分かりにくいを分かりやすいに

受験生や塾講師、家庭教師、資格試験を控えた社会人に向けて情報発信を行うサイトです。

Tutoring For EveryOne

元家庭教師で現職公務員による分かりやすさを追求した全ての学ぶ人のためのサイト

【スポンサーリンク】

異時点間の消費理論-公務員試験のためのミクロ経済学

bestkateikyoshi.hatenablog.com

登場人物

カズ

地域活性ボランティアサークルに所属する大学1年生。経済学部に所属しているが、数学は苦手。

Photo by All Solhouettes / Adapted

先輩

カズと同じ地域活性ボランティアサークルに所属する2つ上の先輩。経済学部に所属している。留学経験があり、外国人の友人も多い。

異時点間の消費とは?

あっ、先輩、こんにちは~!

こんにちは、カズ。

そういえば、先輩はそろそろ就活の時期ですよね?どんな会社で働きたいと思っているのですか?

私は経済学部で学んできた知識と、サークルの活動を通じて感じたことを踏まえて公務員とかいいかなって今考えているよ。国家公務員か地方公務員かはまだ決まっていないけど。カズはどこか入りたい会社とかあるの?

なるほど。僕は、就活はまだ先のことなので全然考えていません。ただ、給料が高い会社が良いです!(笑)ネットとかで今の若者世代は将来年金がもらえなくなるっていう噂もあったので若いうちにしっかり貯金したいです(笑)。

そうか(笑)。まぁ、将来自分たちが年金をもらえなくなるってことは考えにくいけど、給付額を減額される可能性はあるし、将来のことだから絶対もらえるとは確定できないよね。

はい。そうですね...。不安です。

そういえば、ミクロ経済学でも消費者を分析する理論の中に「異時点間の最適消費理論」という理論があって、若年期と老年期の2つの時期に分けて、若年期に稼いだ貯蓄をどのように老年期に回して一生の中で効用を最大化するかっていう理論があるよ。

おぉ、これまでの最適消費の考え方だと現在(一時点)のみを分析の対象にしていて、貯金とか考えてなかったから少し現実離れしてるなぁと思っていたのですが、「異時点間の最適消費理論」って言うのは、現実に近づいてきてる理論ですね。

そうだね、じゃあ今日は時間もあるし折角だから、「異時点間の最適消費論」についてグラフを使いながら話そうか!

はい、ありがとうございます!

まず、下には若年期にどれだけ稼いで、若年期に貯金しておいたお金がどれだけ利子として増えるのかなど条件が整理されているから見てみよう。

異時点間の消費条件

・消費する期間を若年期、老年期の二期間に分ける

若年期に合計1億円稼ぐものとする

老年期には年金などを受給せず、収入はないものとする

・老年期には若年期に貯蓄しておいたお金を全て消費に使い切るものとする

・若年期に残したお金は全て銀行などに預けており、利子率分増えて還ってくるものとする

・銀行に預けた際の利子率は10%とする

 ※1,000万円預けたとすると老年期に1,100万円になって還ってくる

上記の条件は「異時点間の消費理論」でよく使われるような条件だよ。もちろん、年金を受給しないと言ったり、銀行の利子率は10%もしないと思うけど、分かりやすくするために、少し計算しやすい数字を使っているよ。

分かりました。

どういった条件の下で話を進めていくかは理解出来たと思うから、ここで質問ね。もし若年期にこの人が5,000万円消費に使って、残りの5,000万円を貯蓄したとしたら、老年期に使えるお金はどれだけになると思う?

ええっと、若年期に使わなかったお金は銀行で貯蓄されて利子率分増えるんですよね?利子率10%だとしたら、5000万円×10%=500万円なので、元の残しておいた分の5,000万円+500万円=5,500万円老年期に使えるってことになりますか?

そうそう。若年期と老年期の2期間で考えた時、使えるお金の合計は1億500万円になるよね。

そうですね。

異時点間の消費理論ではこのような利子率分も含めたトータルで使えるお金を「予算制約線」と考えるよ。

なるほど。あ、でも、予算制約線がより右側にあった方が効用が高くなる可能性が高くなるので、若年期にはお金を一切使わないで貯蓄に回した方が良いんじゃないですか?(笑)

いや、現実的にも若年期にお金を一切使わなければ生きられないし、もしグラフで表すとすると、図1の赤い点部分の消費金額の組み合わせ、つまり(若年期の消費金額、老年期の消費金額)=(0, 1億1千万)となるよね。

f:id:bestkateikyoushi:20170314183551p:plain

図1;若年期に一切消費しないケース

その時の効用曲線は、図1のようになってしまうから、もっと消費金額の配分を上手く組み合わせると効用曲線を右上にシフトさせることができそうだから、もっと効用を上げることができるよね。

そうですね。僕の考えが浅はかでした(笑)。

そんなことないよ(笑)。難しいからそう思ってしまうこともあるよ。それじゃあ、若年期と老年期でいくらずつの消費金額の配分が、この人にとって一番上手いお金の使い方(効用最大)になるのかなんだけど、これは以前最適消費(効用最大化)でも話したように、予算制約線と効用曲線が接する部分が、最適消費になるって言ってよね。

はい、覚えています。

異時点間の消費理論でも考え方はその時と同じで、図2のように効用曲線を右上にシフトさせていくと、どこが最適消費点の消費金額の配分になるのか分かるよ。

図2;異時点間の消費の最適消費点①

そして、今回のように異時点間の消費の場合は、若年期に使わなかった分銀行に預けるとすると利子率分増えるとするから、図3のように、もともと若年期で1億円しか稼いでなかったけど、6,000万円消費に使わず銀行に預けたことで6,600万円になるよ。

f:id:bestkateikyoushi:20170314183929p:plain

図3;異時点間の消費の最適消費点②

なるほど。6,000万円の10%分が600万円なので、6,600万円分老年期に使うことが出来るようになるってことですね。

そうそう。ここまでで異時点間の消費理論の基本は分かったね?

はい。

良かった、じゃあ最後に、時々問題などで出題される利子率が変化したときのパターンについてグラフを使ってみていこう。

えぇ、そんなパターンもあるんですか(汗)?

そうだね、よく出題されたりするからある程度理解できるようにしよう。

分かりました。

じゃあ本題に入っていくけど、例えばもし銀行に預けるよりも、ある企業に投資した方がリターン(/収益率)が大きくなることが判明したとするよね。

はい。

そのリターンが20%、つまり例えば100万円投資したとすると120万円になって返ってくるとするよね。このように銀行に預けて利子を得るのではなくて企業に投資して収益を得るとしたとき、「予算制約線」はどうなると思う?

投資に対するリターン(/収益率)が20%となら、予算制約線の傾きは急になりますかね?

正解!収益率が20%とそれまでの利子率10%より高ければ、傾きは急になるね。図4を見てみよう。

f:id:bestkateikyoushi:20170314184016p:plain

図4;予算制約線の傾きの変化

なんで傾きが急になるかというと、もし若年期に1円も費やさなかったとしたら老年期に1億2千万円費やせることになるよね。それが図4の予算制約線の青い点(若年期の消費金額、老年期の消費金額)=(0, 1億2千万)からも分かるよね。

はい。そうですね。

今回はこれくらいかな!試験的には計算したりしないといけないけれど、グラフの動きが何でそうなるのかって理解出来れば、解きやすさも違ってくると思うからまずはしっかりイメージできるようにね。

ありがとうございます。復習して完璧に理解できるように頑張ります!

bestkateikyoshi.hatenablog.com

参考

【スポンサーリンク】