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情報の非対称性-公務員試験のためのミクロ経済学

bestkateikyoshi.hatenablog.com

登場人物

カズ

地域活性ボランティアサークルに所属する大学1年生。経済学部に所属しているが、数学は苦手。

Photo by All Solhouettes / Adapted

先輩

カズと同じ地域活性ボランティアサークルに所属する2つ上の先輩。経済学部に所属している。留学経験があり、外国人の友人も多い。

情報の非対称性とは?

こんにちは、カズ。あれ、どうしたの?なんかイライラしている感じだね。

あ、こんにちは、先輩。聞いてくださいよ!この間電気屋さんで「最安値」って書いてあるPCを買ったんですけど、買った直後にネットサーフィンしていたら、たまたま同じPCを見つけて、もっと安くなってました。

そうだったんだ、たぶん近隣では最安値だったのかもしれないけど、事前にもっと知ってればネット通販で買ったりと出来たのになんか勿体無い気分になるよね。

そうですよね。なんかお店の人に騙された気分です。まぁしょうがないと思うしかないんですけど。

うんうん。基本的には売り手と買い手だったら売り手の方が商品について詳しいから、今回のカズに起こったケースって結構起こり得るよね。こういったような売り手と買い手の商品に対する知識量(=情報量)が異なることを経済学では「情報の非対称性」と言うよ。

経済学って幅広いですね。確かに現実では僕のような一般の消費者は市場にある商品を全て熟知しているわけではないですから、売り手の方が商品について熟知していて、都合の良い情報しか提供しないで、都合の悪い情報は隠す可能性もありますよね。

そうだね。「情報の非対称性」と言うのは、売り手と買い手の間で取引される財に対する情報が少なくとも一つ以上共有されていない状態のことを指すよ。売り手が多く情報を持っているだけでなく、例えば買い手が本当はお金がないんだけどお金を持っているようにふるまうのも情報の非対称性の1つだよね。

なるほど。面白いですね。情報の非対称性って具体的には他にどの様な例はあるんですか?

うん!情報の非対称性が起こる原因はさまざまにあって、その一つが「逆選択」と呼ばれるものだよ。

逆選択」ですか?逆に選択するってことは、良い選択肢を選ばず、悪い方を選択してしまうって感じですかね?

そうそう。「逆選択」っていうのは、取引開始前に起こり得る情報の非対称性のことで、例として挙げられるものとして、中古車販売市場でのやり取りがあるよ。

 

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図1;逆選択とは

例えば中古車販売市場は、中古車によって状態が違うから品質が異なってきてしまうよね。でも、細かい違いなんて買い手にはあまり分からないよね。

そうですね。車好きじゃないと分からないかもしれないです。

でも、売り手もたくさん売りたいわけだから、売る際に良くない情報は隠してしまうことがあるかもしれないよね。そうすると、買い手はどうすると思う?

うーん、売り手の言われるままにあまり良くない中古車を購入したり、売り手にとって都合の悪いことを隠していると分かっていたら、値段の高い中古車も買いにくいので安い中古車を買う様になってしまうと思います。

そうそう。そうすると、本来は品質の良い財が市場でやり取りされるはずなのに、良い財は売れ残って比較的粗悪な財が売買されてしまうよ。これを情報の非対称性の「逆選択」と言うよ。

なるほど。「逆選択」は理解出来ました。他にはどんなものがあるんですか?

逆選択」のほかには、「モラルハザード」と呼ばれる問題があるよ。これは取引開始後に起こり得る情報の非対称性のことで、例として挙げられるものとして、保険契約があるよ。

モラルハザード」ですか?なんかカッコイイ用語ですね。

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図2;モラルハザードとは

モラルハザード」というのは、取引の結果、買い手の行動が悪い方向に変わってしまうことを言うよ。例えば、自動車保険の加入を例にすると、自動車保険に加入する前は事故を起こさないように慎重だった人が、加入したことによって事故を起こしても金銭的な負担が軽減されるという安心感から運転が荒っぽくなってしまうという問題だよ。

あぁ、確かに保険に加入すると、気の緩みは出てくるかもしれないですね。

うん。これも売り手(保険会社)にとっては元々事故に対して慎重に行動してくれる人という認識で保険料を算定していたのに、保険加入後は運転が荒っぽくなってしまうことで事故を起こしやすくなる人になってしまうと保険会社が支払う保険金が増大して会社が立ち行かなくなるよね。

なるほど。加入前と加入後で加入者の行動が変化してしまい予測できなくなってしまうから情報の非対称性ということなのですね。

そうそう。

あれ、でも現実にも「逆選択」とか「モラルハザード」とかの情報の非対称性の問題は起こり得ると思うのですが、実際にはどのように企業は対応しているのですか?

情報の非対称性に対する具体的な対処法はたくさんあって、『「逆選択」と「モラル・ハザード」:篠崎彰彦教授のインフォメーション・エコノミー(6)』によると、以下のようなモノが情報の非対称性を克服する手段として挙げられているよ。

 図2 情報の非対称性を克服する手段

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[引用] 「逆選択」と「モラル・ハザード」:篠崎彰彦教授のインフォメーション・エコノミー(6)

表だけだと分かりにくいから、一部例を挙げると先ほどの自動車保険の例を使って対処法を話すと、保険金の請求回数が多い人は保険料を引き上げたり、ゴールド免許の人は保険料を安くしたりなど差別化を行うことによって、同じ自動車保険でも事故を起こさないインセンティブを与えることによってモラルハザードを引き起こさせないような施策を行っていたりするよ。

なるほど。保険って色々な内容が付帯していてややこしいなと思っていたのですが、モラルハザードを引き起こさせないための戦略とかも考えられていたんですね。勉強になりました!ありがとうございます!

bestkateikyoshi.hatenablog.com

参考

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