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労働基準監督署の役割は?労働基準監督官は何をしている?-公務員・行政辞典

今労働行政に興味があって転職を考えているのですが、どういったところを受験すればいいのでしょうか?

労働行政に興味があるんだ!それだったら、労働基準監督署で労働基準監督官として働くのがいいかも。

労働基準監督官ですか…?それってどういう業務を行うのでしょうか?

そうか、まだ基本の部分から分かってなさそうだね。それじゃあ今日は、労働行政について一から理解できるようにしようか。

なぜ国が労働者を保護する必要がある?

労働者と使用者の労働契約は通常、私人間契約のため、国は介入しません。しかし、労働者に対して不利な労働条件を突き付けられても、一般的に立場の弱い労働者は従うしかない場合があります。しかし、国には憲法25条の生存権の規定など、労働者の生活を保障する義務があります。そこで、国は労働者の権利を保障するために、「この基準は最低限守った労働条件に基づく労働契約をして下さい」と規定した労働基準法を定めています。

 

 

労働基準監督署とは?

労働基準法を作ったとしても、実際にルール違反に対して取り締まったり、監督する機関がないと、労働基準法で定めたルールが効果を持ちません。そこで労働基準法は、労働契約や実際の労働環境をチェック、違反を取り締まるための行政機関として、労働基準主管局、都道府県労働局、労働基準監督署を置くと規定しています。

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労働基準法に基づく監督機関

労働基準法に基づいて置かれた各機関には、それぞれの権限と職責があります。例えば、厚生労働省労働基準主管局に置かれた労働基準主管局長は、労働基準に関する法令の制定改廃、労働基準監督官の任免教養、監督方法についての規程の制定及び調整などの業務を行うとされます(労働基準法99条1項)。

 

次に、都道府県労働局に置かれた都道府県労働局長は、管内の労働基準監督署長を指揮監督して、監督方法の調整に関する事項等をつかさどります(99条2項)。さらに、その下の労働基準監督署長は、労働基準法に基づく臨検、尋問、許可、認定、審査、仲裁等を実行するとされています。

 

 

労働基準監督官の役割は?

労働基準法に基づいて都道府県労働局や労働基準監督署が設置されていますが、実際に企業の検査や認定などを行う公務員を労働基準監督官と言います。労働基準監督官は、事務所や工場などが、労働基準法に定められた労働条件を満たしているか否かをチェックする業務を行います。具体的に、労働基準法に定められている労働基準監督官の権限として以下5つが挙げられます。

労働基準監督官の権限

(1)事業所・寄宿舎等を臨検する

(2)帳簿・書類の提出を求める

(3)使用者もしくは労働者の尋問

(4)労働基準法違反があれば、司法警察員の職務を行う

(5)附属寄宿舎が安全衛生の基準に反し、急迫した危険がある場合には行政官庁の権限を即時に行える

 

都道府県労働局と労働基準監督署の役割の違いは?

労働基準監督官の5つの権限について先述しましたが、実際の業務はこの5つの権限に沿って行われます。つまり、事業所の労働環境が労働基準法に違反していないかのチェックや、労使間でトラブルがあって通報を受けた際の調査や勧告を行ったりします。

 

労働基準監督官は主に都道府県労働局と労働基準監督署に配置されますが、それぞれ役割も異なるため、労働基準監督官の業務内容も異なってきます。

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都道府県労働局と労働基準監督署の役割の違い

都道府県労働局は、「働く」に関する様々な業務を一元的に取りまとめる機関になります。そのため、都道府県内の労働基準監督署だけでなく、ハローワークのとりまとめも行っており、労働基準や雇用、人材開発など様々な分野での業務を行っています。労働基準だけに限定した場合、労働基準監督署との大きな違いは。労使紛争の解決のために必要な助言や提案、斡旋を行っている点になります。つまり、雇い止めやハラスメントなどの労使間トラブルについて、労働者からの相談を受け付けており、解決のための仲裁を行うのが都道府県労働局の役割となります。

 

一方で、労働基準監督署は最前線の現場として、事業場の立ち入りや調査、建築工事における安全確保のための計画の認定などを行っています。さらに、労働災害(いわゆる労災)が起きた際の事実確認や給付なども行っています。

 

労働基準監督官になるには?

労働基準監督官になるためには、労働基準監督官採用試験という国家公務員になるための試験をパスする必要があります。採用試験ですが、一次試験は筆記試験、二次試験は面接試験(身体検査もアリ)となっており、二次試験まで合格すると名目上は最終合格となっています。採用プロセスが2回だけなので簡単そうに見えますが、筆記試験は択一式の教養試験と専門試験、記述式の専門試験があり難易度は高めです。

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2020年度試験内容

特に、記述式の専門試験は自分で文章を一から作る必要があるので、公務員試験対策講座などを受講するのがオススメです。

 

また、二次試験で最終合格となりますが、実際に内定となるためには、自身が勤務を希望する都道府県労働局で採用面接を受ける必要があります。人気の都道府県だと採用面接をパスできない可能性もあるため、最終合格したといっても気は抜けません。

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採用内定までのプロセス
まとめ

都道府県労働局や労働基準監督署労働基準法に基づき設置される機関。

都道府県労働局と労働基準監督署は役割が異なる。

・労働基準監督官には大きく5つの役割がある。

・労働基準監督官になるためには、労働基準監督官採用試験という公務員試験をパスする必要がある。

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