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財政健全化法と4つの健全化判断比率-公務員試験財政学

こんにちは、先輩。最近財政学の講義で、地方公共団体の財政に関する指標がいくつか出てきたのですが、どれも同じ様に見えてしまってうまく暗記できません…・

こんにちは、カズ。地方公共団体の財政指標ってことは、4つの健全化判断比率のことかな?

そうです!4つもあると、なかなか全て覚えきれません。

そうだね、私もはじめは混乱しちゃって覚えられなかったかな~。でも、現実でも地方公共団体の財政状況を見るための定量的な指標として重要なものになってくるから、今日は4つの指標についてマスターしてしまおう!

地方公共団体財政健全化法とは?

健全化判断比率を見ていく前に、それら4つの指標の根拠となる「地方公共団体財政健全化法」について見ていきたいと思います。2007年以前は、地方公共団体財政再建を実施しようとしても、分かりやすい財政情報の開示や早期是正のための機能がないという課題がありました。そこで、政府は2007年6月に「地方公共団体の財政の健全化に関する法律(地方公共団体財政健全化法)」を成立させました。

 

地方公共団体財政健全化法」は、2007年度決算から財政指標を公表することを義務付けており、以下の4つが健全化判断比率として規定されています。

 

4つの健全化判断比率

1.実質赤字比率

2.連結実質赤字比率

3.実質公債費比率

4.将来負担比率

 

 

4つの健全化判断比率

以下の4つの指標については、毎年度、監査委員の審査を付した上で公表することとなっています。

実質赤字比率

まず一つ目は、「実質赤字比率」になります。実質赤字比率とは、地方公共団体の主要な財政である一般会計等における実質赤字額を標準財政規模で割った値になります。

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実質赤字比率計算式

ここでまず、標準財政規模とは、地方公共団体における税収入と普通交付税などを加算した収入のことを言います。一方で、実質赤字額とは、簡単に言うと当該年度の収支の差になります。実際には、次年度に繰り越す財源を控除した上での収支の差になりますが、公務員試験レベルでは収支の差でオッケーです。

 

連結実質赤字比率

2つ目は、「連結実質赤字比率」になります。連結実質赤字比率とは、地方公共団体の一般会計と併せて、水道事業など公営企業を含む地方公共団体の全会計で見たときの赤字比率になります。

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連結実質赤字比率計算式

一つ目の実質赤字比率と考え方はおなじですが、連結実質赤字比率をチェックすることによって、当該地方公共団体の財政運営の全体像を把握することができます。

 

実質公債費比率

3つ目は、「実質公債費比率」になります。実質公債費比率とは、地方債の返済額を、その地方公共団体の財政規模で割ったものになります。

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実質公債費比率計算式

元利とは、地方債として借りた元の額と、金利として支払う額の合計のことを言います。計算式にしてしまうと難しそうに感じてしまいますが、簡単に言ってしまえば、借金として返す額は地方公共団体の財政規模に対してどれほどの割合か?ということです。

 

計算式の中で、引き算がそれぞれ出てきています。分子(返済額)の特定財源とは、地方債の返済に使う特定の財源(例:都市計画税など)のことを言います。また、普通交付税の基礎財政需要額に算入された元利償還金とは国が地方に交付するお金のことで、これらを差し引いた額を借金として分子に置きます。

 

一方で、分母(財政規模)においても分子と同様に「普通交付税の基礎財政需要額に算入された元利償還金」を差し引いています。つまり、公債費比率を見るうえで、国の交付税による元利返済は計算に入れないようにしようというのが理解できると思います。

 

将来負担比率

最後に、「将来負担比率」があります。将来負担比率とは、地方債など現在抱えている負債を地方公共団体の財政規模で割った値になります。

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将来負担比率計算式

何だか難しそうに見えてしまいますが、簡単に言うと、将来負担額とは地方債などの負債の合計になります。将来負担額の具体的な中身等については、公務員試験レベルでは問われないので、とにかく「負債の割合なんだな」とイメージできれば十分です。

 

 

財政再建基準・早期健全化基準は?

以上、4つの健全化判断比率について見てきました。実際に地方公共団体の財政状況を見るときに、「この割合を超えると望ましくないですよ」という数値がそれぞれ設けられており、それらを早期健全化基準、財政再生基準と言います。

 

早期健全化基準

 

市区町村

道府県

1.実質赤字比率

11.25%~15%

3.75%

2.連結実質赤字比率

16.25%~20%

8.75%

3.実質公債費比率

25%

25%

4.将来負担比率

350%(政令市を除く)

400%(都道府県及び政令市)

 

財政再生基準

 

市区町村

道府県

1.実質赤字比率

20%

5%

2.連結実質赤字比率

30%

15%

3.実質公債費比率

35%

35%

4.将来負担比率

なし

なし

 

早期健全化基準は財政再生基準より低い値なのが上記より分かると思います。早期健全化基準以上になってしまった場合、地方公共団体財政健全化計画の策定、議会への実施状況の報告が必要になります。さらに、総務大臣都道府県知事は財政再建に必要な勧告を行うことができるとされています。

 

早期健全化基準以上に悪い水準である財政再建基準以上となってしまった場合、早期健全化基準時と同じ対応と併せて、地方債の起債が制限されてしまうなど、より厳しい制限となってしまいます。なお、平成30年度において早期健全化基準以上を出してしまっている団体は夕張市のみとなっており、ひとまず夕張市以外の地方公共団体は、指標上は何とか持ちこたえさせている状況になります。

 

[参考]

総務省健全化判断比率の算定』(2020/10/10アクセス)

 

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