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為替レート決定理論って?-公務員試験マクロ経済学

こんにちは!先輩!ちょっと質問したいことがあるのですが時間ありますか…。

こんにちは、カズ。大丈夫だよ!どうしたの?

ありがとうございます。最近金欠なので、FXを始めたのですが、為替レートとかよくわからない言葉が出てきて、経済学に詳しい先輩なら詳しいかなと…。

金欠だからって何も知らずにFXとか始めるのは逆にお金なくなりそうな気がするけど(笑)。FXのことはあまり分からないけど、為替レートとか、経済学的にどのように為替レートが決定されるのか為替レート決定理論について知っていこう!

為替レートとは?

為替レートとは「自国通貨と外国通貨の交換比率」のことです。ニュースや新聞などで「1ドル=110円」といった言葉を聞いたことがあると思いますが、外国通貨を日本円でいくらで交換できるかというレートのことになります。通常、為替レートは自国通貨で表され、1ドル=e円のeの部分です(つまり、1ドル=110円の場合、為替レートはe=110円となります。

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為替レートとは?

もちろん、ドルだけではなく、1ユーロ=120円といったように、他の外国通貨の時も為替レートです。時々、「為替相場」という言葉が使われますが、「為替レート」と意味は同じです。難しそうな用語ではありますが、皆さんが海外旅行に行く際に、事前に日本円から外国通貨に交換する際も、為替レートを見ることになります。このように、とっつきにくい言葉ではありますが、為替レートとは身近にある言葉になります。

 

 

円高・円安って?

為替レートと同じくらいよく聞く用語として、円高・円安という言葉があると思います。日常でよく耳にする言葉ではありますが、なかなか頭では理解できていない言葉のことが多いと思います。

 

そもそも、円高・円安とは日本円から見た視点になります。例えば、何らかの経済環境の変化によって「1ドル=110円」だった為替レートが、「1ドル=100円」になったとすると、これは「円高」となります。「円高」は経済学的には「自国通貨の増価」とも言われます。

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円高・円安って?

上記のように、円高(自国通貨の増価)とは日本円が1ドルに対して110円から100円になっており、減っている(安くなっている)ように見えるため、「円安/減価」と勘違いしてしまうことがあります。

 

しかし、円高・円安を見分けるポイントは「1ドルに対する円の価値は高くなったのか/低くなったのか」という点です。ここで言う価値が高くなったとは、「日本円で1ドルを交換する際にどれだけ少ない日本円の出費を抑えられるようになったか」を表します。上記のように「1ドル=110円」の時は1ドルを得るために110円使う必要があったのに、「1ドル=100円」になると1ドル得るために100円の支出だけで良くなります。これが「円の価値が高くなった、即ち円高(自国通貨の増価)」ということになります。

 

逆に「1ドル=110円」が為替レートの変化により「1ドル=120円」となった場合、1ドルを得るために今までは110円で良かったのに、変化後は120円必要になることを「円の価値が低くなった、即ち円安(自国通貨の減価)」と言います。

 

 

為替レート決定理論って?

それでは、為替レートはどのように決定するのか?実際、経済学的には様々な為替レート決定理論があり、教科書などで取り上げられるのは「短期・中期・長期」の期間の長さに分けて、為替レートがどのように決定されるのかを説明したりします。今回は、それぞれの期間に分けて、説明していきたいと思います!

 

 

ケインズ美人投票の原理-短期為替レート決定理論

短期為替レート決定理論で代表的なものが、「ケインズ美人投票の原理」です。「美人投票の原理」とは、「所得や物価水準、利子率など基礎的な要因とは独立して投資家の気まぐれな見解によって短期の為替レートは決定する」という考え方になります。つまり、規則性はなく、不安定な変化をするため、ここでは原理と書いてありますが、「こうなれば為替レートは必ず上昇する!」といった理論はないということになります。

 

美人投票」については下記のサイトなどに説明があるので、詳しくはそちらを見てもらえればと思いますが、短期においては、要するに「絶対にこう変化するという理論はないよ」という意味になります。

imidas.jp

 

短期における為替レート決定理論は公務員試験などにはあまり出ないので、用語と意味を覚えておけば十分です。

 

 

金利平価説-中期における為替レート決定理論

次に紹介するのは、中期における為替レート決定理論である、「金利平価説」です。「金利平価説」とは、「二国間の債権の利子裁定によって資本移動が生じることから為替レートの変動を説明する理論」になります。

 

公務員試験などで経済学を選択する場合、経済学を専攻してきた学生でも難しく感じることが多いのが、「金利平価説」だと思います。計算のプロセスを理解してしまえば何てことないのですが、計算が他の為替レート決定理論と比べると多いため、難しく感じるようです。

 

金利平価説の内容を簡単に説明すると、二国間でそれぞれ債券に投資した時、為替レートの変化率(一定期間の間にどれだけ為替レートが変化したか)は、自国と外国の利子率の差に等しくなるというという考え方です。これをもっと簡潔に言うと、「為替レートの期待変化率」は「内外金利格差」に等しくなるということになります。

 

まず、以下のような前提を立てます。

・国内債券市場(日本円)か外国債券市場(アメリカドル)で自由に投資を行うことのできる投資家がいるとする。

・投資家は1円を国内債券市場か、外国債券市場に投資を行う

・円ドル交換に際した費用は発生しないとする

・国内債券の利子率(ここでは収益率)をi、外国債券の利子率をi*とする

・現在と将来の2期に分け、現在の為替レートをe、将来の期待為替レートをEとする

 

要は、投資家は為替レートを考慮に入れつつ、持っている日本円を使って投資を行い、将来日本円に戻して資産にしたときに、どちらの市場に投資を行うのが得かを考えたときに、最終的に「為替レートの期待変化率」は「内外金利格差」が等しくなるという考え方です。

 

言葉だけだとわかりにくいと思うので、実際に図を見て考えてみましょう。

図;金利平価説

投資家は元本1円を元手に、国内債券か外国債券のどちらに投資するか検討します。ここで、国内債券に投資した場合、将来利子率分増えるとすると、(1+i)円保有できることになります。

 

他方、外国債券に投資するとすると、まず1円をドルに交換しなければなりません。現在の為替レートが1ドル=e円だとすると、1円はドルにしたときに1/eドルとなります。これを外国債券の投資に使うと、将来(1+i*)/eドル保有できることになります。但し、円とドルではどちらが収益が大きいか分からないので、予想の為替レート(期待為替レート)Eを基に日本円に戻して比較しようとします。それが(1+i*)E/e円です。

 

この時、(1+i)>(1+i*)E/eであれば国内債券で運用した方がお得なので、国内債券で運用しようとします。他方、(1+i)<(1+i*)E/eの場合は、外国債券に投資した方がお得なので、外国債券に投資します。

 

ここまでは、投資家が一人だった場合の債券取引になります。ここで、同じ様な投資家が無数にいると考えた場合、どのようなことになるでしょうか?例えば、(1+i)>(1+i*)E/eの場合、即ち国内債券の方がお得な場合で考えてみましょう。

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投資家が無数に存在する場合

国内債券の方がお得な場合、全ての投資家は国内債券で運用するようになります。一人が運用する場合は、利子率などに影響は与えませんが、より多くの人が参加すると債券価格や利子率にも影響を与えるようになります。

 

国内債券が欲しい人が増えると、需要が高まるため、国内債券価格が上昇します。すると利子率は債券価格と逆向きの動きをするので(※1)、利子率は下がります。すると、(1+i)円が下落していきます。この下落が続いていき、(1+i)=(1+i*)E/eとなるところで均衡します。というのも、均衡した時、国内債券でも外国債券でも運用したらどちらでも同じなので、人気が拮抗するためです。この時、これ以上国内債券に人気が集中することはないので、均衡します。

 

※1;「債券価格=収益率/利子率」が成り立つとする

 

そして、金利平価説はこの均衡状態を前提にして話が始まります。f:id:bestkateikyoushi:20190714162743p:plain

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上記のように、計算していくと最終的に初めに話した為替レートの期待変化率と内外金利格差が等しくなります。これが金利平価説の計算になります。

 

最後に、金利平価説を使って、利子率などの変化によって現在の為替レートがどのように変化するか見ていきたいと思います。

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金利平価説による現在の為替レートの変化

上記のようにe=の式に変形すると、他の変数の変化によって現在の為替レートがどのような変化をするか見えてくると思います。為替レートの変化は感覚的にはわかりにくいですが、公務員試験などでは利子率などの上昇により現在の為替レートはどのように変化するか問われることがあります。ぜひこの式を作れるように自分で手を動かして計算練習して覚えてください!

 

 

購買力平価説-長期における為替レート決定理論

最後に紹介するのは、長期における為替レート決定理論になります。特にここでは、「購買力平価説」というのを紹介していきたいと思います!

 

購買力平価説」とは、「貿易財について国際的な一物一価の法則が成り立つという仮説を基礎とする為替レート決定理論」のことです。

 

ここで色々と難しい言葉が出てきましたが、まず「貿易財」とは、貿易できる財のことになります。例えば、自動車やチョコレート、木材など輸出入できる財になります。「貿易財」の反対は、「非貿易財」と言い、貿易できない財のことになります。例えば、住宅や土地などは非貿易財の一種です。

 

一物一価の法則とは?

また、「一物一価の法則」とは、自由な貿易が成り立つとした場合、ある財の価格は均等化されるという考え方です。自動車を例にとって考えてみましょう。自由な貿易が成り立つ以前はそれぞれの国内市場で自国における価格で販売されているとします。例えば、日本では1台=100万円、アメリカでは1台=11,000ドルで販売されていたとします。

 

今、両国で自由貿易が開始されたとすると、為替レートは1ドル=100円で一定の下で、日本で自動車を1台購入してそれをアメリカで転売する方が、1,000ドル分利益が出るため儲けることができます(ここでは関税、輸送コストは考慮しないとする)。このように利益が出るため、多くの人が同じように日本からアメリカへ貿易をするようになります。

 

しかし、同じ様なことをする人が多くなればなるほど、1台=11,000ドルでは競合が多くなるため、10,950ドルといった形で他の販売者と差別化を図るようになります。そのような状態が続くことで、最終的に1台=10,000ドルで均等します。これが「一物一価の法則」になります。

 

もちろん、前述したように関税や輸送コストなど現実には複合的な要素が貿易には絡まってくるため、現実に成り立っているかと言えば難しいトピックではありますが、購買力平価説は一物一価の法則が成り立っている前提で話しているだけなので、経済学の基礎学習段階では、そういうものだと割り切って覚えていくといいと思います!

 

絶対的購買力平価説とは?

では、為替レート決定理論の本題に入りますが、購買力平価説は大きく分けて2つの考え方があります。その一つ目が、「絶対的購買力平価説」になります。「絶対的購買力平価説」とは、「為替レートは貿易財の価格を均等化するように決定する」という考え方で、自動車などの貿易財によって為替レートが決まるという考え方です。

 

例えば、先ほどの自動車の例だと、1台の自動車に対して日本円にすると100万円ですが、アメリカドルだと11,000ドルでしたが、自動車という貿易財を通じて日本円とアメリカドルの価値が等しくなるように為替レートが決定されるため、為替レートは1ドル=90.90…円となります。

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絶対的購買力平価説

 

相対的購買力平価説とは?

絶対的購買力平価説に対して、相対的購買力平価説という考え方もあります。相対的購買力平価説とは、「為替レートは二国間のインフレ格差を打ち消すように変化する」という考え方です。インフレ(インフレーション)とは「物価水準の継続的な上昇」のことで、変化率の指揮を使って表されます。絶対的購買力平価説のパートで出てきた式を変化率の式に表すと、以下のようになります。

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相対的購買力平価説

理解するのはなかなか大変かもしれませんが、例えばあるチョコレート1個が日本だと100円で、アメリカだと1ドルだったのが、日本はある期間の間に400円に上昇し、アメリカでは2ドルになった場合、日本における物価上昇率は4倍、アメリカにおける物価上昇率は2倍になります。この時、相対的購買力平価説の式に当てはめると、為替レートの変化率は、4―2で2倍になります。

 

もし当初の為替レートが1ドル=100円だとしたら、為替レートの変化率は2倍になったので、1ドル=200円となります。

 

 

最後に

いかがでしたでしょうか?為替レート決定理論は多くの受験生にとって分かりにくい部分だと思います。ただ、よく出題される部分でもあるので、図を見ながら計算式をイメージしたりすることが重要になってくると思います!

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