分かりにくいを分かりやすいに

公務員試験、高校大学受験、各種資格試験、家庭教師などの情報発信のサイトです。

Tutoring For EveryOne

元家庭教師で現職公務員による分かりやすさを追求した全ての学ぶ人のためのサイト

【スポンサーリンク】

乗数過程(乗数効果)とは ー大学生の視点で理解するマクロ経済学

bestkateikyoshi.hatenablog.com

登場人物

カズ

地域活性ボランティアサークルに所属する大学1年生。経済学部に所属している。

先輩

カズと同じ地域活性ボランティアサークルに所属する2つ上の先輩。経済学部に所属している。

 

    財市場の均衡条件 

あ、こんにちは...。先輩。 

こんにちは、カズ。あれ、今日は疲れがたまっている感じだね。どうしたの? 

はい。実は最近アルバイトしているコンビニで新しくコーヒーメーカーを導入して、機械の使い方とか止まった時の対処法とか覚えたりしないといけなくなってしまって大変でして...。 

そうなんだ、大変だね。 

はい。儲かっているんだから給料アップしてほしいです。でも、実際に儲かったお金ってどこにいっているんですかね? 

今後の設備投資のために貯めているのかもしれないし、オーナーさんの懐に入っているのかもしれないし実際のところはわからないけど、マクロ経済学では乗数過程(乗数効果)といって、投資とか需要の増加によってどのように国民所得が増加していくのか理解できるプロセスを学んだりするよ。 

乗数過程(乗数効果)ですか?聞いたことあるようなないような...。 

マクロ経済学の財市場の分析を勉強するときとかに学んだりするよ。IS曲線って覚えている? 

はい、なんとなく。 

IS曲線は、財市場が均衡する際の利子率と国民所得の組み合わせの集合のことを言ったよね。そして、IS曲線を導出する際には、財市場の均衡条件を使うんだったよね。 

....財市場の均衡条件ってなんでしたっけ? 

財市場の均衡条件とは、財市場において総供給と総需要が一致することをいうよ。以前45度線分析というのを学んだよね。 

f:id:bestkateikyoushi:20170603114332p:plain

図1;45度線分析 

財市場の均衡条件とは、Ys(総供給)=Yd(総需要)となることをいうよ。 

あ、少し思い出してきました。 

よかった。より詳しくYd(総需要)の中身を見ていこう。以下のようなモデル設定をすると、総需要は消費Cや、投資I、政府支出G、租税Tなどから構成されるよ。 

[仮定] 

・財市場の均衡条件Y=C+I+G 

・総需要は外国部門を捨象する 

・消費関数C=C₀+c(Y-T) 

・C₀(基礎消費)・T(定額税)は定数、cは限界消費性向(0‹c‹1) 

・I(投資)、G(政府支出)は定数 

 

f:id:bestkateikyoushi:20180901123512j:plain

図2;財市場の均衡条件 

ちなみに、cの限界消費性向っていうのは、税金を差し引いた所得額(Y-T)、即ち可処分所得に対してどのくらいの割合消費に使うかという指標だよ。 

なるほど、例えば100万円の可処分所得に対して80万円消費に使う(基礎消費は除く)としたら限界消費性向は0.8ということになるんですね。 

そうそう。財市場の均衡条件をYについての式に直すところまで乗数過程(乗数効果)を理解するための前提になるよ。 

いよいよ本題ですね。 

 

    乗数過程(乗数効果)とは 

うん。乗数過程(乗数効果)というのは、投資や政府支出など特定の需要を変化させたとき国民所得がそれ以上に変化する過程の事を言うよ。 

それ以上に変化するってどういうことですか? 

言葉で説明するだけより、視覚的に理解する方がわかりやすいから実際に図3を見てみよう。 

f:id:bestkateikyoushi:20180901130422j:plain

図3;乗数過程(乗数効果)のイメージ 

新たに投資として建設費に10億円使われたとすると、10億円分需要が増加するよね。そうすると、10億円が建設会社の売上げとなって、作業員の給料とか会社の利潤になるよね。 

はい。 

その10億円の内8億円分を作業員や会社が何か買ったり消費すると、作業員や会社に物を売った会社の売上になるから、さらにその会社や販売員の給料や利潤となって、その8億円の内6.4億円が販売員や会社によって消費されてっていうのが繰り返されるよね。 

なるほど。投資など特定の需要が変化すると、それによって恩恵を受ける人たちが表れて消費に使われるからさらに需要が変化するっていうのを繰り返していくから、最終的に国民所得が最初の需要の変化以上に変化していくんですね! 

そうそう。このプロセスのことを乗数過程というんだよ。現実でも政府が道路とか公共施設などハコモノ公共投資をしている理由って、乗数効果によって国民に所得が行き渡るようにしているっていう経済的な意義もあるんだよ。実際に上手く波及しているかどうかは別にしてもね。 

 

  乗数効果の公式 

そういうことだったんですね。あれ、乗数過程って永遠に続くんですよね?そうすると、乗数効果がいくらになるか計算で求められないんじゃないですか? 

いいところに気が付いたね。乗数過程の計算を行う際には、無限等比級数の和の公式を用いて簡単に計算することができるよ。 

さきほどの図3の乗数過程を例にとって考えてみよう。 

図4;乗数過程の計算方法 

左辺の国民所得の変化分△Yは、右辺の合計になるけど、右辺の足し算で、△Iは全てに含まれているけど、それぞれ何がどう違うか分かる? 

あ、右辺の足し算は右にいくほど限界消費性向cを掛ける数が多くなっています。 

そうだね。△Iは変わらず、限界消費性向cの乗じる数が規則的に多くなっているよね。この時、初項△I、公比cとした無限等比級数の和の公式を用いることができるんだ。従って、最終的に△Y=△I/(1-c)という簡単な式にすることができるよ。 

なるほど。 

なんで簡単な式に出来るかっていうのを理解するのも大切だとは思うけど、それは無限等比級数の和の公式の証明で数学の範囲になってしまうからもし興味があれば自分で調べてみよう。 

分かりました。ありがとうございました! 

【スポンサーリンク】