先輩、お疲れ様です。今後の学祭の出し物の件なのですが、タピオカティーのお店のお店をうちのサークルでは出すって話でしたけど、結局何杯分くらい発注すればいいんでしょうかね?
うーん。どうだろうね、まだ決まってないから分からないけど。
そうだったんですね…。でもたくさん発注しすぎて赤字にならないか心配です。企業とかってどうやって販売量とか決めたりしてるんですかね…。参考にしてみたいです。
企業では市場調査とかによって決めたりしてるから各企業で決め方異なると思うけど、ミクロ経済学では、「生産関数(/等量曲線)」と「費用方程式(/等費用線)」を使って最適な生産量を求めるという方法があったりするよ。
ミクロ経済学でも生産量を決める分析手法があるんですね。
そうだね、公務員試験でもよく出題されるから今日覚えてしまおうか!
企業の最適生産量のために用いる「等量曲線」と「等費用線」とは?
「等量曲線」とは、企業が財をある数量生産するときに必要な「労働投入量(L)」と「資本投入量(K)」の投入量の組み合わせを示した曲線になります。「等量曲線」は財の生産のため資源投入量を示しているため「生産関数」とも呼ばれます。通常、縦軸に資本投入量K、横軸に労働投入量Lをとる図において右下がりの曲線になります。
図:等量曲線のシフト
この時、「労働投入量5人、資本投入量10台」の組み合わせや、「労働投入量10人、資本投入量5台」の組み合わせの時に比べて右側の等量曲線上にある、「労働投入量10人、資本投入量15台」の組み合わせの時の方が生産量は高いことを示しています。そのため、企業は出来る限り生産量を増やして利潤を多くしたいので、等量曲線が右上にある方がいいということになります。
また、企業の最適な生産量を求めるときには生産量だけでなく、費用についても考えなければ利潤を求められないので、費用方程式を使った「等費用線」も使います。
「等費用線」の左側が企業の予算内で生産できる範囲になります。「等費用線」は企業の予算の範囲を表しているため、「予算制約線」とも言います。そしてこの等費用線は、以下の費用方程式の公式で求めることが出来ます。
※TC;Total Cost(総費用)のこと。
r;設問では要素価格と言われることが多いが、利子率と言われることも。
企業の最適生産量の求め方は?
ミクロ経済学では、その企業にとって最適な生産量を求める手段の1つとして、上記の「等費用線」(費用方程式)と「等量曲線」(生産関数)を使います。そもそも、「最適な生産量」とは、「利潤(/もうけ)が最も大きくなる生産量」のことです。そのため、結論から言うと、このような最適生産量になる労働投入量と資本投入量の組み合わせになるのが、以下の図のような「等費用線」と「等量曲線」が接する点の組み合わせになります。
なぜそうなるかというと、等費用線は予算制約線と似ていて、等費用線より左側が、予算の中で実行可能な労働投入量と資本投入量の組み合わせなのですが、その中で一番生産量が大きくなる組み合わせというのが、図のような「等費用線」と「等量曲線」が接する点の組み合わせになるためです。
図:企業の最適生産量②
考え方は消費者理論の効用最大化と同じです。効用曲線と予算制約線が接する組み合わせで効用最大となりましたが、企業側でも、等費用線より右側の労働投入量と資本投入量の組み合わせは、企業が使える予算に比べて割高なため実行不可能だから、等量曲線はこれ以上右側に行くことがなくなります。このように、ミクロ経済学の基礎理論は、消費者理論、生産者理論とか分かれていても、根底にある分析手法は同じ立ったりすることが多いので、覚えたものを色々な分野で使うことができます!