平均費用(AC)、平均可変費用(AVC)、限界費用(MC)とは?-公務員試験ミクロ経済学
あ、先輩、こんにちは...。
こんにちは、カズ。どうしたの?
先週総費用曲線(TC)と総収入関数(TR)とかを勉強してようやくマスターできたと思ったら、今日のミクロ経済学の授業でさらに平均費用(AC)曲線、平均可変費用(AVC)曲線、限界費用(MC)曲線というのを習い、また頭がぐちゃぐちゃになりました…。
ミクロ経済学のこの辺りの範囲は混乱しやすいよね…。ただ、特に限界費用(MC)は公務員試験では一番多く出てくる用語とも言ってもいいくらいだから、しっかり理解しよう!
平均費用(AC)、平均可変費用(AVC)、限界費用(MC)とは?
まず、別ページにて以下のような総費用曲線(TC)と総収入関数(TR)を使って企業の利潤が最大となる生産量を決定することができることを紹介しましたが、ミクロ経済学では実際に計算で求めるときに、限界費用(MC)などを使って計算することができます。
図:総費用曲線(TC)と総収入関数(TR)
上記の短期の総費用(TC)は、機械設備や不動産などの資本の費用である「固定費用FC(Fixed Cost)」と、人件費などの労働の費用である「変動費用VC(Variable Cost)」から成り立っています。この総費用から平均費用(AC)、平均可変費用(AVC)、限界費用(MC)を導出することができます。
平均費用(AC=Average Cost)とは、「生産物一単位当たりの費用」のことを言います。平均費用は、可変費用と固定費用を合わせた総費用を生産量で割れば導出できます。次に、平均可変費用(AVC=Average Variable Cost)とは「生産物一単位当たりの可変費用」のことで、可変費用のみを生産量で割って導出する値です。
最後に、限界費用(MC=Marginal Cost)とは、「費用関数Cを微分したもの」,つまり「生産物を一単位増加(減少)したときの費用の増加分(減少分)」のことを言います。ミクロ経済学を専攻していない受験生はなかなか分かりにくいと思います。例えば、100杯カレーを作ると20,000円費用がかかるとします。そこから1杯作る量を増やして101杯カレーを作るとして20,100円費用がかかるようになった時、増えた費用の100円が「限界費用」ということになります。
ちなみに、限界費用MCはMarginal Costですが、Marginalとは日本語で「辺境の、縁の」という意味になります。下のイメージ図のように、元々の数量(範囲)から新たに増えた分のことをMarginal Costといいます。
図:経済学における「限界」のイメージ
平均費用(AC)、平均可変費用(AVC)、限界費用(MC)をグラフで表すと?
ここまででそれぞれの費用についてイメージできたと思います。縦軸に各費用、横軸に生産量をとる図にAC曲線・AVC曲線・MC曲線を描くと以下のようになります。
上記のように全ての曲線で、ある一定の生産量までは曲線は右下がりですが、ある生産量からそれぞれ右上がりの曲線になっています。以下、それぞれの曲線について少し詳しく見ていきましょう!
平均費用曲線(AC)
まず、平均費用曲線について見ていきたいと思います。平均費用曲線は以下のように途中までは生産量を増やしていけばいくほどに、生産量一つ当たりのコストは低くなってきます。これは、固定費用があるため、固定費用が生産量分散されていくためです。
図:平均費用(AC)
しかし、上記のグラフを見るとわかるように、AC曲線とMC曲線の交点を境に、生産量が増加しているのに平均費用は増加してしまいます。これはなぜかというと、人件費などの変動費用が増えても、機械設備のような資本投入量は短期の場合固定のため増えません。その結果、人件費だけを増やしても生産が非効率的になってしまうため、平均費用が増加してしまいます。
平均可変費用曲線(AVC)
次に平均可変費用(AVC=Average Variable Cost)について見ていきたいと思います。平均可変費用曲線(AVC)は平均費用のグラフよりも下にあるグラフになります。これは、固定費用分を抜いた分平均可変費用は低くなるのでAVCはACの下になります。
限界費用曲線(MC)
最後に、限界費用曲線について見ていきたいと思います。限界費用曲線は以下のように、平均費用曲線ACと平均可変費用曲線AVCそれぞれの最下点を通ります。
最後に
生産者行動の範囲では、ここまで見たように色々なグラフが出てきます。はじめはどのグラフが何なのか混乱してしまうことがありますが、どれも公務員試験ではよく出るので注意が必要です!