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IS-LM分析とは?-大学生の視点で理解するマクロ経済学

bestkateikyoshi.hatenablog.com

登場人物

カズ

地域活性ボランティアサークルに所属する大学1年生。経済学部に所属しているが、数学は苦手。

Photo by All Solhouettes / Adapted

先輩

カズと同じ地域活性ボランティアサークルに所属する2つ上の先輩。経済学部に所属している。留学経験があり、外国人の友人も多い。

IS-LM分析とは?

先輩、こんにちは!この間はサークルの打ち合わせを欠席してましたけど、最近は忙しいんですか?

こんにちは、カズ。申し訳ない、サークルの方も今度のイベントの準備に忙しいのに行けなくて...。最近は就活中で忙しくて...。

そうだったんですか。お疲れ様です。就活はどうですか?政府も積極的に公共投資をして景気も良くなっているっていうニュースを聞いたのですが。

確かに少し景気は良くなったって話は聞くけど、思った以上に景気は上向いてない感じだよね。政府が公共投資をしたことによって利子率も上がってしまったから企業の投資量が減ってしまうという「クラウディング・アウト」が起こってしまったから想定されたよりは国民所得が伸びていないからね。

ええっと、「クラウディング・アウト」ですか?なんか難しそうな用語が出てきましたね...。

そうだね(笑)。私もはじめはよく分からなかったよ。でも、この間「IS曲線」と「LM曲線」についてそれぞれ話したよね。その時、マクロ経済学では財市場と貨幣市場の2つの関係をIS曲線とLM曲線という2つの曲線を用いるということを話したよね。

はい。

そして、財市場と貨幣市場で国民所得の増加を考える際に不可欠なモノが銀行からの貸し借りの際に発生する利子率で、この利子率と国民所得との関係を基にIS曲線とLM曲線を導出するって話をしたよね。

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図1;財市場と貨幣市場

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図2;IS曲線

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図3;LM曲線

マクロ経済学ではこれらIS曲線とLM曲線を用いて、利子率と国民所得がどの様に均衡するか、さらに貨幣供給量(マネーサプライ)を変化させたり財政出動などを行うことでどの様に国民所得、利子率が変化するかを分析することが出来るよ。これをIS-LM分析と呼ぶよ。

IS-LM分析ですか?難しそうなテーマですね...。

名前は難しそうだよね。でもIS-LM分析は公務員試験など資格試験でも頻出の範囲だし、IS-LM分析はパターンを覚えて考え方を理解すれば安定して点数を取れるようになれるからぜひ覚えておこう!

分かりました!

まずIS-LM分析の基本形は図4のようになるよ。一国内における財市場と貨幣市場で同時に利子率と国民所得が均衡するのが点A、つまり利子率1%、国民所得100億円の時になるよ。

図4;IS-LM分析

なるほど。IS曲線とLM曲線の交点で均衡するのですね。今の状態から例えば利子率が上がったり下がったりしても元の均衡点A(利子率1%、国民所得100億円)に戻ってしまうということですね。それじゃあ、政府はどうやって国民所得を上げたりするのですか?

国民所得を上げるためには図4のスライド2枚目、3枚目のようにIS曲線(IS曲線のシフト)やLM曲線(LM曲線のシフト)自体を右にシフトさせて均衡点Aを右側にシフトさせる政策が必要になってくるよ。

なるほど。

財政政策とは政府が財政支出(政府支出G)を増加させて国民所得を増加させるような政策のことを言うよ。もう一つの金融政策とは、貨幣供給量(マネーサプライ)を変化させる政策のことで、マネーサプライを変化させる方法として試験などでは大きく3つの手段、公開市場操作、支払準備率操作、公定歩合操作の3つがあるって話をしたよね。

はい。

IS-LM分析では国民所得を増大させる手段として2つ、財政政策金融政策の2つがあることをまずはしっかり理解しておこう。

はい!これだけですか?結構簡単ですね!(笑)

基本はここまでなんだけど、IS-LM分析ではもう少し覚えることがあるよ。

そうなんですか...。キツイですね。

まぁ1つずつ理解していこう。まず、さっき「クラウディング・アウト」ということについて話したけど、「クラウディング・アウト」は、財政政策を行う際に起こり得る作用のことだよ。

図5;クラウディング・アウトとは

もし利子率が変化しないとしたら、250億円まで国民所得が伸びるはずだったのに、LM曲線とIS曲線が均衡するから120億円までしか国民所得は伸びなくなってしまうよね。

グラフ上では120億円になるのは分かりましたが、なんで120億円までしか伸びないのですか?国民所得が250億円になるように政府は政府支出Gを投入しているんですよね?

それは、政府支出が増加すると国民所得も増加するけど、その分利子率も増加してしまうから、企業はお金を借りづらくなるよね。そうなると、投資Iが減ってしまうから120億円までしか国民所得が伸びなくなってしまうよ。

図6;ISバランス式

図6にIS曲線について整理してあるから、なんで利子率が上昇すると投資Iは減少するのかはしっかり思い出そう。もちろん、政府支出自体は増えているから国民所得が伸びてはいるけど、本来なら国民所得が250億円になるのに利子率が上昇したから120億円になってしまっているっていうことだから、なんで国民所得が100億円から減少していないのかっていうのは勘違いしないようにね。

なるほど。そうなると財政政策は国民所得が増加させようとするためにIS曲線を右にシフトさせて利子率が上昇するので、クラウディング・アウトがいつも起こりますよね?そうなると、財政政策じゃなくて金融政策を行った方がいいってことですか?

金融政策の方が利子率も下がって企業の投資も促進されて国民所得が増加するから良いように感じるよね。もちろん、貨幣供給量(マネーサプライ)を無計画に多くしてしまうと物価上昇してしまってベネズエラのようにハイパーインフレを起こす可能性があるから良くないんだけど、ある程度であれば良いとされているよ。

そうなんですね。じゃあ、マネーサプライを増加させれば基本的にはいつでも国民所得が増加して効果的ってことですか?

ここがそうは簡単にはいかないところなんだよね(笑)。マネーサプライを増加させる金融政策を行っても(LM曲線を右シフト)、国民所得が増加しないことがあって、覚えておくべきパターンは①投資が利子率に対して非弾力的なケースと②流動性の罠があるケースがあるよ。

なんか難しそうですね...。

そうだね。でもしっかりと理解しておく必要があるからグラフを見ながら理解できるようにしよう。まず一つ目の投資が利子率に対して非弾力的なケースというのは、利子率が下がっても企業の投資が増えない、つまり国民所得が増えないケースを言うよ。

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図7;投資が利子率に対して非弾力的なケース

これは現実の世界では結構あり得るパターンで、現実でも貨幣供給量(マネーサプライ)を増加させて利子率が下がっても企業の投資が増えなくて国民所得が増加しないっていうことがあるよね。

なるほど。やっぱり現実の経済って難しいですね。

そうだね。次の流動性の罠もLM曲線を右シフトさせても国民所得が増加しないケースなのだけれども、流動性の罠のケースは図8のようにLM曲線に水平な部分があるケースのことを言うよ。

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図8;流動性の罠

流動性の罠のケースになるのは、マネーサプライが増加しても人々が最低利子率を予想していて固定されてしまっているためにLM曲線が水平になってしまっているよ。

なるほど。IS曲線が垂直になってしまっているケースと、LM曲線が水平になってしまっているケースの時には金融政策の効果がないんですね。

そうそう。そういった時には財政政策は有効になるから、現実世界ではどちらが効果的かを分析しながら政策を行うことが重要になってくるよ。

なるほど。IS-LM分析では、2つの政策のパターンと、それぞれの政策が効果を発揮する状況かどうかパターンを見極めながら問題を解いていくことが重要になってくるんですね。勉強になりました!ありがとうございます!

bestkateikyoshi.hatenablog.com

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