I/K=△K/Kとなるため、資本ストックの変化率を表しています。しかし、導入でも話したように、ハロッド=ドーマー・モデルでは資本Kと労働Lをバランスよく投入しないと効率的に生産量は増加しないと仮定しています。そのため、資本ストックの変化率である保証成長率Gwだけではなく、労働量も同じだけ増えていないと効率的な生産とはなりません。

 

労働量の変化とは、極論すれば人口の変化です。つまり、人為的に手を加えて変化させるというものではなく、人口の変化は自然に変化します。そこで、ハロッド=ドーマー・モデルでは労働人口の変化△L/Lと自然成長率Gnとします。

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自然成長率

ここでは、nは労働人口の成長率を表します。例えば、毎年2%労働人口が増加しているとしたら、自然成長率はGn=0.02となり、2%となります。

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均斉成長条件

また、現実の経済成長率をGとしたとき、現実の成長率が保証成長率Gw、自然成長率Gn全てと等しい時、全てのバランスが取れ、効率的に資源を投入して経済成長が行われているため、これを均斉成長条件と言います。

 

 

最後に

いかがでしたでしょうか?ハロッド=ドーマー・モデルでは、不安定性原理という部分も残っていますが、長くなってしまいそうなので、ひとまず基本部分だけ紹介してきました。難しそうなトピックではありますが、一度計算の過程を理解してしまえば、いつでも解けるようになる分野ですし、他の受験生と差をつけることのできる範囲になるため、ぜひマスターできるようにしてみてください!

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