三権分立とは?日本国憲法による統治機構の仕組み-公務員試験憲法を分かりやすく
今日の憲法の講義で三権分立について先生に質問されて、中学生の時に社会の時間に勉強したような気がするのですが全然覚えてなくて、答えられませんでした。
中学校の時に勉強した内容なんて忘れちゃうこともあるししょうがない。でも、三権分立は公務員試験の憲法で必須の知識になるからちゃんと復習しておこうね。特に、三権分立は国家機関の暴走を防ぐ役割もあるから、公務員として覚えておくべき知識だよ。それじゃあ今日は、統治機構の仕組みと三権分立について見ていこう。
日本国憲法における統治機構に関する規定は?
日本国憲法は、①天皇や戦争の放棄などについて規定した総論、➁国民の権利や義務について規定した基本的人権部分、③国会や裁判所など国家機関の仕組みや役割などを規定した統治機構の3つに大別することができます。
特に、三権分立など統治機構の仕組みについて記載されている部分は第4章以降の条文になります。
三権分立とは?
日本国憲法の最終的な目標は、個人一人ひとりの尊厳を守ることになります。個人の尊厳を守るため、国家の運営や、国家権力の濫用を阻止するためのルールが規定されています。特に、実際の行政運営を行う内閣が暴走しないよう国家権力を立法権、行政権、司法権という3つに分けて、それぞれを国会、内閣、裁判所に担当させることによって権力を一箇所に集中させないような仕組みを作り上げています。
立法権とは
まず、国民によって選ばれた代表者たちで構成される国会が立法権を担当します。憲法41条は、「国会は、国権の最高機関であつて、国の唯一の立法機関である」ことを規定しており、国民の意思がダイレクトに反映される機関として重要な地位を占めています。
行政権とは
次に、行政権は内閣によって担当されます(憲法65条)。「行政」と言うと、一般的には省庁や地方自治体など様々な機関の総称として使われますが、憲法上の「行政」は、控除説を採ると「統治権の中から立法権と司法権を除いたものである」とされています。
また、内閣とは、国の行政機関を担当する執行機関であり、内閣総理大臣と他の国務大臣とで構成される合議体のことを言います。つまり、実際の実務は各省庁が行いますが、行政権自体は内閣に属しており、内閣の決定によって行政活動が行われることとなります。
司法権とは
司法権は、裁判所に属し、具体的な争訟に対し法を適用する国家作用になります。司法権も国民による一定の民主的コントロールは必要ではありますが、高度な専門性や中立的立場の必要性から国民の世論が直接反映するようなシステムは妥当でないとされます。そのため、司法権は非政治部門として、国会と内閣の政治部門とは切り離されています。
議院内閣制とは?
日本国憲法の基本原理は国民主権であり、国民の意思によって国家が運営される必要があります。国会、内閣といった政治部門に区分される機関が国民の意思に基づいて運営されるようにするための制度として、議院内閣制が採用されています。
国会議員は、主権者である国民によって選ばれた代表であるため、国民の意思がダイレクトに反映されます。そして、内閣の構成員の多くは国会議員であり、国会を通じて間接的に国民の意思が反映されています。
日本国憲法の下で、国会が法律を制定し、内閣が責任を持って執行するという、国会と内閣の関係を明確にした枠組みを議院内閣制と言います。このように、政治部門において立法府と行政府の役割を明確に分けることで、民主的コントロールを維持しているのです。