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日本国憲法における国会に関する条文と国会の地位-公務員試験憲法を分かりやすく

今日から憲法の講義で「立法権」について勉強するようになったのですが、立法権を担当する「国会」について覚えることが多すぎて頭が混乱してしまっています…。

国会について勉強開始したんだね。憲法では、国会の地位や役割、原則とか覚えることが多いからね。

そうなんですよ。並行して過去問も解き始めているのですが、細かい部分で間違えてしまうことが結構多いです…。

なるほど。国会について全て覚えるのは大変だから、そうしたら今日はまず、憲法における国会に関する条文の全体像などを見ていこうか。

日本国憲法における国会に関する規定は?

日本国憲法は、立法権、行政権、司法権という3つの権力を分割し、それぞれ国会、内閣、裁判所という機関に担当させる権力分立制を採用しています。今回紹介する立法権は国会が担当することとなっていますが、日本国憲法では第4章の「国会」という章にその地位や役割、原則が規定されています。

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日本国憲法の構造

そして、41条から64条までが第4章「国会」の規定となっています。

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憲法第4章「国会」の構造

第4章は「国会の地位」、「国会の組織」、「議員の地位」、「国会の機関」、「会議の原則」、「国会の権能」、「議院の権能」の7つに分類できます。そして、これら憲法の規定は「国会法」や「公職選挙法」など別の法律によってより具体的に規定されています。ただし、公務員試験レベルでは「国会法」などの規定については出題されないので、ひとまず「憲法」の規定を理解することが問題を解く上で重要になります。

 

ただ憲法内の国会に関する論点だけでもこのページでは膨大になってしまうので、このページでは一つ目の「国会の地位」について説明していきたいと思います。

 

 

国会の地位とは?

憲法内において「国会の地位」について規定している条文は、第41条一つだけです。

憲法41条

国会は、国権の最高機関であつて、国の唯一の立法機関である。

国会の地位に関する条文は、これ一つだけでとても短いです。しかしながら、この短い条文は、国会が①国権の最高機関である、➁国の唯一の立法機関であるという点を明確にしています。

国権の最高機関とは?

国権の最高機関とはどういう意味かについてですが、大きく2つの考え方があります。

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国権の最高機関とは

違いについては上記の図に記載していますが、重要なポイントとしては、統括機関説をとると国会は国権を統括する地位を有し、法的な権限があるという考え方であるのに対し、政治的美称説は、国会には法的な地位はなく、政治的な美称にすぎないというスタンスになります。現在のところ政治的美称説が通説とされています。

 

ところで、なぜ国権の最高機関の定義が重要になってくるかと言うと、国権の最高機関として国会が具体的にどのように権限を行使できるかという範囲に関わってくるためです。例えば、憲法62条では、議院の国政調査権という権能を規定していますが、統括機関説をとるか政治的美称説をとるかによって国政調査権の範囲が異なってきます。

国政調査権とは?

国政に関する調査を行い、これに関して証人の出頭及び証言並びに記録の提出を要求できる両議院の権能

統括機関説に立つと、国政調査権は国権統括のための独立の権能と解することができます。しかし政治的美称説に立つと、立法権や予算審議件、行政に対する監督権など議院に認められた権能を適切に行使するために認められた権能であると解することができ、国政調査権を行使できる範囲が変わってきます。通説は政治的美称説であり、国政調査権も議院に認められた権能を行使するための権能であるという考え方が主流です。

 

唯一の立法機関とは?

次に、唯一の立法機関とはどういう意味かについてですが、立法機関の「立法」や「唯一」とはどういう意味なのかという2つの論点があります。まず、「立法」の意味についてですが、狭義説と広義説2つの考え方があります。

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「立法」の意味

難しく感じるかもしれませんがそんなことはありません。狭義説は、立法という行為を国民の権利を制限・義務を課す法規範の定立だけに限定していますが、広義説は権利の制限・義務を課すだけではなく、権利の付与であったり義務の免除など立法を広くとらえています。実際、生活保護や児童手当の給付などは法律に基づいてサービスが提供されていますが、これらも権利の付与に入ります。そのため、通説としては「立法」は広義説の立場でとらえられています。

 

また、「唯一の立法機関」であるとは、国民の権利義務に関する法規範の定立は、憲法に定められた例外以外は常に国会によってなされなければならないという国会中心立法の原則と、国会以外の機関の関与を要さず、国会の議決のみで成立させることのできる国会単独立法の原則を含んでいます。

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唯一の立法機関の意味

国会中心立法の原則とは、「国会以外による立法は原則として許されない」という原則になります。これは、法律は国民の権利を制限したり、義務を課すことがあるため、国民によって選ばれた人々で構成される国会で決められるべきと考えられるためです。

 

しかし、憲法は国会中心立法の原則の例外を規定しています。それが、両議院による議院規則の制定や、最高裁判所の規則制定権です。これらは、各機関の自律権の尊重という観点から憲法が特別に付与した例外になります。

 

また、国会単独立法の原則とは、「国会による立法は、国会以外の参与を必要としないで成立する」という原則になります。この原則にも、憲法が規定した地方自治特別法による例外が存在します。地方自治特別法とは、国会の議決の後にその地方公共団体住民投票が行われ、そこでの承認がなければ成立しないとする特別法です。これは国全体ではなく、ある特定の地域にだけ適用される特別な法律について、その地域の住民の賛否を問うための法律になります。憲法95条にて地方自治特別法を認めているため、国会単独立法の原則の例外となります。

まとめ

憲法第4章は、国会の地位や役割、議員の地位など国会に関するルールが規定されている。

憲法41条は、国会の地位を規定している。

・国会とは、国権の最高機関であり、国の唯一の立法機関でもある。

・国権の最高機関の考え方として統括機関説と政治的美称説がある。

・唯一の立法機関とは、国会中心立法の原則と国会単独立法の原則から導かれる。

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