分かりにくいを分かりやすいに

公務員試験、受験勉強、家庭教師、海外について発信するブログです。

Tutoring For EveryOne

Making the world to understand easily
家庭教師向け記事一覧
大学受験対策記事一覧
公務員試験対策記事一覧

【スポンサーリンク】

完全競争市場と不完全競争市場の違いは?-公務員試験ミクロ経済学

あ、先輩、こんにちは...。

こんにちは、カズ。どうしたの?表情が暗いけど。

はい、最近またタバコの値段が上がったのでお財布事情が厳しくて…。

そうなんだ。喫煙者は大変だね。

そうですよー、タバコって高すぎですよね。もっと安くしてくれればいいのに...。

まぁ、健康問題もあるしたばこに関しては販売価格の半分以上が税金らしいから高くなっているのはしょうがないね。ただ、日本ではJTが独占でタバコを製造しているから、価格競争になりにくくて高くなる可能性があるっていうのもあるかもしれないけど。

えっと、タバコってJTしか販売していないのですか?

いや、厳密に言うと、JTは日本でのタバコ製造を独占しているだけで、販売は近所のタバコ屋さんやコンビニでできるし、海外のタバコメーカーのタバコは日本で販売できるからJTが世界で唯一のタバコメーカーと言うわけではないけど、それでも日本で唯一タバコ製造を認められているから、独占していると言われているよ。

なるほど。あれ、なんで独占していると価格が高くなるのですか?

実際にJTのタバコが独占によって価格が高くなっているのかどうかは分からないけど、ミクロ経済学では事業が独占されることによって価格が完全競争市場に比べて高くなることがあるよ。

完全競争市場ですか?またよく分からない言葉が出てきました(笑)。

完全競争市場は不完全競争市場と合わせて公務員試験でもよく出題されるから、今日はしっかりと覚えてしまおう!

完全競争市場と不完全競争市場の違いは?

ミクロ経済学では財のやり取りをする場所を「市場(しじょう)」と言い、「市場」でのやり取りを前提にして市場均衡や財の生産量などを分析します。そしてこの市場は、市場の性質によって「完全競争市場」と「不完全競争市場」の2つに分類できます。

 

この2つの市場の違いは簡単に言うと「個々の企業が市場の価格に影響を与えるかどうか」になります。例えば、JTの独占のように、1社しかタバコを製造している企業がない時は、値段を高くしても消費者はそれを買うしか方法がないから、JTの設定したタバコの値段を受け入れるしかないよね。この場合は「JTがタバコ市場の価格に影響を与えている」と言え、このような市場を「不完全競争市場」といいます。

 

逆に、企業がたくさんいて、企業間で競争が行われているときには、ある企業が値段を高く設定したとしても他の企業の商品にお客さんが流れてしまうため、このような市場を「完全競争市場」と呼びます。このように、価格を買えても市場の価格に戻ってしまうような場合は、「個々の企業が市場の価格に影響を与えていない」ということになり、「個々の企業・消費者が市場の価格に影響を与えていない」市場を「完全競争市場」と言います。

 

 

完全競争市場になるための条件は?

先ほど、価格を例にとって「完全競争市場」について説明しましたが、「完全競争市場」あるとするための条件として以下5つを満たす必要があります。

完全競争市場の条件

1.売り手と買い手が多数存在する
2.売り手も買い手も価格受容者(プライステイカー)である
3.市場で売買される財が同質である
4.情報の非対称性がない
5.市場への参入退出が自由である

 

  • 売り手と買い手が多数存在する

先ほどのリンゴ農家の例のように、売り手が多ければ多いほど一つの企業が財の価格を買えても価格は元の市場価格に戻ってしまう。一方で買い手も少ないと買い手に対して売り手(企業)が多くなり、買い手が安く交渉出来るが、買い手が多数存在する場合は一人一人の買い手との交渉の必要はなくなるため、個々の買い手・売り手が財の価格に影響を与えることが出来なくなる。そのため、売り手と買い手が多数存在することが価格に影響を与えない条件の1つになる。

 

1と関連して、売り手と買い手が多数存在する場合、価格は市場で決まり、売り手も買い手も市場で決まった価格を受け入れて売買することになるということを意味する。その場合、市場で価格が決まってしまうため、個々の買い手・売り手が財の価格に影響を与えることが出来ない。

 

  • 市場で売買される財が同質である

財が同質であるとは、売り手は多数存在しても財の品質は先ほどのリンゴの例のように同じということである。もしそれぞれの売り手のリンゴに特色があれば他のリンゴ農家と異なる価格にしても問題なく、つまり一つの企業が財の価格に影響を与えられるということになる。しかし、完全競争市場であるという前提の場合には、同じ市場であれば全ての売り手から販売される財は同じ品質だと仮定する。そのため、財が同質であるということは価格に影響を与えないということである。

 

  • 情報の非対称性がない

情報の非対称性がないとは、財に対して売り手も買い手も同じ情報を持っているということである。例えば、買い手が市場の価格を知らないとしたら、売り手はその買い手に不当に高い価格で財を売ることもできる。このようなケースは情報の非対称性があるというケースで売り手が財の価格に影響を与えられる。そのため、逆に非対称性がないことが完全競争市場の条件となる。

 

  • 市場への参入退出が自由である

参入退出が自由であるとは、売り手が自由に財を販売したり販売をやめたりすることが出来るということである。自由に参入できるとすると、それだけ売り手が多くなるため1の売り手が多数存在するという条件に繋がってくる。そのため、市場への参入退出が自由であることが完全競争市場の条件の1つである。

 

上記の5つが完全競争市場の条件になります。逆にこのうちの1つでもかけている場合には不完全競争市場となります。JTが独占しているタバコ市場は独占市場と呼ばれ、不完全競争市場に分類されます。

 

 

不完全競争市場の3つの類型

ちなみに、「不完全競争市場」と呼ばれる市場もさらに3つに分けることができます。

不完全競争市場の3類型

1.純粋独占市場

売り手が1社のみの市場(例;JTのタバコ製造市場)

2.複占市場

売り手が2社のみの市場(例;コカコーラ社とペプシ社のコーラ市場)

3.寡占市場

売り手が数社のみの市場(例;ヤマハ発動機、スズキ、ホンダなどオートバイ市場)

 

このように売り手の数によって呼び方が違ってきます。どうして売り手の数によってわざわざ市場の呼び方を変えるかというと、市場の中にいる売り手の数によって売り手の行動が変わってくるとされているからです。市場の中に売り手が1社しかいない場合、利潤を多くするために、価格を高く設定することもできますが、2社になると互いにけん制し合って価格や生産量を決定することになります。

 

 

最後に

公務員試験では、「完全競争市場」の条件や「不完全競争市場」の類型自体を聞いてくる問題はほとんどありません。通常、設問に「完全競争市場である」など事前に設定してくれています。しかし、公務員試験で最頻出範囲の一つである独占・寡占市場の問題を解く上でしっかりと前提は理解しておく必要があるので、しっかりと違いをマスターしてしまいましょう!

 

【スポンサーリンク】