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マネーサプライとは?-大学生の視点で理解するマクロ経済学

bestkateikyoshi.hatenablog.com

登場人物

カズ

地域活性ボランティアサークルに所属する大学1年生。経済学部に所属しているが、数学は苦手。

Photo by All Solhouettes / Adapted

先輩

カズと同じ地域活性ボランティアサークルに所属する2つ上の先輩。経済学部に所属している。留学経験があり、外国人の友人も多い。

マネーサプライとは?

あ、先輩、こんにちは...。

こんにちは、カズ。あれ、どうしたの?なんか気分がよさそうな感じだけど。

はい。実は将来返済の必要のない給付型の奨学金に応募していたのですが、その奨学金が受けられるようになったって返事をさっき受け取ってホッとしていました!

そうだったんだ。働き始めたときに返済の必要ない奨学金を受けられるようになると有り難いね。

はい。ニュースとかで卒業後奨学金を返すことが出来ない人がいるってニュースを見たことがあったので少し心配だったのですが、給付型奨学金を受けられるようになってホッとしています。それにしても銀行とかのローンとかもそうですが、お金を貸しても返さない人も一定数いるのに、よく銀行とかは経営が成り立っていますね。

確かに何か問題があって返せなくなる人や会社もあると思うけど、銀行はそういった返済できない人達も一定数いると加味して利息を設定したりしているから、問題ないわけではないけど経営は成り立っているんだと思うよ。

そうですね。それにしても銀行ってすごいですよね。口座に入れてもらってたくさんお金を預かっているにしても、多くの人にお金を貸し出していますよね。それだけお金を口座に入れてもらったり、貸し付けた人からの利息を受け取っているということですか?

えーっと、確かに預けてもらったお金を基に他の人に貸し付けたりするんだけど、銀行って実はその銀行自身が持っている金額以上のお金を貸し付けることが出来るよ。これを「信用創造」と言うよ。

??銀行が持っている以上のお金を貸すことが出来るんですか?どういうことですか?

例えば、銀行が1億円カズに貸し付けたいとするよね。その時に銀行は実際に1億円現金を持っていなくても、カズの預金通帳の残高を1億円増やしてあげるだけでいいよね。つまり、銀行自体は現金を持っていなくても1億円を貸し付けることができるね。このように預金通貨を作り出すメカニズムを「信用創造」というよ。

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図1;「信用創造」メカニズムとは?

なるほど。あれ、そういえば以前LM曲線について学んだ際に貨幣市場というお金自体のやり取りを行う市場について話してくれましたよね。この「信用創造」で生み出されたお金って一国内の貨幣供給量(=マネーサプライ)に含まれるのですか?もし含むとしたら政府でもない民間銀行が自由に貨幣供給量を増やしたり減らしたりできてしまって危険ではないのですか?

この信用創造」で生み出されたお金も貨幣供給量(=マネーサプライ)に含まれるよ。マネーサプライというのは、一国内に流通しているお金の総額のことだったよね。以前貨幣市場における貨幣需要と貨幣供給について話したときに、図2の1枚目のスライドにあるように、一国内における貨幣の供給量は、『貨幣供給量(マネーサプライ)=市中の現金流通量+預金通貨』(M=C+D)となるんだったよね。この預金通貨が、さっきの「信用創造」で生み出されたお金のことだよ。

図2;貨幣市場の需要と供給原理

例えば、今現金自体が10億円(市中の現金流通量)一国内に出回っているとするよね。その時に銀行はお客さんにお金を貸し出してお客さんの通帳の残高に20億円分(預金通貨)あるとするよね。この時のマネーサプライはいくらになる?

マネーサプライは市中の現金流通量と預金通貨を足し合わせたものなので、30億円となります。

そうだね。ただ、さっきカズも言ってくれたけど、政府じゃなくて民間の銀行が際限なく預金通貨を増やすことが出来てしまったら、民間銀行によってマネーサプライがコントロールされてしまうよね。

はい。例えば10億円しか銀行は持っていないのに、もし1000億分貸し付けたりして、借りたお客さんが100億円分現金にしようとしたら現金を引き出せなくなってしまったりなど問題が発生します。

うん。そうだね。だから民間銀行が際限なくマネーサプライを増やすことを出来なくするために、法律によってどこまでしか預金通貨を作ってはいけないという規制がされているよ。その規制のことを「法定準備制度」と言うよ。この法律は、銀行は口座残高の一定の割合を必ず現金で中央銀行(日銀)に保証金として預け入れなければならないというものだよ。

なるほど...。口座残高の一定の割合を中央銀行に預け入れさせるようにすれば、貸し付けたいお客さんの口座残高を増やす都度現金で中央銀行に保証金として預けなくちゃいけないから現金が全くない銀行は際限なく貸し付けたりできなくなるってことですね。

そうそう。日銀のHPを見るとそれぞれの銀行などにおける「法定準備率」が設定されていて、どれくらい保証金として預ける必要があるかパーセントが書いてあるけど、「法定準備率」の細かい数字自体は試験などで出題されないから細かく覚える必要はないよ。

分かりました!「法定準備制度」があれば、政府が貨幣供給量(マネーサプライ)をコントロールできるということですね。

うん。「法定準備制度」があることによって、一国内の貨幣供給量(マネーサプライ)を一定に保つことが出来るよ。

なるほど。それじゃあ、貨幣供給量(マネーサプライ)を増やしたり減らしたりしたいときってどうすれば変化するのですか?

貨幣供給量(マネーサプライ)を変化させる政策は大きく3つあるよ。それが以下の『公開市場操作』、『支払準備率操作』、『公定歩合操作』の3つだよ。

[貨幣供給量(マネーサプライ)を変化させる手段]
公開市場操作
『支払準備率操作』
公定歩合操作』

一つ目の『公開市場操作』とは、中央銀行が手持ちの債権・株式を売ったり、市中から買ったりすることで市中に出回る貨幣供給量(マネーサプライ)を増やしたり減らしたりする政策だよ。

図3;『公開市場操作』とは

中央銀行が手持ちの債権・株式を売って、市中の貨幣供給量を減らすことを「売りオペレーション(売りオペ)」と言って、中央銀行が債権・株式を支柱から買って、市中の貨幣供給量を増やすことを「買いオペレーション(買いオペ)」と言うよ。

「売りオペレーション」は中央銀行が債権・株式を売ることで中央銀行に現金が渡るからマネーサプライが減少して、「買いオペレーション」は中央銀行が債権・株式を買うことで中央銀行が現金を市中に流通させるからマネーサプライが増加するんですね。

そうだね。二つ目の『支払準備率操作』は先ほど話した「法定準備率」を引き上げたり下げたりすることで、民間の銀行がお客さんに貸し出せる預金通貨量を変化させてマネーサプライを変化させる手段だよ。

「法定準備率」を引き上げると中央銀行に預け入れる額も多くなってしまうのでマネーサプライは減少してしまい、「法定準備率」を引き下げると中央銀行に預け入れる額は少なくなるのでマネーサプライは増加するってことですね。

そうそう。最後に『公定歩合操作』なんだけど、「公定歩合」とは、市中銀行中央銀行からお金を借りる時の利子率(資金調達コスト)のことで、この利子率を変化させることを『公定歩合操作』と言うよ。

中央銀行から借りる時の利子率を高くする(公定歩合上げ)と市中銀行中央銀行からお金を借りづらくなるのでマネーサプライは減少して、利子率を低くすると(公定歩合下げ)マネーサプライは増加するってことですね。

そうだね。以上がマネーサプライを変化させる3つの手段なのだけど、間違えやすいポイントとして中央銀行と市中の民間銀行を混同して、貨幣供給量の範囲が分からなくなってしまうことがあるから、中央銀行は貨幣市場の外にいるというイメージを持っておくことが重要になるかな!

なるほど。よく分かりました!ありがとうございます!

bestkateikyoshi.hatenablog.com

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