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費用逓減産業-公務員試験のためのミクロ経済学

bestkateikyoshi.hatenablog.com

登場人物

カズ

地域活性ボランティアサークルに所属する大学1年生。経済学部に所属しているが、数学は苦手。

Photo by All Solhouettes / Adapted

先輩

カズと同じ地域活性ボランティアサークルに所属する2つ上の先輩。経済学部に所属している。留学経験があり、外国人の友人も多い。

費用逓減産業とは?

先輩、今何を見ているんですか?

あ、こんにちは、カズ。今見ているのは来年の就活に備えて興味のある業界について載ってる参考書的なものを読んでいるよ。

そんなのあるんですね。ちなみに今見ているのはどの業界の本ですか?

今見ている業界は、鉄道とかのインフラ業界だよ。インフラ系も少し興味があるからね。

そうなんですか。あれ、鉄道で思い出したのですがそういえば以前、平均費用(AC),平均可変費用(AVC)について話してくださったときに、レストランが何か料理を作るときに、料理の販売量をできる限り多く使用としても1人当たりの料理を作れる数量も限りがあるけど、スタッフの人数を多くしてもキッチンの大きさに限界があってコストを多く書けても料理の販売量の伸びが小さくなってしまうというU字の平均費用曲線についてやりましたよね?

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図1;平均費用曲線(AC)

偉い(笑)。よく覚えてたね!

ありがとうございます(笑)。ただ、今疑問に思ったのは、鉄道とかって乗客が増えれば増えるほど、売り上げがアップするってことは、乗客1人当たりのコストも分散されてどんどん低くなりますよね。こういうときは図1のようなU字型の平均費用曲線にはなりませんよね?

おぉ、いいところに気が付いたね!実はカズの言った通りで、図1のようなU字型の平均費用曲線ではなくて、たくさん生産(/販売)すればするほど、1個当たりのコストが安くなる産業を「費用逓減産業」(ひようていげんさんぎょう)と言うよ。ちなみにさっき言った鉄道もそうだけど、その他には水道ガス携帯電話事業などが「費用逓減産業」として分類されるよ。

「費用逓減産業」の「逓減(ていげん)」って何なんですか?はじめて聞きました...。

「逓減」というのは、徐々に減少することだよ。グラフで実際に見てみると、右斜め下に下がる直線ではなくて、カーブしながら右斜め下に緩やかに下がる図2のような曲線の下がり方をいうよ。図1では曲線だったのに、図2は違うよね。

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図2;「逓減(ていげん)」とは?

「費用逓減産業」は一般的に初期費用が高い産業に多く、新しい企業が市場に参入しにくいため不完全競争市場になることが多いよ。そのため、政府が介入して適切な価格と生産量にする必要があるのだけれども、今回は「費用逓減産業」における市場の失敗のメカニズムについてみてみようか!

ありがとうございます。

はじめに費用逓減産業についてだけど、鉄道などの産業って一般的に初期投資が高いよね。

そうですね。線路を敷設したり電車を発注したり、駅を建設したりでかなり初期費用は高いです。

そうそう。そうなると、もしある鉄道会社がすでに地域に線路を敷設して営業を開始していた場合、ほかの企業が鉄道産業に新規参入するのってそんなに大変じゃないと思う?それとも難しいと思う?

元々鉄道会社がいるところに新規参入するのは難しいですよね。だって初期費用が高いので、初めから採算を取ろうとしてもコストが高くなってしまうので、切符代とか安くするのは難しいです。

そうだね。つまり一般的に「費用逓減産業」では、新規参入障壁が高いため不完全競争市場になりやすいという問題があるんだ。また、「費用逓減産業」に分類される産業には鉄道や水道、ガスと言った公共性の高い産業があるにも関わらず、市場に任せてしまうと過少供給になることがあるとされているんだ。これが「費用逓減産業」で起こる市場の失敗だよ。

なるほど。では実際にグラフで見てみるとどうなるのですか?

それじゃあ実際にグラフで見ながら、市場に任せてしまうと最適な生産量より過少供給になってしまうことを見てみよう。

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図3;費用逓減産業

費用逓減産業はさっきも話したように不完全競争市場だからつまり、生産量は「MR=MC」(限界収入曲線と限界費用曲線の交点)で決まって、価格はこの時の生産量の時の需要曲線上を見て判断するんだったよね。

図3を例にすると、生産量が50万Lで価格は1L当たり300円になるのが企業にとっての利潤最大化になるってことですよね。

そうそう。ただ、費用逓減産業にはガスや水道と言った人々の生活には欠かせない財が含まれているから、価格が高くて過少供給になってしまったら、あまり裕福でない人にとっては厳しいよね。だから政府が介入して供給量を増やして価格を下げることで多くの人に財が行き渡るようにするんだ。

なるほど。それじゃあ政府が介入した場合、生産量と価格はどの様になるのですか?

政府が介入したときの生産量と価格の変化には2つの考え方があるよ。1つ目が「平均費用価格形成」と呼ばれる考え方で、次の図4を見てみよう。

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図4;平均費用価格形成

図4のように、D=AC(需要曲線と平均費用曲線)となる生産量と価格の組み合わせに政府の介入によってする考え方が「平均費用価格形成」だよ。この時は元々の生産量よりも増えて、価格も下がるよね。

そうですね。生産量は25万L増えて価格は50円下がりました。

うんうん。ただ、この時の企業の利潤ってどうなるかな?

企業の利潤は売上(生産量×価格)から費用(生産量×平均費用)を引けばいいんでしたよね?あ、ちょうど利潤はゼロですね。

そう!「平均費用価格形成」の時には政府が介入して企業の赤字が出ないところまで生産量を増加させる考え方になっているよ。

なるほど。そうしたら、もう一つの考え方はどんなものですか?

もう一つの考え方は「限界費用価格形成」というものだよ。これはD=MCとなる組み合わせで生産量と価格を設定する考え方で、生産者余剰と消費者余剰の合計(総余剰)を最大にする考え方だよ。

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図5;限界費用価格形成

ただ、このD=MCの上にAC(平均費用曲線)があるよね?この時って総費用が総売上を上回ってしまうから赤字になってしまうよね。

そうですね...。そうなると、企業はわざわざD=MCとなる生産量、価格に設定しないんじゃないですか?

そうだね。だけど社会全体にとってはD=MCとなる生産量、価格が望ましいから、この時には政府が企業に補助金を補填したりするなどして対応したりするよ。

なるほど。「限界費用価格形成」は「平均費用価格形成」とは違って企業に補助金を渡して補填したりするのですね。

この2つ以外にも方法はあるんだけど、試験とかに出題されるのはこの2つが主だから考え方だけしっかりと理解しておこう。

分かりました!ありがとうございます!

bestkateikyoshi.hatenablog.com

参考

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