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不完全競争市場と3つの類型-公務員試験のためのミクロ経済学

bestkateikyoshi.hatenablog.com

登場人物

カズ

地域活性ボランティアサークルに所属する大学1年生。経済学部に所属しているが、数学は苦手。

Photo by All Solhouettes / Adapted

先輩

カズと同じ地域活性ボランティアサークルに所属する2つ上の先輩。経済学部に所属している。留学経験があり、外国人の友人も多い。

不完全競争市場と3つの類型とは?

あ、先輩、こんにちは...。

こんにちは、カズ。どうしたの?表情が暗いけど。

はい、実はこれまで毎月父親から仕送りもらっていたのですが、父親が今金銭的に厳しいそうで仕送りの額が減ってしまいました...。

そうなんだ。今は不況だからなかなか厳しいのかもね...。

いえ、父親の給料が減ったとかではないと思います。ただ、タバコがまた値上がりしたからとかで、自分でアルバイトして稼げといわれました(泣)。

なるほど。

タバコって高すぎですよね。もっと安くしてくれればいいのに...。

まぁ、健康問題もあるしたばこに関しては販売価格の半分以上が税金らしいから高くなっているのはしょうがないね。ただ、日本ではJT独占でタバコを製造しているから、価格競争になりにくくて高くなる可能性があるっていうのもあるかもしれないけど。

えっと、タバコってJTしか販売していないのですか? 

いや、厳密に言うと、JTは日本でのタバコ製造を独占しているだけで、販売は近所のタバコ屋さんやコンビニでできるし、海外のタバコメーカーのタバコは日本で販売できるからJTが世界で唯一のタバコメーカーと言うわけではないけど、それでも日本で唯一タバコ製造を認められているから、独占していると言われているよ。

なるほど。あれ、なんで独占していると価格が高くなるのですか?

実際にJTのタバコが独占によって価格が高くなっているのかどうかは分からないけど、ミクロ経済学では事業が独占されることによって価格が完全競争市場に比べて高くなることがあるよ。

完全競争市場ですか?またよく分からない言葉が出てきました(笑)。

経済学は専門用語が多くて大変だよね(笑)。よし、今日はカズのミクロ経済学の授業の予習も兼ねて、独占市場について話していこう!

はい!

まず独占市場について話す前に、経済学で前提にしている市場(しじょう)について話そう。経済学では市場の性質によって「完全競争市場」と「不完全競争市場」の2つに分けているよ。

この2つの違いは何なのですか?

この2つの市場の違いは簡単に言うと「個々の企業が市場の価格に影響を与えるかどうか」だよ。例えば、JTの独占のように、1社しかタバコを製造している企業がない時は、値段を高くしても消費者はそれを買うしか方法がないから、JTの設定したタバコの値段を受け入れるしかないよね。この場合は「JTがタバコ市場の価格に影響を与えている」と言えるよ。

えっと、JTのような独占ではなくても、どんな企業も市場の価格に影響を与えているのではないのですか?

いや、独占でない場合は「個々の企業が市場の価格に影響を与えていない」ことになるよ。例えば、リンゴ農家が100軒あって、市場でのリンゴ価格が1個100円だとするよね。ただ、前提としてこの100軒の農家は全て品質の同じリンゴを作っているとするよ。

はい。

この時、もし100軒のうちの一軒のリンゴ農家が120円で売ろうとしたら、消費者は買うと思う?

もし他の農家が100円で売っていて品質も変わらないと分かっていれば120円のリンゴは買いません。

そうだね。そうなると売れ残ってしまうから120円で売るのではなくて100円に戻すしかないよね。このように、価格を買えても市場の価格に戻ってしまうような場合は、「個々の企業が市場の価格に影響を与えていない」ということになるよ。

なるほど。

このように「個々の企業・消費者が市場の価格に影響を与えていない」市場を完全競争市場というよ。完全競争市場の条件を以下に整理してあるから確認してみよう。

完全競争市場の条件

1,売り手と買い手が多数存在する
2,売り手も買い手も価格受容者(プライステイカー)である
3,市場で売買される財が同質である
4,情報の非対称性がない
5,市場への参入退出が自由である

 

1,売り手と買い手が多数存在する

先ほどのリンゴ農家の例のように、売り手が多ければ多いほど一つの企業が財の価格を買えても価格は元の市場価格に戻ってしまう。一方で買い手も少ないと買い手に対して売り手(企業)が多くなり、買い手が安く交渉出来るが、買い手が多数存在する場合は一人一人の買い手との交渉の必要はなくなるため、個々の買い手・売り手が財の価格に影響を与えることが出来なくなる。そのため、売り手と買い手が多数存在することが価格に影響を与えない条件の1つになる。

 

2,売り手も買い手も価格受容者(プライステイカー)である

1と関連して、売り手と買い手が多数存在する場合、価格は市場で決まり、売り手も買い手も市場で決まった価格を受け入れて売買することになるということを意味する。その場合、市場で価格が決まってしまうため、個々の買い手・売り手が財の価格に影響を与えることが出来ない。

 

3,市場で売買される財が同質である

財が同質であるとは、売り手は多数存在しても財の品質は先ほどのリンゴの例のように同じということである。もしそれぞれの売り手のリンゴに特色があれば他のリンゴ農家と異なる価格にしても問題なく、つまり一つの企業が財の価格に影響を与えられるということになる。しかし、完全競争市場であるという前提の場合には、同じ市場であれば全ての売り手から販売される財は同じ品質だと仮定する。そのため、財が同質であるということは価格に影響を与えないということである。

 

4,情報の非対称性がない

情報の非対称性がないとは、財に対して売り手も買い手も同じ情報を持っているということである。例えば、買い手が市場の価格を知らないとしたら、売り手はその買い手に不当に高い価格で財を売ることもできる。このようなケースは情報の非対称性があるというケースで売り手が財の価格に影響を与えられる。そのため、逆に非対称性がないことが完全競争市場の条件となる。

 

5,市場への参入退出が自由である

参入退出が自由であるとは、売り手が自由に財を販売したり販売をやめたりすることが出来るということである。自由に参入できるとすると、それだけ売り手が多くなるため1の売り手が多数存在するという条件に繋がってくる。そのため、市場への参入退出が自由であることが完全競争市場の条件の1つである。

 

上記の5つが完全競争市場の条件だよ。逆にこのうちの1つでもかけている場合には不完全競争市場になるよ。JTが独占しているタバコ市場は独占市場と呼ばれ、不完全競争市場に分類されるよ。

タバコ市場の独占市場の場合は、1つ目の買い手が多数存在するという条件が欠けているから不完全競争市場になっているということですね。

そうだね。不完全競争市場にはさらに細かい分類があって、3つの種類があるよ。

不完全競争市場の3類型

1,純粋独占市場

売り手が1社のみの市場(例;JTのタバコ製造市場)

2,複占市場

売り手が2社のみの市場(例;コカコーラ社とペプシ社のコーラ市場)

3,寡占市場

売り手が数社のみの市場(例;ヤマハ発動機、スズキ、ホンダなどオートバイ市場)

 

 

このように売り手の数によって呼び方が異なるよ。これに対して完全競争市場は売り手が多数だったんだよね。

はい。でもなんで売り手の数によってわざわざ市場の呼び方を変えるのですか?

それは、市場の中にいる売り手の数によって売り手の行動が変わってくるとされているからだよ。市場の中に売り手が一社しかいない場合、利潤を多くするために、価格を高く設定することもできるよね。

はい。価格を市場の適正価格より高くしても市場には売り手が自分たちしかいなければ買い手はその価格を受け入れるしかないから買ってくれますね。

うん。このように個々の売り手が価格に影響を与えるから、これまで話してきた完全競争市場を前提としてきた需要と供給の関係とは少し異なってくるんだ。

なるほど。完全競争市場と不完全競争市場は経済学では分けて分析しないといけないのですね。参考になりました!ありがとうございます!

bestkateikyoshi.hatenablog.com

参考

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