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憲法に規定される国家賠償請求権とは?-公務員試験憲法を分かりやすく

最近ニュースを見ていたら、「国家賠償を求めて提訴」という文字を見たのですが、もし僕が公務員として働き始めた後に、住民の方に損害を与えてしまったら僕が賠償しないといけないのでしょうか?

どういった不法行為をしたかにもよるけど、通常国家賠償では国や公共団体に賠償義務があるかな。国家賠償は行政法でヤマになるトピックではあるけど、憲法にも賠償責任の規定があって択一で出題されることがあるから、今日は国家賠償請求権について理解できるようにしよう!

国務請求権とは?

日本国憲法は、「個人の尊厳」という目的を達成するために、「基本的人権の尊重」を基本理念の1つとしています。そのため、憲法には保証されるべき様々な人権が規定されています。しかしながら、「基本的人権の尊重」を保障するためには基本的人権を列記するだけでは不十分であり、人権保障をより確実なものとするため、国民が権利の保障を国に要求したり、裁判を受ける権利を保障してもらうなど国務請求権(受益権とも言います)も規定する必要があります。

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国務請求権(受益権)の種類

憲法上の国務請求権は、「請願権(16条)」、「国家賠償請求権(17条)」、「裁判を受ける権利(32条)」、「刑事補償請求権(40条)」の4つがあります。国民が国や公共団体から不利益を被った際に請求できる場所として裁判所があります。そのため、国務請求権とは「裁判を受ける権利」や判決後の「刑事補償」など政府に対する訴えに関連する権利のことを言います。

 

 

国家賠償請求権とは?

憲法で規定される国務請求権の1つに以下のような国家賠償請求権があります。

憲法17条

何人も、公務員の不法行為により、損害を受けたときは、法律の定めるところにより、国又は公共団体に、その賠償を求めることができる。

国家賠償請求権とは、公務員の不法行為により損害を受けた場合に、国または公共団体にその賠償を求めることができる権利のことを言います。この権利は、行政権(省庁や自治体)に対してのみならず、警察による権限の行使に対してなど広く公務員の行為に対して賠償を求めることができる権利です。

 

そもそも、国家賠償請求権が認められるようになったのは日本国憲法の制定以降であり、明治憲法下では「国家無答責の原則」により、国家賠償に関する規定は何も設けられていませんでした。

 

 

損害賠償請求が認められるケースは?

具体的にどのようケースで国民が損害賠償を請求できるかについては、憲法にではなく国家賠償法という法律に規定されています。

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国家賠償が認められるケース

国家賠償法自体が第6条までしかないため、国家賠償が認められるケースの規定はあまり多くはありません。この中でもよくニュースなどで耳にする国家賠償請求の事例としては(4)の冤罪や(5)の警察の不当逮捕による損害賠償請求だと思います。

 

 

損害賠償請求の流れと賠償責任

損害賠償請求の流れとしては、以下のようになっています。

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損害賠償請求の流れ

公務員の不法行為による不利益を被った国民は、国や公共団体に対して損害賠償請求を請求するという流れになります。この時、本来の賠償責任は公務員自体にあるのか?、それとも所属する国や公共団体組織自体に対してあるのか?という考え方があります。

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賠償責任に関する説の対立

前者の「賠償責任は公務員にあり、国や公共団体は賠償責任を代わりに負っているに過ぎない」という考え方を「代位責任説」と言います。一方で、後者の「不当行為は公務員に与えられた職務権限の中で行われており、公務員の不当行為の責任は権限を与えた国や公共団体にある」という考え方を「自己責任説」と言います。公務員試験の憲法の範囲ではここまで出題されませんが、同じく公務員試験の行政法の範囲ではよく出題されるポイントなので、チェックしておくべきポイントになります。

まとめ

憲法上の国務請求権として、「請願権(16条)」、「国家賠償請求権(17条)」、「裁判を受ける権利(32条)」、「刑事補償請求権(40条)」の4つがある。

・国家賠償の認められる具体的なケースは、国家賠償法に規定されている。

・賠償責任について「代位責任説」と「自己責任説」がある。

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