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条約とは?-国際法を分かりやすく

国際法を勉強すると「条約」ってよく出てきますが、なんとなくイメージできるようでできないような…。よく「議定書」とか「憲章」とか色々な用語がニュースで出てきますけど、「条約」との違いって何なのでしょうか?

ニュースで「条約」って耳にするけど、具体的に何?と言われるとわかりにくいよね。国際法を勉強するうえで、「条約」を理解することはとても重要だから、今日はしっかりとマスターできるようにしよう!

条約とは?

ニュースなどでよく出てくる「条約」という言葉ですが、そもそも「条約」とは何か知っていますか?「条約」とは、「国際法によって規律される国際法主体の間の文書による合意」のことを言います。この定義だけだと「は?」と思うかもしれません。しかし、「国際法主体」とは、簡単に言うと国際法上の権利を享受したり義務を課されたりする国家や国際組織などのことを言います。要するに条約とは、国や国際組織同士の文書で書かれたルールになります。

 

ではどうして条約は必要なのでしょうか?その理由の1つは、国際社会でルール・内容を明確にするためです。例えば条約のない社会を想像してみてください。国際社会で守らないといけないルールが文書で定まっていなかったとしたらどうなるでしょうか?もしある国が良くないと思われることをしたとしても、ルールがない以上裁くことはできません。また、何が良いことで何が悪いことなのかは文化や生活してきた環境によって異なります。条約はこのような認識のずれをなくし、国際社会が一致団結してよりよい国際社会を作り上げていくために必要なものなのです。

 

 

協定、議定書、憲章などとは何が違うの?

「条約」は主に「国同士の文書による合意」のことを言いますが、ニュースや新聞などで「協定」「議定書」「宣言」「憲章」「規約」「盟約」「和親条約」「取極(とりきめ)」など色々な用語を聞いたことがあると思います。「一体条約とは何が違うの?」と思うかもしれませんが、これらは全て条約と同じものです。

 

国際連合憲章」、いわゆる「国連憲章」も国連加盟国のルールを定めた文書による合意になるため、条約の形式の一つとなります。また、気候変動に関するルールで有名な「京都議定書」も「議定書」とありますが、各国間のルールであるため、条約の形式の一つとなります。もちろん、手続きの部分で異なるものもありますが、意味としては同じものになります。

 

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makoto.hさんによる写真ACからの写真

 

条約を分類すると?

条約は「多数国間条約」か「二国間条約」など当事国数で分類するなど様々な分類方法がありますが、条約の性質によって「立法条約」と「契約条約」の2つに分類されることがあります。「立法条約」とは「より良い国際社会を目指すために、多数国間で一般的なルールを定めた条約」を言います。「立法条約」の例としては、WTO協定やパリ協定などがあります。「立法条約」は「国際社会がこうなってほしい」という理想を実現するためのルールとして、多くの国が参加する国際会議などで起草されたりします。

 

一方で、「契約条約」とは、「特定国間で利害の調整を目指す条約」のことを言い、通商航海条約が例としてあります。「契約条約」とあるように、「立法条約」のように国際社会全体の利益のための理想を目指すというよりは、当事国がよりよい条件となるような契約とするためのルールが「契約条約」となります。

 

 

条約の効果は?

条約は原則、条約を締結した当事国間のみに対して効力が生じます。当事国は締結することによって、他の当事国がルールを破らないように圧力をかけたり、ルールを破った時の責任を追及できます。もちろん条約の利益を受けることができるため、自国もルールを守る必要があります。これを「合意拘束命題(合意は拘束する)」といいます。

 

一方で、条約を締結していない国はどうでしょうか?非当事国は条約の利益を享受ことはできませんが、「ルールを守れ」という圧力を受けることもありません。これを「相対的効果の原則(合意は第三国(非当事国)を益しも害しもせず)」といいます。ただしここで注意が必要なのは、「相対的効果の原則」が適用されるケースは、当該条約が「国際慣習法」でない場合です。「国際慣習法」については深く説明しませんが、国際社会でこれまで培われてきた「不文のルール」のことです。「国際慣習法」は「不文のルール」であるためあいまいです。そこで、この「不文のルール」をしっかりと文章にして国際慣習法であることを明らかにする法典化条約や、条約が作られた後国家実行が集積して慣習法だと考えられるようになる条約もあります。そのような国際社会のルールとして常識のものである「国際慣習法」の場合には、非当事国だからといっても拘束されることとなります。

 

 

最後に

いかがでしたでしょう?「条約」は国際法を学んでいくうえで、避けて通れないトピックになります。国際法を勉強すればするほど色々な条約に出会うと思いますが、ぜひ理解できるようにしてください!

[参考]

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