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労働市場における古典派とケインズ学派の違いは?-大学生の視点で理解するマクロ経済学

bestkateikyoshi.hatenablog.com

登場人物

カズ

地域活性ボランティアサークルに所属する大学1年生。経済学部に所属しているが、数学は苦手。

Photo by All Solhouettes / Adapted

先輩

カズと同じ地域活性ボランティアサークルに所属する2つ上の先輩。経済学部に所属している。留学経験があり、外国人の友人も多い。

古典派の第1公準と第2公準とは?

あ、先輩、こんにちは...。

こんにちは、カズ。あれ、どうしたの?なにか悩んでいるような雰囲気だけど。

はい。最近金欠でバイトを始めようと思っているのですが、時給の高い求人を応募しても人気があるので不採用になってしまって...。

そうなんだ。時給が高いバイトは他の人も応募するからしょうがないよね。私もバイトで不採用になったことあるからそんなにくよくよすることじゃないから大丈夫だよ。

そうなんですか?でも時給ってなんでそれぞれバイトによってバラツキがあるんですかね?塾講師とかは比較的高いのにコンビニとかレストランのバイトとかって比較的安いですよね。それに、東京とか都会の方が同じ内容のバイトでも時給は高いですよね。

そうだね。それぞれバイトによって時給が異なるのは、アルバイト一人の仕事に対する売上が大きかったり小さかったりで異なる場合や、専門的な知識を持っている人しかやれないようなバイトで応募者が少ないから時給を高くしたりとか、都道府県によって最低賃金の額が異なる場合とかいろいろと理由はあるよね。

あれ、そういえば以前、マクロ経済学AS曲線(総供給曲線)という労働市場における物価水準と国民所得の関係を表した曲線について勉強しましたよね?マクロ経済学労働市場でも同じで労働の需要と供給は、最低賃金とかバイトによって時給が異なるケースとかを分析するのですか?

マクロ経済学における労働市場でも最低賃金率などを考慮したりするよ。でも、マクロ経済学は一国全体の分析だから、基本的に塾講師のアルバイトとコンビニのアルバイトとかで分けたりはせず、全てを平均して考えたりするよ。そして、労働市場の需要と供給も需要曲線と供給曲線を用いてグラフに図式化して考えることが出来るよ。

そうなんですか。

また、マクロ経済学労働市場における需要と供給の均衡についての考え方として学ぶべきものが「古典派の労働市場」、「ケインズ労働市場」と2つの主要な考え方があるよ。

「古典派の労働市場」と「ケインズ労働市場」ですか?ケインズって確か著名な経済学者の名前ですよね?でも何が違うのですか?

細かく考えると難しいけど、簡単に違いを説明すると、古典派の考え方は「セイの法則」と呼ばれる「供給がそれ自体の需要を生み出す」という供給重視の考え方を取っているという点がポイントだよ。供給量を変化させることで需要量も供給量に追随するということはいつでも完全雇用が達成させるということになるよね。供給と需要はいつでも一致するということなんだから。

はい。

逆にケインズ学派の考え方は「有効需要の原理」といって需要量によって供給量が決まるという考えかがポイントだよ。需要量がもし少ないと企業は生産量を減らすため、雇用量も減るから失業が発生する可能性があるよね。古典派とケインズ学派の考え方では、供給主導か需要主導か、さらに失業が発生するかしないかが大きな違いとなっているんだ。

上記は経済思想の流れだけど、アダム・スミスリカードなど古典派の理論が主流だったんだけど時代の流れとともに分化していって、ケインズの考え方も生まれるようになったんだよ。

なるほど。

また、古典派とケインズ学派の違いとしてよく出題されるテーマとして労働市場における考え方の違いもあって、違いを一言で説明すると、労働市場を考える時に古典派は「古典派の第1公準」、「古典派の第2公準」を採用している一方で、ケインズ学派は「古典派の第1公準」は採用しているけど、「古典派の第2公準」を採用していない点が大きく異なるよ。

ケインズ学派は「古典派の第2公準」を採用していないという点が大きく異なるのですね。でも「古典派の第1公準」、「古典派の第2公準」ってそれぞれ何なのですか?なんか難しそうですね。

そうだね(笑)。でも難しく考える必要はないよ。それじゃあ今回はまず古典派の採用している労働市場についての「古典派の第1公準」、「古典派の第2公準」という考え方を学んでいこう。

はい。

まず「古典派の第1公準」というのは、労働の需要(企業がどれだけ従業員を雇うか)に関する考え方で、「一国の労働投入量はMPL=w/Pという水準で決定される」という考え方だよ。

MPLって何ですか?

MPL(Marginal Product of Labor)というのは、労働の限界生産性のことで、「労働を一単位追加的に投入したときにどれだけ生産量が増加するか」ということだよ。

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図1;労働の限界生産性(MPL)とは

図1のように横軸に労働量、縦軸にMPLをとったグラフを見てみると分かるように、労働量を増やせば増やすほど、生産性は落ちていくよ。

例えばレストランで1日に働く従業員が5人から10人になると多くのお客さんに対応できるようになるけど、10人から15人になると従業員が多すぎてやることがなくなってしまって生産性が下がってしまうからってことですね。

そうそう。次にw/P(実質賃金率)だけど、wは「名目賃金率」(一定期間に労働者を雇った時に労働一単位あたりどれだけの賃金を支払うか)で、Pは物価水準Pのことだよ。w/Pは結局賃金率に物価水準Pを割ったものだということだね。

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図2;労働の限界生産性と実質賃金率の関係(MPL=w/P)

図2の例を見ると、従業員を9人から10人に増やしても1時間1000円分の売上を得られて、時給は750円だから利益が250円分出ているよね。

あ、ということはもっと従業員を増やしても利益が得られるということですね。

そうだね。そこでどんどん従業員を増やしていくと15人になった時に、従業員1人あたりの生産性は1時間750円になるから、これ以上従業員を増やすと赤字になってしまうよね。だから従業員15人、労働の限界生産性750円のところで均衡するよ。これを「古典派の第1公準」と呼んでいるよ。

なるほど。それじゃあ次に「古典派の第2公準」というのはどういう考え方なのですか?

古典派の第2公準」というのは労働の供給(従業員がどれだけ働くか)に関する考え方で、「一国の労働供給量はMDU=w/Pという水準で決定される」という考え方だよ。

w/P(実質賃金率)は「古典派の第1公準」と同じですけど、MDUって何なのですか?

MDU(Marginal Disutility)とは限界不効用のことで、「労働供給を一単位増加させたときにどれだけ不効用が増加するか」という考え方だよ。一般的にはあまり働きたくないと思う人は多いよね。

はい。僕も本当なら働きたくないです(笑)。ただ、お金がないと生活が苦しくなるのでしょうがなくって感じです。

そうだね。たくさん働けば働くほど余暇の時間も減るわけだからその分疲れもどっとたまるよね。これを労働の限界不効用と呼ぶよ。

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図3;労働の限界不効用(MDU)とは

労働時間(労働量)が増えれば増えるほど長時間働いていることになるんだからその分疲れもどっとたまるよね

はい。はじめの一時間に比べると終わりの一時間は疲労度が全く違いますね。

うん。これをMDU(限界不効用)と呼んでいて、古典派の第2公準は、第1公準と似ていて従業員がどれだけ労働するかというのはMDU(限界不効用)とw/P(実質賃金率)が一致するところになるよ。

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図4;労働の限界不効用と実質賃金率の関係(MDU=w/P)

図4のように、労働者は実質賃金率と労働の不効用が一致する部分まで労働量を供給するよ。

なるほど。マクロ経済学では労働市場を考える際に「古典派の第1公準」、「古典派の第2公準」を用いて考えるのですね。

そうそう。この部分はマクロ経済学の基礎で学ぶ部分の中で特に苦手な人が多い部分でもあるから、まずはイメージだけでもしっかりと自分で再現できるようにしよう。そうすれば、ある程度の問題は解けるようになるから。

分かりました。

今回は長くなってしまったから、「古典派の第1公準」、「古典派の第2公準」についてだけで終わりにして、次回以降さらに古典派とケインズ学派の労働市場における考え方の違いを詳しく見ていこう!

分かりました!ありがとうございます!

bestkateikyoshi.hatenablog.com

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