分かりにくいを分かりやすいに

受験生や塾講師、家庭教師、資格試験を控えた社会人に向けて情報発信を行うサイトです。

Tutoring For EveryOne

元家庭教師で現職公務員による分かりやすさを追求した全ての学ぶ人のためのサイト

【スポンサーリンク】

インフレギャップ・デフレギャップとは?-大学生の視点で理解するマクロ経済学

bestkateikyoshi.hatenablog.com

登場人物

カズ

地域活性ボランティアサークルに所属する大学1年生。経済学部に所属しているが、数学は苦手。

Photo by All Solhouettes / Adapted

先輩

カズと同じ地域活性ボランティアサークルに所属する2つ上の先輩。経済学部に所属している。留学経験があり、外国人の友人も多い。

インフレギャップ・デフレギャップとは?

こんにちは、先輩!あれ、先輩は今何を書いているんですか?

こんにちは、カズ。私は今就活のために企業に提出するES(エントリーシート)を書いているよ。

そうだったんですか。お疲れ様です。やっぱり就活は大変ですか?

うん。結構大変だよ...。最近はデフレ脱却に向けて政府が働きかけているおかげで雇用状況も改善されているから以前に比べれば就活しやすくなっているとは思うんだけど、それでも大変なことには変わりないね...。

そうだったんですか...。僕も就活やりたくないですね...。あれ、今デフレって言いましたけど、デフレって何なのですか?

デフレっていうのは、デフレーションの略で、一般的に物価が下がることを言うよ。

物価と言うのは、財の価格のことですよね。

そうだね。例えば少し前に牛丼一杯の価格がどんどん安くなっていたけど、それも物価が下がるデフレだよね。それじゃあなんで価格が安くなると思う?

えっと、企業が価格を下げるのは、消費者が安い価格を求めているからですか?

そうだね。消費者が安い価格を求めるのは、消費者の数に対して売られるモノが多く余ってしまっているからだよね。基本的にモノが売れないからどんどん物価が下がっていくからデフレになるんだけど、この時同時に失業も発生するよ。

あ、これまでのようにモノが売れなくなってしまうから工場なども閉鎖されてしまって失業が発生してしまうんですね。それでは、デフレの逆ってなんて言うのですか?

デフレの逆は、インフレ(インフレーション)と呼ばれていて、一般的に物価が上昇することを言うよ。インフレ時にはデフレとは異なりモノが足りていない状況だから、より高い価格で買ってくれる消費者に売ろうとするからモノの価格が上がっていくよ。

インフレ時に物価が上昇するということはモノをたくさん生産販売しようとして雇用も改善されるんですね。なんかインフレって良いことばかりですね!経済的にはインフレになればいいってことですか?

確かにある程度のインフレは雇用も改善されて良いこともあるんだけど、あまりにもインフレになりすぎると物価が以上に高くなってしまって、消費者がモノを買えなくなってしまうという状況になってしまうよ。

どうしてモノが買えなくなってしまうのですか?雇用が改善されてみんな給料を得ることができて生活に余裕が出来るんではないですか?

例えばこれまで100万円貯金があった人がいるとするよね。インフレになる前は50kg1万円でお米が購入できたのに、インフレで物価が高くなりすぎてしまった結果50kg10万円になってしまったとすると、100万円の貯金でインフレ前は5,000kg分お米を購入できたのに、インフレによって物価が高くなりすぎてしまうと100万円で500kgしかお米を購入できなくなってしまうよね。

あ、そうすると貯金が多くても生活に困窮してしまう人が出てきますね。だからインフレになりすぎるのは良くないんですね。

そうだね。インフレによって物価が高くなりすぎてしまうことを「ハイパーインフレ」といって最近ではベネズエラで起こっていて社会的な問題になっているよ。

なるほど。インフレになりすぎるのは良くないってことはちょうどいい時はどのように判断するのですか?

デフレ状態が良くない理由は失業が発生しているためだったよね。だから経済学的に丁度いい状態っていうのは、「供給額=需要額」となる失業がない状態(=完全雇用国民所得水準)のことだよ。以前有効需要の原理とは?という記事で、一国の総需要と総供給を分析する45度線分析という分析方法を話したけど、それを用いてデフレにもインフレにもならない丁度良い状態(=完全雇用国民所得水準)を分析出来るよ。

f:id:bestkateikyoushi:20170603114332p:plain

図1;45度線分析

図1の総需要曲線と総供給曲線という2つの直線の交点Y*は均衡国民所得水準と言って、財のやり取りを行う財市場を均衡させるような国民所得のことだったよね。

はい。交点Y*のような均衡国民所得水準が完全雇用国民所得水準になるということですか?

いや、確かに交点Y*は供給額=需要額となる点だから交点Y*のような均衡国民所得水準に収束するんだけど、完全雇用国民所得水準はそうならないことがあって、そのような状態の時が結構厄介だよ。図2を見てみよう。

f:id:bestkateikyoushi:20170604100355j:plain

図2;デフレギャップのあるケース

完全雇用国民所得水準Yfは図2のケースを見ると均衡国民所得水準Y*の右側にあるよね。もし何も対策を講じなかった場合、国民所得はY*となるよ。

総供給(生産額)Y=総需要Ydとなるので、Y*となりますね。

そうそう。でも、均衡国民所得水準Y*は今回の場合完全雇用国民所得水準Yfとはなっていないから、失業が発生してしまっているから、完全雇用国民所得水準Yfのところまで生産量を引き上げてあげたいよね。でもその時、「総供給-総需要=デフレギャップ」が出来てしまうため、完全雇用国民所得水準Yfまで所得水準を上げることができないよね。

そうですね。完全雇用国民所得水準Yfのところでは「総供給≠総需要」なのでまたもとに戻ってしまいます。

だから失業問題を解決するために何をするかというと、均衡国民所得水準Y*を完全雇用国民所得水準Yfと一致するよう政府が需要喚起の政策を行って総需要曲線を上方シフトさせるよ。

図3;デフレギャップの解決方法

総需要曲線Yd=C+I+G(消費額+投資額+政府支出額)となっているから、需要を喚起するということは例えば減税をしたりして国民の消費量Cを増やしたり、企業に補助金を与えることで投資額Iを増価させたり、公共事業を行うことで政府支出Gを増価させたりなど様々な方法があるよ。

なるほど。ではインフレギャップがある状態の時は逆のことを行えばいいのですか?

そうだね。インフレギャップのある状態は図4のような状態のことで、総需要曲線が供給曲線(45度線)の上にある状態のことで、均衡国民所得水準Y*の右側に完全雇用国民所得水準Yfがある状態のことを言うよ。

図4;インフレギャップ

インフレは逆の状態で、均衡国民所得水準Y*の状態でも失業はない状態ではあるのだけれども、完全雇用国民所得水準Yfに対して生産が多すぎるから物価上昇を引き起こしてしまっているためベネズエラのようなハイパーインフレを引き起こしやすい危険な状態だから、物価を下げる必要があるんだったね。

なるほど。だから需要を抑制して、均衡国民所得水準Y*が完全雇用国民所得水準Yfと一致するようにするんですね。

そうだね。需要を抑制する方法としては、総需要曲線Yd=C+I+G(消費額+投資額+政府支出額)となっているから、増税を行って消費量Cや投資Iを減らしたり、公共事業を減らしたりするということが考えられるよ。

デフレだからってただインフレにすればいいのではなく、適正な国民所得水準を見極めて政策を行うのが重要なんですね。

うん。ただ試験的には完全雇用国民所得水準Yfが均衡国民所得水準Y*の右にあるときは「デフレギャップ」、均衡国民所得水準Y*の左にあるときは「インフレギャップ」ということを頭に入れておくことがポイントで、本質的に理解するために需要が供給を上回ったモノが足りない状態をインフレ需要が供給を下回ったモノが余っている状態をデフレと覚えておけば、インフレギャップ・デフレギャップはマスターできるよ!

分かりました!ありがとうございます!

bestkateikyoshi.hatenablog.com

【スポンサーリンク】