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基本的人権と公共の福祉の関係-公務員試験憲法を分かりやすく

今日憲法の講義で、基本的人権と公共の福祉の関係について説明を受けたのですが、基本的人権も公共の福祉も何が何だかさっぱり理解できませんでした。

基本的人権は全ての人が持っている権利のことを言うんだけど、権利があるからと言って周りの人に迷惑をかけてしまったら社会が成り立たなくなってしまうよね。そのような時、場合によっては権利を制約することを公共の福祉による制約と言うよ。公務員試験の憲法で、基本的人権と公共の福祉は絶対に押さえておくべき範囲だから今日は両者の関係について理解できるようにしよう!

基本的人権とは?

基本的人権とは、全ての人々に当然に認められる権利のことを言い、具体的には自分の言いたいことを発信できる表現の自由であったり、自分の住みたい場所に住む居住権など様々な権利が日本国憲法に規定されています。また、日本国憲法では、全ての人に対して、「個人の尊厳」を保障するために「基本的人権の尊重」を基本理念の一つにそえており、公務員試験でも参考書の半分を占めている重要なパートになります。

 

基本的人権については、日本国憲法第3章に規定されています。第3章は10条から40条までの条文ですが、第3章の中に以下のように様々な権利が規定されています。

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基本的人権の種類

日本国憲法に規定されている基本的人権の種類は4つに大別されます。

 

自由権とは

まず、自由権とは、国家からの自由(国家に縛られない自由)を言い、自分の好きな宗教を信じたり、学問の自由など様々な自由を享受できる権利のことを言います。人権という概念が確立された当初から現在に至るまで、人権体系の中心的地位を占めるものとなります。この自由権ですが、更に3つに分類することができます。

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自由権の3つの分類

精神的自由とは、表現の自由や思想・良心の自由など自分の言いたいことを言える自由や内心の自由のことを言います。現在の北朝鮮のように政府を批判したり、自分の好きなことをを言えない環境であれば、ストレスがたまると思います。精神的自由の保障とは、自分の考えや発言を保障することによって個人の尊厳を保障することになります。

 

次に、人身の自由とは、国家に不当に拘束されたり、拘束時に不当な扱いを受けないようにする権利のことをいいます。最後に、経済的自由とは、財産の保障や自由に職業を選択できる権利、営業する権利など経済活動の自由を言います。現代社会では文化的な生活を送るためにお金や資産が必要になります。そのため、国家が個人の経済活動や財産に対して不当な制約を課すことがないよう経済的自由が保障されています。

 

社会権とは

自由権とは反対に、国家による自由(個人が生活していくうえで国家に配慮を求める自由)を社会権と言います。社会権は、産業革命期に労働者や弱者の文化的生活を保障するべきという考え方から生まれた権利であり、生活保護制度や障碍者への給付などは社会権に基づく行政サービスになります。

 

参政権とは

参政権は受益権とも呼ばれ、国民主権の原理の下、国民が国政に参加する権利のことを言います。参政権には、裁判を受ける権利も含まれるのが通常です。参政権(受益権)は、国民が国家に対して、自分たちの利益となる一定の行為を要求する権利であり、裁判を受ける権利を国家に要求しているためです。

 

その他の権利

その他の権利は、主に憲法13条の幸福追求権から派生した現代社会に即した新しい権利のことなどを言います。例えば、プライバシー権や肖像権などは情報へのアクセスが容易になった現代において、人々が保障してほしいと考えるようになった権利になります。また、快適な環境の生活を保障してほしいと要求する環境権なども新たな権利として分類されます。

 

 

公共の福祉による基本的人権の制約

日本国憲法は、数多くの権利を一人ひとりの権利として規定しています。その中でも自由権は、国家に介入されない権利のことを言いますが、例えば誰かを中傷したり違法なモノを販売したりなど、何をしても自由権に基づいて権利を主張できるのでしょうか?

 

実は日本国憲法では、自由権を認めつつも他の人たちに迷惑がかかる場合には、権利を制限することもあるという「公共の福祉」を規定しています。

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公共の福祉とは

公共、すなわち他人に対して迷惑がかかっている場合には、基本的人権が制限するという考え方になります。公務員試験では、どのような状況、どのような範囲で公共の福祉による基本的人権の制約があるかなどを理解することが重要になってきます。

 

公共の福祉の制限の範囲に関する考え方としては、外在的制約説と内在的制約説という2つの考え方があります。外在的制約説とは、「基本的人権は、公共の福祉に反しない範囲においてのみ保障される」という考え方になります。一方で、内在的制約説は、「基本的人権は公共の福祉による制約が認められないのが原則であり、他社の基本的人権と衝突する場合のみ、制約が付される」という考え方になります。

 

 

二重の基準論とは

それでは、公共の福祉によって基本的人権がどの程度制約されるのでしょうか?制約の範囲については、各ケースによって個別具体的に裁判所によって判断されます。この時、公共の福祉による制約が憲法に違反しているかどうかを審査する基準を「違憲審査基準」と言い、判例・学説を通じ広く支持されている基準が「二重の基準」理論になります。

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二重の基準理論

精神的自由は表現の自由や思想・良心の自由など国政参加に不可欠な権利を規定しています。そのため、行政によって精神的自由が不当に制約されてしまうと、国会という国民の代表が正すこともできなくなってしまうため、政府による公共の福祉による制約に対して、より厳しい基準で違憲審査を裁判所が行います。

 

一方で、経済的自由については、もし不当に制約がなされたとしても表現の自由など精神的自由が制約されていなければ国会を通じて正すことが可能であり、さらには、より経済政策などより専門性の高い行政府の判断に対する裁判所の判断能力には限界があります。そのため、精神的自由の違憲審査基準に比べ、経済的自由に対する違憲審査基準は緩くなっています。

まとめ

基本的人権は、自由権社会権参政権、その他の権利の4つに大別される。

自由権は、精神的自由、人身の自由、経済的自由の3つに大別される。

・公共の福祉によって、基本的人権が制約されることがある。

・どのような状況で基本的人権が制約されるかという考え方の一つとして、二重の基準論がある。

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