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信用創造メカニズムとは?-公務員試験マクロ経済学

あ、先輩、こんにちは!

こんにちは、カズ。あれ、今日はなんか嬉しそうだね。

はい!実は今日、銀行のローンで自動車買いました!

そうだったんだ!よかったね。

はい。でも銀行って僕みたいな人たちにお金をたくさん貸していてすごくお金持ちですよね、銀行ってどれだけお金あるんだろう…。

そうだね、基本的には他の人が預けたお金を基に、違う人や会社にお金を貸すんだけど、それを繰り返すことによって経済全体で貨幣供給量が増えることを、「信用創造」と言うよ。公務員試験のマクロ経済学でもよく出る分野だから、今日は「信用創造」や、それに派生して「マネーサプライ(貨幣供給)」について理解できるようにしよう。

貨幣市場の需要と供給の関係

そもそも、マクロ経済学では、貨幣のやり取りを行う市場を「貨幣市場」と呼んでいます。例えばチョコレートのように通常の財・サービスの売買が「需要と供給」という観点から「財市場」で分析されるように、中央銀行が貨幣を発行して市場に流通させる行為を「需要と供給」によって分析されます。

図;貨幣市場の需要と供給原理

一国内で供給された貨幣の総計を貨幣供給量(マネーサプライ)と言います。ここで注意する必要があるのが、マネーサプライMは「現金通貨C+預金通貨D」の合計(M=C+D)となるということです。というのは、貨幣供給の担い手は銀行ですが、三菱東京UFJ三井住友銀行のような民間の銀行ではなく、一国の貨幣量を管理する中央銀行だからです。そのため、マネーサプライとは「経済全体に出回っている貨幣量」を表しますが、「預金通貨D」も民間銀行と一般の人や会社という市場の中でもやり取りなので、「経済全体に出回っている貨幣量」として銀行の預金も含まれます。

 

他方、貨幣需要とは、「どういった目的で貨幣が必要なのか?」を表しています。貨幣を需要する目的としては大きく2つあります。一つは、「取引目的の貨幣需要」です。これは、財を購入するために必要とする貨幣のことで、生活が豊かになればなるほど(国民所得Yが増加すればするほど)、「取引目的の貨幣需要」も大きくなります。二つ目は、「資産保有目的の貨幣需要」です。これは、貨幣を使って資産運用をする際に、貨幣のままで保有するのか、それとも投資するのかというもので、「資産保有目的の貨幣需要」が高いということは、投資せずに貨幣のままで保有する人が多いということになります。例えば、貸し借りの際に設定される利子率rが高くなれば(低くなれば)なるほど、投資すると収益が大きく(小さく)なるため、「資産保有目的の貨幣需要」は小さく(大きく)なります。

 

 

信用創造とは?

通常、民間の銀行は中央銀行(日本だと日銀)とやり取りしたお金を市場に流通させます。その後、銀行は一般の企業や人々にお金を貸すことで、市場にお金を流通します。この時、企業や一般の人々は、現金として保有したり消費したりしますが、他方で、民間の銀行に預け入れをする人もたくさんいます。民間の銀行は、この預け入れられたお金を基に、企業や一般の人々にお金を貸すことによって、経済全体で見たときに実際の貨幣以上にマネーサプライが増えることを「信用創造」と言います。

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信用創造」メカニズムとは?

例えば、上記のように民間銀行が10億円もっており、企業や一般の人々に貸し出したとするとします。この時、保有しているお金の半分を企業や一般の人々は民間銀行に預けるとすると、5億円は民間銀行に預け入れられます。民間銀行はこの5億円を使って、再度企業や一般の人々に貸し出そうとします。但し、この時、準備預金制度という制度が民間銀行と中央銀行の間で適用されます。準備預金制度とは、預金の一部の金額を日本銀行に預け入れることを義務付ける制度です。この制度があるため、5億円全ては貸し出せないため、上記の例の場合は、預金の20%である1億円を中央銀行に預け入れています。

 

このようにして、民間銀行と一般の人々との貸し借りが続くと、元は10億円だけしかなかったのに、マネーサプライは10億円以上になります。これが「信用創造」となります。

 

 

信用創造」の計算方法は?

信用創造のイメージはつかめたと思います。信用創造は、マクロ経済学的には、民間銀行と一般の人々との貸し借りが無限に続くと想定するため、例えば10億円民間銀行が貸し出しを初めに行ったとすると、経済全体でどれだけマネーサプライが増えるのかを計算するのが難しいと感じるかもしれません。しかし実際には、公式を用いて簡単に計算することができます。

 

まず、信用創造に関する計算問題を解く際に重要になる用語が、マネーサプライのほかにもあります。それが、「ハイパワードマネー」です。「ハイパワードマネー」はHで表され、「中央銀行が直接にコントロールできる貨幣量」を表します。マネーサプライMは「現金通貨C+預金通貨D」の合計(M=C+D)でしたが、ハイパワードマネーHは「現金通貨C+準備金R」の合計(H=C+R)となります。マネーサプライの要素の一つであった「預金通貨D」は、一般の人々が、民間銀行に預け入れようとする主観的な感覚であるため、中央銀行はコントロールできませんが、「現金通貨C」は貨幣の発行主体が中央銀行のため、コントロールできます。また、準備金Rは、中央銀行に民間銀行が預け入れる金額のことなので、預ける金額の割合(利率)を法律によって変更することができるため、コントロールできます。

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信用創造の計算方法1

公務員試験でよく出題される信用創造の計算問題として、中央銀行がコントロールできるハイパワードマネーHが変化すると、どれだけマネーサプライMが変化するかという問題が出てきます。その際、「現金/預金比率」と「準備/預金比率」という用語が出てくることがあります「現金/預金比率」とは、現金通貨Cに対する預金通貨Dの割合のことで、「準備/預金比率」とは、準備金Rに対する預金通貨Dの割合になります。

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信用創造の計算方法2

現金/預金比率」はdで表され、「準備/預金比率」はrで表されます。これらを用いると「貨幣乗数m」を求めることができます。貨幣乗数mとは、マネーサプライMに対するハイパワードマネーHの割合のことで、上記のように変化分の式△にすると、ハイパワードマネーHが変化するとどれだけマネーサプライMが変化するかというのを調べることができるようになります。

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信用創造の計算方法3

例えば、上記のように「現金/預金比率」が0.4、「準備/預金比率」が0.1だとすると、貨幣乗数mは2.8となります。これは、ハイパワードマネーHを1単位(例えば1億円)増加させると、マネーサプライMは2.8(億円)増加することを表します。そのため、ハイパワードマネーHを100億円増加させると、マネーサプライMは280億円増加します。

 

 

マネーサプライを変化させる政策は?

最後に、公務員試験でよくよく出てくるマネーサプライを変化させる政策について紹介していきたいと思います。貨幣供給量(マネーサプライ)を変化させる政策は大きく3つあります。それが以下の『公開市場操作』、『支払準備率操作』、『公定歩合操作』の3つになります。

 

[貨幣供給量(マネーサプライ)を変化させる手段]

公開市場操作

『支払準備率操作』

公定歩合操作』

 

一つ目の『公開市場操作』とは、中央銀行が手持ちの債権・株式を売ったり、市中から買ったりすることで市中に出回る貨幣供給量(マネーサプライ)を増やしたり減らしたりする政策になります。

図3;『公開市場操作』とは

中央銀行が手持ちの債権・株式を売って、市中の貨幣供給量を減らすことを「売りオペレーション(売りオペ)」と言って、中央銀行が債権・株式を市中から買って、市中の貨幣供給量を増やすことを「買いオペレーション(買いオペ)」と言います。「売りオペレーション」は中央銀行が債権・株式を売ることで中央銀行に現金が渡るためマネーサプライが減少して、「買いオペレーション」は中央銀行が債権・株式を買うことで中央銀行が現金を市中に流通させるためマネーサプライが増加します。

 

二つ目の『支払準備率操作』は、「法定準備率」を引き上げたり下げたりすることで、民間の銀行がお客さんに貸し出せる預金通貨量を変化させてマネーサプライを変化させる手段のことです。「法定準備率」を引き上げると中央銀行に預け入れる額も多くなってしまうのでマネーサプライは減少してしまい、「法定準備率」を引き下げると中央銀行に預け入れる額は少なくなるため、マネーサプライは増加します。

 

三つ目の『公定歩合操作』についてですが、まず「公定歩合」とは、市中銀行中央銀行からお金を借りる時の利子率(資金調達コスト)のことで、この利子率を変化させることを『公定歩合操作』と言います。中央銀行から借りる時の利子率を高くする(公定歩合上げ)と市中銀行中央銀行からお金を借りづらくなるため、マネーサプライは減少して、利子率を低くすると(公定歩合下げ)マネーサプライは増加します。

 

以上がマネーサプライを変化させる3つの手段なります。間違えやすいポイントとして中央銀行と市中の民間銀行を混同して、貨幣供給量の範囲が分からなくなってしまうことがあります。中央銀行は貨幣市場の外にいるというイメージを持っておくことが重要になります。

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