予算編成のプロセスは?-公務員試験財政学
こんにちは、先輩。最近ニュースでよく政府の予算について聞くことがあるのですが、予算って実際どうやってつくられていくのでしょうか?
こんにちは、カズ。私も実務的な進め方については詳しく説明できないけど、公務員試験の財政学で出題されるレベルの予算ができる過程については私もわかるよ。
公務員試験でも出題されることあるのですか!?知らなかったです。教えてもらうことはできないでしょうか?
うん、大丈夫だよ。そうしたら今日は、予算ができる「予算プロセス」について理解できるようにしようか。
予算プロセスとは?
予算とは、「一定期間における政府の収支計画を規定したもので、法律の形式または法律に準じた形式で議会の承認を受けたもの」を言います。特に国レベルの予算になると、何百兆円ものお金が動くため、事前に計画を立て、全ての支出に対していくら必要になるかという証憑(しょうひょう)を準備するなど、かなり大変になります。また、予算が無事決定し、実際に使った後も本当に予算通り使われたかなどチェックするための決算というプロセスもあります。
このように、予算の作成から予算執行後の決算までを「予算プロセス」と言います。大きく分けると、上記のように5つの過程に分類することができます。以下では、実際にそれぞれの過程について見ていきましょう。
予算の編成
まず大前提として、予算とは内閣が国会に提出するものになります。そこでまずは内閣府に設置された経済財政諮問会議によって「予算編成の基本方針」の原案が策定され、それに基づき、財務省が各省庁の概算要求を受け、9月頃から査定作業を行います。
12月下旬には財務省がとりまとめを行い、政府案としての予算が決定し、これが翌年の国会へ提出されます。
予算の審議・成立
政府案として策定された予算はまず、衆議院に提出されます。これを衆議院の予算先議権と言います(憲法第60条第1項)。予算が提出された衆議院では、財務大臣が予算について財政演説を行います。同日に、参議院でも財政演説が行われます。その後、予算は衆議院の予算委員会で詳細に審議され、本会議でも審議された後議決されます。そして、参議院でも同様に審議・議決を経て予算が成立します。
憲法の範囲でも勉強したことがあるかもしれませんが、「参議院が衆議院と異なった議決をした場合には、法律の定めるところにより、両議院の協議会を開いても意見が一致しないとき、又は参議院が、衆議院の可決した予算を受け取った後30日以内に議決しないときは、衆議院の議決を国会の議決とする」という憲法第60条第2項の規定があり、これを予算の自然成立と言います。
予算の執行
予算が成立すると、内閣から各省庁の長に予算が賦課されます。歳出予算の執行には、「支出負担行為」と「支出行為」の2つがあります。支出負担行為とは、支出の理由となる契約行為で、支出行為とは、お金を支払う行為自体です。各省庁では、契約実施計画である支出負担行為実施計画、四半期ごとの支出計画を作成し、財務大臣の承認を受ける必要があります。
決算
最後の過程として、決算があります。決算とは、歳出歳入の流れや金額をまとめた報告書のことです。翌年度の7月までに各省庁が決算報告書を作成し、その決算報告書に基づき財務省が決算を作成します。
閣議決定後、決算は11月までに会計検査院に送付され、検査後に内閣に送付されます。そして、内閣によって国会に提出され審議されることとなります。
予算プロセスまとめ
最後に、実際の予算プロセスをまとめてみました。この過程を覚えておけば択一問題も対応できるようになると思います。