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三面等価の原則とは?-大学生の視点で理解するマクロ経済学

bestkateikyoshi.hatenablog.com

登場人物

カズ

地域活性ボランティアサークルに所属する大学1年生。経済学部に所属しているが、数学は苦手。

Photo by All Solhouettes / Adapted

先輩

カズと同じ地域活性ボランティアサークルに所属する2つ上の先輩。経済学部に所属している。留学経験があり、外国人の友人も多い。

三面等価の原則とは?

こんにちは、先輩!ちょっと聞きたいことがあるんですけど、今時間ありますか!?

こんにちは、カズ。大丈夫だよ。どうしたの?

ありがとうございます。マクロ経済学でよくわからない部分があったので聞きたいのですが、以前マクロ経済学で学ぶテーマとして経済成長雇用の問題があって、その分析のために一国の生産量(生産額)をGDPや、GNPなどで定義して整理していくという話をしてくれましたよね?

よく覚えていたね。そうそう、マクロ経済学でよく用いられる生産量(生産額)をGDP(国内総生産)やGNP(国民総生産)を使って分析したりするよ。

はい、生産額を用いるっていう点は理解できました。ただ、教えてもらった後に疑問に思ったのですが、GDPのような国内で生み出された付加価値の合計ってなると、労働者が得た給料とかって計算に含まないのですか?いろいろと混乱してよく分からなくなってしまいました...。

いいところに気が付いたね。企業が製品を生産して、販売したときの利益(売り上げから原材料費などを差し引いた額)の部分を付加価値と呼ぶって話を以前したけど、その企業で働いている従業員に対して支払われる給料も生産活動によって発生する国民所得だよね。

はい、あれ、そうすると、従業員の給料とかもGDPなどの付加価値ってことですか?

そうだね。今まで話した生産によって生まれた付加価値であるGDPは、国内の生産活動によって生まれた付加価値の合計(=総生産)だよね。でも、その付加価値の一部が給料になるんだよね。つまりこれって、GDP給料とか、生産によって得た利潤とかいろいろな見方が出来るってことになるんだよ。

あ、例えば生産によって得た利益が100万円だとしたら、その100万円の中に給料も含まれていて、付加価値には様々な見方があるってことですね。

そうだね。付加価値をどうとらえるかによってGDPの集計の仕方も異なってくるよ。例えば図1を見てみよう。

図1;給料と生産額

図1は一番単純にした例で、企業が得た利益を全て労働者の給料に回すとしたときの、生産額と雇用者所得との関係を表したものだよ。

はい。

例えば、この国には農家とレストラン、国民の3つの主体のみがいるとして、レストランは農家から400万円で農産物を仕入れて加工して、600万円で販売したとするよね。このとき、レストランは本来であれば差額である利潤200万円のうちいくらかは次期以降のために残しておくのが普通だけど、今回は、利潤200万円はレストランで働いている従業員にすべて支払うとしよう。

はい。

そうするとまず、この国のGDP(国内総生産)っていくらになる?

GDPは国内で生み出した付加価値の合計だったので、農家が生み出した400万円とレストランが生み出した200万円を足し合わせた600万円がGDPとなります。

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図2;給料と生産額

そうだね。じゃあ、図2のスライドを見てみてほしいんだけど、例えば農家やレストランが得た利益をすべて従業員に給料としてあげるとすると、この国内の国民がもらえる給料の合計っていくらになる?

えっと、農家で働いている人たちは合わせて400万円もらえて、レストランで働いている人たちは合わせて200万円もらえるので、合計600万円になります。あ、総生産額(GDP)と同じ600万円になりました!

そう。このように、一国内で生み出された生産額は600万円でも給料など違った面から見ることができるよ。このとき、今の例のように生産額や給料のように一国全体の所得は同じでも違った3つの面から見ることができることを、「三面等価の原則」というよ。

三面等価」ってどういう意味なんですか?

三面等価」とは、これから詳しく話すけど「生産面」「分配面」「支出面」の3つの面から一国全体の国民所得を見ることができて、それらの各合計は等しくなるという意味があるよ。

えっとつまり、「生産面からみた国民所得」=「分配面から見た国民所得」=「支出面から見た国民所得ということですか?

そそうそう。まず「生産面からみた国民所得」は、マクロ経済学とは?でも話したように、「ある一定期間で一国の国民(/国内)によって生み出された付加価値の合計」であるGDPやGNP、つまり生産によって生まれた付加価値を集計した合計のことだったよね。

えっと、つまり企業などが生み出した生産額の合計ってことですよね!

そそうだね。次の「分配面から見た国民所得」は何かというと、さっき話した従業員の給料(雇用者所得)や、農家や会社などの営業余剰(生産販売によって得られた利益)を集計した合計のことを言うよ。

給料は会社から分け与えられるので分配という言葉の意味が理解できますが、なんで会社の営業余剰も分配面から見た国民所得に分類されるのですか?

例えばだけど、会社って普通、今期に得た利益を全ては今期に使わないで、将来のために貯めておいたりすることで、もしもの時のために使えるようにするよね。

はい。貯めておかないともし急きょ資金が必要になった時に足りなくて倒産してしまうこともありますよね。

そうだよね。お金を自分の懐の中にためておくってことだけど、これも会社自身への給料として分配するということと同じ意味だよね。だから会社の営業余剰も分配面から見た国民所得に分類されるよ。

なるほど。

ほかにも得た利益は株主などに分配するし、生産によって得た付加価値ってすべて必ず誰かの所得になっていると考えられるよね。だから分配面から見た国民所得にそれらが分類されるんだよ。

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図3;分配面から見た国民所得

先ほどのレストランの例を使ってみると、400万円で農家から原材料を仕入れて、600万円で販売したことによって200万円の付加価値(=利益)が生まれたんだったよね。

はい。あ、図3を見ると、レストランが生み出した200万円の付加価値は、レストラン自身や株主、従業員などに200万円全て振り分けられていますね!

そうそう。レストランはせっかく生み出した利益を捨てるとかいうことは普通しないよね。そうなると、生み出された付加価値200万円は必ず誰かの懐に入っていくよね。これが「生産面からみた国民所得」=「分配面から見た国民所得」の意味だよ。

なるほど。そういうことだったんですね。

そそれじゃあ最後に3つ目の「支出面から見た国民所得」だけど、これは製品やサービスなど消費した際の消費額の合計のことを言うよ。図4を見てみよう。

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図4;支出面から見た国民所得

図4のように、レストランが農家から購入した400万円分は含まないで、最終消費を足し合わせたものを言うよ。

最終消費というところがポイントですね。

そそうだね。ここまで簡潔に説明してきたけど、最後にマクロ経済学の問題の計算で必要となる三面等価の原則のそれぞれの国民所得(生産面、分配面、支出面)のうちの分配面、支出面について内訳を整理していこう。

図5;三面等価の原則例

貿易とか、在庫などを考えたりすると内訳が細かくなってもっと難しくなるけど、まずは簡単な例を使って理解できるようにしよう。

ある国のGDPを3つの視点から見ることが出来るということなんですね。

IS-LM分析などマクロ経済学の重要なテーマは三面等価の原則が土台になってくるから、何となくでもいいから国民所得は3つの視点があるということを理解しておこう。例えば(支出面から見た国民所得)=(分配面から見た国民所得)を使って計算式をつくったりするからね。

そうだったんですか。分かりました!ありがとうございます!しっかり覚えます!

bestkateikyoshi.hatenablog.com

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