価格変化による予算制約線のシフト-公務員試験ミクロ経済学
あっ、先輩、こんにちは~!
こんにちは、カズ。今日は何か気分がよさそうだね。どうしたの?
はい!実は最近近所に古本屋がオープンして僕の読みたいマンガが新品と比べて半額で買えるようになったんですよ!しかも、古本なのに新品同然ですし!これで他のモノも買う余裕ができたので良かったです!
そうだったんだ、良かったね。そういえば以前、ミクロ経済学では消費者の所得が変化したら、予算制約線が変化するという話をしたけど、今回のように財の価格が変化した時も予算制約線は変化するよ。今日はせっかくだから価格変化による予算制約線のシフトについて理解できるようにしよう!
予算制約線のシフトとは?
ミクロ経済学では、その人が自由に使える「予算」という制限を念頭に置きながら、「消費者の主観的な満足度」を示す「効用」を最大化するためにはどのような財の組み合わせの最適なのかを分析しています。
この時、個々人の「予算」を表現するはグラフ、式として予算制約線、予算制約式を使うのですが、昇給によって予算が変化したり、商品の値上げによって購入できる商品の量が減ってしまったりなど、予算制約線は変化することがあります。
この変化のことを予算制約線のシフトと言い、公務員試験では、「所得の変化」によるシフトと、今回紹介する財の価格の変化によるシフトをしっかりと理解しておく必要があります。
ちなみに、「所得変化」による予算制約線のシフトは以下のようになります。例えば、予算が10,000円の場合、1個250円のチョコレートと1冊500円のマンガを組み合わせて効用の最大化を目指す消費者の最適消費点(効用最大化となる消費の組合せ)は以下のように、効用曲線(無差別曲線)と予算制約線の交点(マンガ10冊、チョコレート20個)となります。
ここから所得が5,000円に変化した時(財の価格は変化しないと仮定)、予算制約線は以下のように左側に平行シフトします。この時、最適消費点は効用曲線と新たな予算制約線の交点(マンガ5冊、チョコレート10個)となります。
価格変化による予算制約線のシフトとは?
ここまで、使えるお金(予算)が変化したことによる予算制約線のシフトを紹介してきました。予算の変化によるシフトは理解しやすいと思いますが、財の価格が変化することによって予算制約線がシフトすることがあります。価格変化は、公務員試験で頻出する「スルツキー分解」という分野で重要になってくるため、しっかりと理解することが必要になります。
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価格変化は例えば、冒頭で紹介した「マンガ」という財の価格が500円から250円への変化です。チョコレートとマンガの2財を組み合わせて効用の最大化を目指す消費者の自由に使えるお金が5,000円、チョコレート1個の価格が250円、マンガ1冊の価格が500円だとすると、以下のように最適消費の組み合わせはマンガ5冊、チョコレート10個となります。
しかしながら、マンガの価格が500円から250円になったとすると、以下のように予算制約線はシフトします。
なぜこのように予算制約線がシフトするのでしょうか。横軸、縦軸の切片に注目すると理解しやすくなります。もしマンガの購入をあきらめて、5,000円全てをチョコレートに費やすとすると、チョコレートは20個買うことが出来ます。チョコレートの価格は変化しないため、マンガの価格が変化してもチョコレートは最高20個しか購入できず、予算制約線が価格変化によって変化しても縦軸切片の位置は変わりません。
次に、マンガの購入のみに5,000円全てをあてるとすると、全財産で10冊買うことができます。この時、マンガの価格が500円から250円に変化すると、予算は5,000円のままで20冊購入できるようになります。そのため、横軸切片はマンガ20冊の部分から予算制約線がスタートすることになります。
この結果、消費可能領域が広がるため、効用曲線と予算制約線の接点である最適消費点も当初よりも右側になります。
図;価格変化
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