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憲法における国民の三大義務ともう一つの義務とは?-公務員試験憲法を分かりやすく

憲法の講義で、憲法の規定する国民の義務は何かを質問されたのですが、ど忘れしてしまっており答えられず、恥ずかしかったです…。

常識でもいきなり聞かれると緊張して忘れてしまったりするからしょうがないよね。じゃあ、今はもう思いだした?

えぇっと、①納税の義務、➁勤労の義務、③教育の義務だったと思います。

そうだね。それらは国民の三大義務と言われたりするよね。でも憲法には、意外と知られていないんだけど、三大義務以外にも国民の義務について規定している部分があるよ。せっかくだから、国民の三大義務と併せて今日は理解できるようにしよう!

国民の義務とは?

日本国憲法は全11章から成る日本の最高法規ですが、第三章では「国民の権利及び義務」が規定されています。

 

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日本国憲法の構造

憲法の趣旨は個人の尊厳の確保であるため、第三章のメインは「国民の権利」になります。しかしながら、国家の存在を前提とする以上、国家の維持や公共の福祉の維持・整備のため国民一人ひとりが果たすべき義務も規定されています。

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国民の義務

そこで憲法は、中学校の社会科の時間に勉強する「納税の義務(30条)」や、「勤労の義務(27条1項)」、「教育の義務(26条2項)」といういわゆる「国民の三大義務」や、一般的な義務として「人権保持義務(12条)」の計4つの義務を規定しています。

 

 

国民の三大義務とは?

憲法は「国民の三大義務」として、「納税の義務」、「勤労の義務」、「教育の義務」という3つの個別的義務を規定しています。

納税の義務

納税の義務は、憲法30条で以下のように規定されています。

憲法30条

国民は、法律の定めるところにより、納税の義務を負ふ。

国家が国民の基本的人権を確保するためや、国家そのものを運営するためには、言うまでもなくお金が必要になります。憲法30条は、国民はその能力に応じて国家の財政を支える義務があるとしています。しかしながら、立法府が恣意的に徴収してもいいというわけではなく、立法府、つまり議会の承認を得た法律によって納税額などを決定することが憲法には規定されています。

勤労の義務

憲法27条1項には、以下のように勤労の義務を規定しています。

憲法27条1項

すべて国民は、勤労の権利を有し、義務を負ふ。

27条1項は、勤労の権利を規定するとともに、義務についても規定しています。働いて生活を維持できる者は自分で稼いで生活を維持するべきという自由主義に立脚した考え方になります。もちろん、病気などで働けない人も強制的に働かなければいけないという強制性はなく、社会保障が必要とされる人に対して憲法社会権という基本的人権を規定することによって保障しています。

教育の義務

憲法26条2項には、以下のように教育の義務を規定しています。

憲法26条2項

すべて国民は、法律の定めるところにより、その保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負ふ。義務教育は、これを無償とする。

26条1項では、国民が「教育を受ける権利」を持っているとしましたが、「教育を受ける権利」とは、国家が国民に対して保障するべき権利になります。

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学校教育法における教育の義務と罰則

一方で、26条2項の「教育の義務」とは、親が自分の子どもに対して負う義務になります。学校教育法では、17条1項と2項で子どもが小学校、中学校に通わせる保護者の義務を規定しており、義務の督促を受けてなお履行しない保護者は144条の規定に基づき10万円以下の罰金に処するとされています。但し、不登校など一定の事情の下では義務を怠っているとは言えないため、この規定が適用されることはありません。

 

 

国民の一般的義務とは?

「国民の三大義務」は、「納税の義務」、「勤労の義務」、「教育の義務」ですが、日本国憲法ではこれらとは別に、「人権保持義務」という義務が憲法12条に定められています。

憲法12条

この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によつて、これを保持しなければならない。又、国民は、これを濫用してはならないのであつて、常に公共の福祉のためにこれを利用する責任を負ふ。

国家が国民の自由や権利の保障するべき責任を負いますが、国家は納税などの国民の協力によって初めて正常に成り立ちます。そのため、憲法では、自由及び権利を享受できるよう国民自体もその努力を怠ってはならないという趣旨を規定しています。

 

この規定は、納税の義務などのように具体的な義務を規定しているわけではなく、「人権保持のために国民一人ひとりが努力しましょう」という趣旨を述べたものであるため、「国民の三大義務」とは一緒にされませんが、この「人権保持義務」も合わせて憲法に規定される国民の義務であるといえます。

まとめ

憲法では、納税の義務、勤労の義務、教育の義務、人権保持義務が規定されている。

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