あっ、先輩。こんにちは!チョコレートいりますか?
こんにちは、カズ。うん、ありがとう。どうしたの?こんなにたくさんチョコレート持って。
これは僕が最近はまってるチョコレートです!少し前にクラスメートに勧められて食べるようになったのですが、美味しすぎて一週間に4個は食べてます(笑)。
食べ過ぎて体調崩さないようにね...。今のカズの状態は経済学的には、チョコレートに対する需要曲線は右にシフトしているってことになるね。
どういうことですか?
ミクロ経済学ではよく需要曲線・供給曲線のシフトという表現が出てくるよ。それぞれの曲線のシフトはよく出題されるから今日は、需要曲線・供給曲線のシフトについて理解できるようにしよう。
需要曲線・供給曲線とは?
「需要曲線」とは「ある財について、ある価格ならどれくらいの買い手によってその財が買われるかという需要量と価格の関係を表した曲線」のことを言います。例えば市場に消費者が自分一人だとしたときに、チョコレートが1個100円の時には1個買えばいいかなと思っていたけど、1個80円になったときには2個買おうかなと感じるように、財の価格と需要量の関係を表した曲線を需要曲線と言います。
[出典]「「わかりやすく経済学教室 ぴーすけ講座」
「供給曲線」とは、「ある財について、ある価格ならどれくらいの売り手によってその財が売られるかという供給量と価格の関係を表した曲線」になります。より分かりやすく言うと、「あるモノやサービスが、いくらならどれだけ市場で企業が販売したいと思うか?」という財の価格と生産量/販売量の関係を表したものになります。
[出典] 「わかりやすく経済学教室 ぴーすけ講座」
例えば、チョコレートを生産する企業が2社あるとして、1個80円でチョコレートが販売されているときには、A社のみが2つチョコレートを販売しているとしますが、もっと買いたい人が出てきて(チョコレート人気が高まり)1個100円でも買いたいとなったときに、今まではコストが高く生産できなかったB社も参入できるようになります。そのため、供給曲線は通常右上がりの曲線になります。
需要曲線のシフトとは?
まず、需要曲線のシフトについて見ていきたいと思います。需要曲線のシフトとは、以下のように需要曲線が左右どちらかに移動することです。
図;需要曲線のシフト
需要曲線がシフトする要因としては以下のような要因があります。
需要曲線のシフト要因
・消費者の好みの変化
・人口の変化
・天候の変化
・消費者の所得(収入)の変化
例えば、消費者の好みの変化について、消費者がチョコレートにハマると需要曲線は右にシフトします。消費者がチョコレートにハマる前は1個100円の時は2個買って、50円の時は4個買うとします。これがチョコレートにハマった後だと1個100円で値段は同じでも4個買いたいと思うようになり、50円なら6個買いたいと思うようになります。これを曲線で表したのが、シフト後の需要曲線になります。
他にも人口が増加した時には、同じ値段でも市場の中でチョコレートを買いたいと思う人が増加するため、人口の変化もシフト要因となります。また、天候の変化については、夏の熱い時期にカキ氷やアイスクリームがより売れるように、天候も需要曲線のシフト要因となります。消費者の所得も上がれば、より多くのモノを購入する余裕ができるため、需要曲線のシフト要因となります。
供給曲線のシフトとは?
次に、供給曲線のシフトについて見ていきたいと思います。供給曲線のシフトとは、以下のように供給曲線が左右どちらかに移動することです。
図;供給曲線のシフト
供給曲線がシフトする要因としては以下のような要因があります。
供給曲線のシフト要因
・製品を作る際の原材料費の変化
・企業の生産技術の変化
例えば、原材料費が安くなった場合、モノを生産する際のコストが安くなります。その結果、これまで参入できなかった企業も参入できるようになり、市場全体の生産量が増加します。そのため、同じ価格でも生産できる企業が増えるため、生産量が増加します。その結果、供給曲線は右にシフトします。
また、企業の生産技術の変化によっても供給曲線はシフトします。例えば、技術水準が上がると、生産する際のコストが安くなります。その結果、原材料費が安くなった場合と同様に、参入する企業が多くなり、市場全体の供給量は増加します。