労働基準法とは?労働基準法のキホンを知ろう-公務員・行政辞典
最近職場のパートの方が「労働基準法違反だ」と言って人事に駆け込んできたって人事部の同僚が言っていたのですが、労働基準法って何なのでしょうか?ニュースとかではよく聞くのですが、全く理解していませんでした…。
確かに労働基準法ってニュースなどでもよく聞く用語だから知った気持ちでいるけど、案外内容については理解されていないよね。労働基準法を本気で勉強するとかなり奥深いから大変だから、今日は基本として全体像を理解できるようにしよう。
労働基準法とは?
労働基準法とは、労働者の労働条件を一定水準以上に確保するために、政府が企業(使用者と言います)を制限する法律です。そもそも、労働基準法は、労働環境において憲法25条の「生存権」や14条の「法の下の平等」の規定を具体化するための法律と言えます。
契約自由原則の下、労働者と使用者の個別的な契約に政府は口出さないのが本来あるべき姿になります。しかしながら、一般的に労働者と比較して使用者の立場が強い中で、契約自由の原則が徹底されてしまうと、使用者が足元を見て労働者に不利な契約を結ぶ可能性もあります。そうすると、「生存権」や「法の下の平等」など憲法の目的を達成することができません。そこで「最低限度の労働水準は確保してあげてください」と使用者に基準を課すのが労働基準法になるのです。
労働基準法の全体像
そのため、労働基準法は、附則部分を除くと全121条の条文で構成されており、全13章から成り、色々なケースに対応して労働基準法の分量も多くなってきます。
第1章:総則
第2章:労働契約
第3章:賃金
第4章:労働時間、休憩、休日及び年次有給休暇
第5章:安全及び衛生
第6章:年少者
第6章の2:妊産婦等
第7章:技能者の養成
第8章:災害補償
第9章:就業規則
第10章:寄宿舎
第11章:監督機関
第12章:雑則
第13章:罰則
全13章から成りますが、第6章は2つのパートに分かれているため、実質14章のようなものです。第2章の労働契約に関して、民法の規定や第2章部分を整理した労働契約法というものが別で存在します。上記の各章を見てもらうと分かると思いますが、賃金や労働時間、職場環境など労働者が文化的な生活を送るため、労働における様々な分野での条件を規定しています。使用者が守るべき労働条件における最低基準であるため、もし使用車がこれらのルールに反していた場合、政府から罰を受けることとなります。