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ミクロ経済学の独占市場って?-公務員試験ミクロ経済学

あ、先輩、こんにちは...。

こんにちは、カズ。何だか疲れ気味だね、どうしたの?

はい…。最近またタバコの値段が上がったので、今は禁煙中です。

そうだったんだ、大変だね。

そうですよ!でもタバコの値段ってどんどん上がってますけど、これってタバコ企業が搾取ですよ!どんどん高く自分たちでできますし。

まぁ、タバコは健康問題もあるから独占になるのはある程度仕方ないよ。それに経済学では1社が市場を独占しているとき、売り手である企業が価格に影響力を持つけど、それでも自由に高くで きるというわけではなくて、ミクロ経済学では独占市場における財の価格と生産量の決まり方にもルールがあるんだよ。

そうなんですか?

そうそう。公務員試験でもよく出てくる範囲だから、今日は市場に売り手が1社しかいない純粋独占市場における価格と生産量の決まり方について理解できるようにしよう!

(純粋)独占市場とは?

まず、「(純粋)独占市場」とは、「不完全競争市場」における企業が1社しかいない状態のことを言います。ミクロ経済学で市場(しじょう)は大きく2つに分類され、それが「完全競争市場」と「不完全競争市場」となります。「完全競争市場」とは以下の5つの条件すべてが当てはまることを言い、逆に1つでも欠けていると「不完全競争市場」となります。

完全競争市場の条件

1.売り手と買い手が多数存在する
2.売り手も買い手も価格受容者(プライステイカー)である
3.市場で売買される財が同質である
4.情報の非対称性がない
5.市場への参入退出が自由である

また、「(純粋)独占市場」の「純粋」とカッコ書きしましたが、「(純粋)独占市場」とは、市場において売り手である企業が1社しかいない完全な独占状態である市場のことを言います。この時独占企業は他の企業のことを考える必要なく、自分たちで財の価格を決めることができます。

bestkateikyoshi.hatenablog.com

 

 

完全競争市場と不完全競争市場における利潤最大化条件の違いは?

完全競争市場と不完全競争市場では、企業の利潤最大化条件が異なります。まず、完全競争市場においては、利潤最大化条件は「P=MC(財の価格=限界費用)」となります。また、完全競争市場では「P=MR(価格=限界収入)」のため、「MR=MC(限界収入=限界費用)」でもあります。

図:完全競争市場における最適生産量 

 

他方、不完全競争市場での利潤最大化条件は、「MR=MC(限界収入=限界費用)」となりますが、「P=MC」とはなりません。これはなぜかというと、独占企業は「限界収入MR=限界費用MC」より最適生産量を決定した後、市場の需要曲線DDに基づいて独占企業が価格を決定するためです。

図:純粋独占市場(不完全競争市場) 

例えば、タバコの独占市場が上のグラフのようであるとしたとき、まず「MR=MC(限界収入=限界費用)」となる生産量は、タバコ100箱の時となります。この時、完全競争市場では価格は「MR=MC(限界収入=限界費用)」となる1箱200円となりますが、独占市場ではスライド2のように、需要曲線に基づいて生産量100箱の時は1箱の価格は400円となります。

 

なぜ需要曲線に基づいて価格を決定するかというと、そもそも需要曲線は「ある価格の時に市場で取引される個数の組み合わせの集合体」のことを言い、「ある生産量の時に消費者がいくらで買ってもいいか」という価格の評価額を表しているからです。例えば、上記の需要曲線を見ると、市場にタバコの100箱が出回っているとき、消費者は1箱400円出してもいいと評価しています。企業は「限界収入MR=限界費用MC」より1箱200円で販売できますが、消費者がもっと高くで買ってくれるため、400円で販売することとし、400円×100箱=40,000円が売上となります。

 

 

独占企業の費用は?

次に費用について見ていきたいと思います。企業の総費用は平均費用AC×生産量で求めることができ、独占市場でも同様にして求めることができます。

図:純粋独占市場(不完全競争市場)

上記の図を見ると、生産量100箱の時の1箱あたりの費用は300円になるため、総費用は300円×100箱=30,000円となります。今回のケースだと総売り上げは400円×100箱=40,000円だったので、利潤は総費用300円×100箱=30,000円を引いた10,000円となります。

*今回は説明しませんが、利潤は生産者余剰とは異なるので注意が必要です。

 

 

完全競争市場と不完全競争市場の限界収入曲線MRの傾きの違い

ここまで見てもらうと、完全競争市場では限界収入曲線MRは水平の直線だったのに、不完全競争市場では右下がりの曲線になっているという違いに気付いた方もいるかもしれません。

 

これは。完全競争市場であればたくさん売り手が存在するから、生産量を増やしても価格は同じままだと仮定しているから限界収入曲線MRが水平な直線になるのに対し、独占市場では企業が一社しかなく、その企業が生産量を一つ増やすと価格にも影響を及ぼすから右下がりの曲線になるからです。

 

 

最後に

独占市場を理解するのは初学者にとっては難しいと思いますが、公務員試験ではよく出題される範囲になります。かなり重要なのでぜひマスターしてください!

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