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年金特別徴収(特徴)制度って?-公務員・行政辞典

この間父親が、「年金受給額が減った!」って騒いでいたんですが、最近受給額って減ってしまったんでしょうか?これが受給額の明細になるのですが…。

ちょっと明細見せてもらえる?・・・あー、減っているように見える理由は、住民税が受け取った年金から直接引かれているからだよ。

えー、父親はそんな手続きしてないと思いますが、役所が勝手に引いちゃったのですか?

この制度は「年金特別徴収」と呼ばれる制度なんだけど、要件を満たせば自動的にそうなるよ。「なんで年金額が減ったんだ!」って役所の窓口に行ってくる人もたまにいて意外と認知されていない制度なので、今日は「年金特別徴収」について理解できるようにしよう。

年金特別徴収とは?

年金特別徴収とは、年金を受給している65歳以上の人で、一定の要件を満たす場合には、年金から直接住民税を徴収する制度になります。役所内では略して「年特」や「特徴」と言ったりします。

 

住民側からの手続きは特に必要なく、住民税を支払う必要のある人の中で、一定の要件を満たしている場合、自動的に年金から住民税が引き落とされるようになります。「なんで勝手に引き落とすんだ!」と思う方もいるかもしれませんが、年金から直接引き落とすことで、①事務の効率化や➁税金の徴収率を向上することができます。

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年金特別徴収のプロセスと目的

特に年金を受給するような高齢者の場合、何度も何度も住民税を支払うために窓口に来るのは大きな負担にもなりますし、自治体としても負担になります。そのような観点から平成21から始まった制度になります。

 

 

年金特徴の対象となる人は?

例えば年金受給額が少なくて住民税まで払ってしまうとマイナスになってしまう場合は年金の引き落としはできません。このように、全ての高齢者が年金から住民税を引き落とされるわけではなく、年金特徴の対象となるかならないかの基準は以下のようになります。

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対象となる方

[出典]酒田市市・県民税の公的年金からの特別徴収について

上記の対象者とならない人の例を見てみると、「介護保険料が年金から差し引きになっていない方」とありますが、実は介護保険料などの保険料も年金から徴収される対象になります。年金から自動的に徴収される税目にも優先順位があり、まずは介護保険料が引き落とされ、その上で住民税も引き落とされます。そのため、そもそも介護保険料を支払えない金額しか年金をもらっていない場合などは住民税の特別徴収の対象とはなりません。

 

 

どうやって特別徴収されるの?

年金の支給は4月、6月、8月、10月、12月、2月の2カ月ごとになります。住民税の特別徴収も年金の支給月に合わせて同時に引き落としされます。しかしながら、住民税は前年度の所得をもとに6月ごろに税額が確定するため、特別徴収にすぐに切り替えたり、税額を反映させることが困難です。そのため、特別徴収開始初年度と2年目以降で以下のような徴収スケジュールになります。

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納付の方法

[出典]酒田市市・県民税の公的年金からの特別徴収について

初年度の場合、8月までは普通徴収(コンビニや銀行での窓口支払いや口座引き落とし)で支払うことになり、10月以降は年金からの引き落としとなります。なぜ8月までは普通徴収かというと、6月に住民税の金額が確定するため、すぐに特別徴収での引き落としに切り替えることができないという行政内部の手続き上の問題によるためです。

 

一方で、2年目以降は4月から年金からの引き落としになります。しかしながら、6月にならないと今年度の住民税の税額が確定しないため、4月、6月、8月は仮徴収という形で前年度の税額の半分を徴収します。そして、今年度の住民税が確定した後に、本徴収という形で残りの分を引き落としします。

 

実はこの時、役所の窓口ではトラブルになりやすかったりします。なぜかと言うと、人によっては本徴収の金額が、仮徴収の金額から一気に跳ね上がって税金がいきなり高くなったと錯覚してしまうからです。例えば、前年度の税額が6万円で、今年度の税額が9万円だとします。 

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2年目以降の特別徴収例

8月までは仮徴収という形で、前年度の税額6万円をもとにして計算されます。そのため、4月、6月、8月の税額はそれぞれ1万円となります。しかしながら、10月以降の本徴収になると、本来は9万円払わないといけないため、既に支払った3万円を引いた6万円分を10月、12月、2月で支払うことになるため、1回につき2万円払うことになります。

まとめ

・65歳以上の方を対象にした年金特別徴収という住民税引き落とし制度がある。

・要件を満たした人は特別徴収となる。

・2年目以降の特別徴収には仮徴収と本徴収があり、徴収額が異なる場合もあるため、混乱しないように注意が必要。

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