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均衡予算乗数定理とは? ー大学生の視点で理解するマクロ経済学

bestkateikyoshi.hatenablog.com

登場人物

カズ

地域活性ボランティアサークルに所属する大学1年生。経済学部に所属している。

先輩

カズと同じ地域活性ボランティアサークルに所属する2つ上の先輩。経済学部に所属している。

 

均衡予算乗数定理とは? 

こんにちは、カズ。 

あ、先輩、こんにちは! 

あれ、今日は珍しく勉強しているね。何の勉強? 

はい、マクロ経済学の講義で宿題として出されたものなんですけど、均衡予算乗数定理が成り立つケースを財市場の均衡条件を用いて証明しなさいって感じの課題でよくわからないんです...。 

なるほど。そもそも均衡予算乗数定理って何だか覚えている? 

...いいえ。よく覚えていません(泣) 

そっか、じゃあ均衡予算乗数定理の定義から見ていこう! 

はい! 

 

 

      均衡予算乗数定理の定義 

均衡予算乗数定理というのは、「歳出(政府支出)と歳入(租税収入)を均衡させつつ予算規模を増加させると、予算規模の増加分と同額だけ国民所得が増加する」という定理だよ。 

うーんと、なんとなく言っていることはわかるようなわからないような...。予算規模ってどういうことですか? 

予算規模というのは、政府支出のことを言うよ。均衡予算乗数定理の考え方は、政府支出の変化分だけ国民所得も変化するという考え方だよ。この時に思い出してほしいのは乗数効果という用語なんだけど、乗数効果について以前話したの覚えている? 

はい。政府支出や投資を変化させた際に、国民所得がそれ以上に変化することですよね? 

そうだね。マクロ経済学では乗数過程といって下の図のように需要の変化が経済に波及していくからそれ以上に国民所得が変化していくんだったよね。 

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図1;乗数過程(乗数効果)のイメージ 

図1の例は投資需要を増加されたところからスタートしているけど、均衡予算乗数定理では政府支出を変化させるところからスタートするよ。ただ、政府支出の資金源って元々どこから捻出しているんだと思う? 

政府の支出なので国民の税金です。 

そうだね。実際に政府支出を新規に増やしていきたいと思ったときに増える政府支出分の増税もしないといけないよね。 

あれ、政府支出と同額分税金を増やすとプラマイゼロになって国民所得は変化しないんじゃないですか? 

そう思うかもしれないんだけど、政府支出増加による国民所得増加の効果は、租税増加による国民所得減少の効果より大きくなると仮定しているから国民所得は増加すると考えるよ。 

[仮定] 

・財市場の均衡条件Y=C+I+G  

・総需要は外国部門を捨象する  

・消費関数C=C₀+c(Y-T)  

・C₀(基礎消費)・T(定額税)は定数、cは限界消費性向(0‹c‹1)  

・I(投資)、G(政府支出)は定数  

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図2;財市場の均衡条件 

図2のように財市場の均衡条件を国民所得Yについて解いて、これを変化分の式に直すと各々の乗数になるんだったよね。 

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図3;政府支出と租税の乗数効果比較 

図2のYについて解いた式を政府支出乗数、租税乗数に直した式が図3だよ。例えば、限界消費性向cが0,5とした時、政府支出を1億円増加させたときの国民所得の変化分△Yは2億円となるよね。 

はい。逆に減税(租税を-1億円)した時の国民所得の変化分は、1億円です。あ、同じ1億円の財政政策でも効果が違いますね! 

そうだね。財市場の均衡条件を用いたモデルでは、同じ金額であれば政府支出の効果が租税の効果を上回るとされるよ

なるほど。

それじゃあ均衡予算乗数定理は、増税分を使って政府支出を増大させたときに政府支出の増大分国民所得が増加するという定理だったけど、この定理が成り立つケースと成り立たないケースがあるからそれぞれ見てみようか。 

 

 

      均衡予算乗数定理の成り立つケース 

まず、均衡予算乗数定理が成り立つケースを見ていこう。さっき均衡予算乗数定理の定義を話したけど、これは即ち均衡予算の乗数は1であるとするよ。そして、この乗数が1ではない時が成り立たないケースとなるよ。 

うーんと、どういうことですか? 

均衡予算乗数定理が成り立つケースでは、先ほどの図3の政府支出と租税の乗数を用いるよ。 

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図4;均衡予算乗数定理が成り立つケース 

歳出(政府支出)と歳入(租税収入)を均衡させながら国民所得を増加させるというのは即ち、政府支出の変化分△Gが租税の変化分△Tとイコールということになるよね。 

はい。 

ということは、図4のように△Tを△Gに置き換えることができて、この式を整理すると、△Y=△Gとなるよね。この式って何を意味しているんだと思う? 

あ、政府支出が変化した分だけ国民所得が増えているということです!つまり、定義の「予算規模の増加分と同額だけ国民所得が増加する」という意味なんですね! 

そうそう!このように、均衡予算乗数定理が成り立つケースというのは、租税が国民所得の多寡に依存しない定額税の場合だよ。あと、今日はやらないけど輸入が国民所得に依存しないことも条件になるよ。 

所得に依存しない租税ってことは所得税などは違うってことですね。ただ、輸入ってここまで財市場の均衡条件の中に含まれていないですけど、貿易も考えたりするんですか? 

うん。財市場の均衡条件に外国部門を付け加えたときに輸出入が含まれて来るけど、今日は均衡予算乗数定理の核についてだけ理解してほしいから含まないようにしているよ。 

そうだったんですか、外国部門も含めたら難しくなりそうですね。 

まあそんなに難しくはならないとは思うけど...。まぁ今回は最後に均衡予算乗数定理が成り立たないケースを見ていこう。 

 

 

      均衡予算乗数定理の成り立たないケース 

均衡予算乗数定理が成り立たない場合っていうのは、成り立つケースの逆だから、所得税のように租税が所得に依存するケースや、輸入が所得に依存するケースだったよね。 

はい。 

今回は租税が所得に依存するケースを実際に見ながら、均衡予算乗数定理が成り立たないケースを見ていこう。 

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図5;均衡予算乗数定理の成り立たないケース 

租税が所得に依存する状況を仮定するから限界税率tが新たに式に中に入っていますね。

そうそう。国民所得が増加するとt×Yは大きくなるから所得税を表しているよ。この時、政府支出と租税を同額増加させるとどうなっている?

国民所得が増加はしていますが、政府支出と同額増加はしていません。

そうだね。このように均衡予算乗数定理が成り立たないケースも財市場の均衡条件のモデルを設定するうえであるから、どのような仮定の時に成り立つのか、逆に成り立たない場合はどういう時なのか理解することがポイントになってくるよ。

なるほど。よく分かりました!ありがとうございます!

 

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