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貯蓄のパラドックスとは?-公務員試験マクロ経済学

こんにちは、先輩!あれ、どうしたんですか?こんなにたくさんのお菓子?差し入れですか? 

うん。先週祖父母が旅行に行ったときに、お菓子を沢山買ってきてくれて私の家族だけじゃ食べきれないからお裾分けだよ。 

そうだったんですね。そういえば最近シニア割りとかで旅行に行く高齢者の方とか多いですもんね。 

そうだね。多くの企業もシニア層の購買意欲を刺激して貯蓄を使ってもらおうとしてるよね。 

そうですね。でも、高齢者もお金をどんどん使うと大変じゃないんですかね?将来何があるか分からないから貯めておいた方がいいんじゃないですか? 

確かに個人単位で見た時にはそういう考え方もあるよね。でも、マクロ経済学的にはそうじゃないケースもあって、「貯蓄のパラドックス」と言われることがあるよ。公務員試験でも出てくることあるけど、もうすでに勉強したかな?

いえ、初めて聞きました…。

そうなんだ、折角だから今日マスターしていこう!

貯蓄のパラドックスとは?

「貯蓄のパラドックス」とは、貯蓄率(限界貯蓄性向)sが上昇すると、総貯蓄は増加するという一般的な考え方は、現実には異なるという考え方です。「パラドックス」とは日本語では「逆説」という意味で、一見正しいと考えてられていることが実はそうではないという意味があります。

 

個人レベルでみると、もらった給料などの所得のうち、貯蓄に回す割合を増やすと貯金はたまるので、お金は多くなったように感じると思います。しかし、一国全体で見てみると、みんなが節約するとお金は市場に流通せずに、波及的に増える額が減ってしまいます。すると、経済全体は不況に陥ってしまいます。すると一国の中でリストラが起きたり、ボーナスカットなど給料が減ったりしてしまうため、元々もらっていた所得が減り、貯蓄も減ってしまうという考え方になります(元の貯蓄額と同じ水準まで減る)。

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貯蓄のパラドックスとは? 

そのため、貯蓄の割合(貯蓄率)を増やしたとしても、元の所得が減ってしまったため、貯蓄額が結果的に減ってしまうことがあるという考え方になります。上記のように、貯蓄率を高めるとその分国民所得が減少し消費が減るため、経済に波及していかなくなってしまいます。結果として人々の国民所得に還元されなくなってしまうため、貯蓄率を高めても長期的には貯蓄が増えないということになります。

 

 

貯蓄のパラドックスのモデル分析 

「貯蓄のパラドックス」が言いたいことについてイメージはできたのではないかと思います。ただ、受験生によっては「本当に貯蓄のパラドックスが言っている通り、貯蓄は変わらないの?」と思うかもしれません。そこで、実際に公務員試験で最頻出である「財市場の均衡条件」を使って見ていきたいと思います。

貯蓄のパラドックスグラフ 

まず、財市場の均衡条件において、貯蓄Sは国民所得のうち消費Cに回した残りの分になります。また、Iとは投資Iのことで、重要な仮定として投資は一定であるとします。さらに、政府部門(政府支出Gや租税T)や、外国部門(輸出や輸入)は考慮しないでモデルを設定しています。

 

上記のスライド1を見てもらうと分かるように、財市場の均衡条件を用いてS=Iを導出しています。次に、スライド2において、縦軸に貯蓄S,投資I、横軸に国民所得をとる図において、当初の均衡はE₀とします。この時、貯蓄率sを上昇させると、S=sY-C₀の曲線の傾きが急になり、貯蓄のパラドックスでは投資が一定という仮定の下での検討なので、スライド3のようにE₁で均衡し、国民所得のみが減少してしまいます。

 

色々と仮定や前提を置いたりしてめんどくさいと思うかもしれませんが、上記のような仮定を置いた状況では「貯蓄のパラドックス」がモデル分析の上でも成り立ちます。

 

 

最後に

貯蓄のパラドックスは直感と異なるから引っ掛かりやすいですが、グラフを用いて考えるとわかりやすいと思います。グラフの見方をしっかり理解した上でマスターできるように頑張りましょう!

 

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