予算の種類・構成-公務員試験財政学
こんにちは、先輩。先日は「予算の機能」と「予算の原則」について教えていただきありがとうございました。おかげで予算について少しずつ理解できるようになりました。
こんにちは、カズ。財政学の範囲で予算について覚えること多いからね~。ひとまず少しずつ理解できているようで良かった。
はい。でも今度は色々な予算があって、なんだか分からなくなってしまいました。
なるほど…。確かに「○○予算」っていう言葉がたくさんあるから分からなくなるよね。そうしたら今日は、予算を大まかに分類して、予算の大枠をイメージできるようにしていこう。
予算の分類
予算とは「一定期間における政府の収支計画を規定したもので、法律の形式または法律に準じた形式で議会の承認を受けたもの」を言います。この予算ですが、具体的にどういう体系なのかは国によって異なります。公務員試験では日本の予算制度について出題されるので、ここでは2つの分類方法に沿って日本の予算を見ていきたいと思います。
まず、予算を政府活動によって分類する方法があります。この時、日本の予算は「一般会計予算」、「特別会計予算」、「政府関係機関予算」の3つに分類されます。
また、別の分類方法として、成立時期による分類があります。例えば、上記の予算は、通常その年度が始まる前に議会で承認されることによって、その年の予算として成立します。このような予算を「本予算」あるいは「当初予算」と言います。
しかしながら、予算の配分などに問題があった場合、その年度が始まる前までに議会で承認されないこともあります。その際、本予算が成立するまでの必要な経費を充当するための暫定的な予算が必要になります。これを「暫定予算」と言います。但しもちろん、「暫定予算」も予算であることには変わりないため、議会の承認が必要となります。
また、今年の新型コロナウイルスのように予期せぬ自然災害などが起こり、予算の大幅な変更が必要になることがあります。この時、本予算が既に承認され執行されてはいますが、内閣が本予算を変更した予算を組むことができます。これを「補正予算」と言います。
政府活動の分類による予算の構成
「一般会計予算」、「特別会計予算」、「政府関係機関予算」の3つは、公務員試験ではよく問われるので、ここからは具体的にそれぞれ見ていきましょう。実は、これら3つの予算は、重複する部分もあり、キレイに分類するというのは難しいです。公務員試験では、それぞれどういう性格の予算なのかなどを問われるので、それぞれ特徴を掴んでしまいましょう。
一般会計予算
「一般会計予算」とは、「国の基本的な公共サービス供給に関する歳入歳出を経理する会計の予算」を言います。普通ニュースなどで「予算」と言った時には、「一般会計予算」のことを言います。一般会計予算の歳出入は、基本的にはイコールになります。「令和2年度一般会計歳入歳出概算」を見てみると、歳入歳出それぞれの概算額合計は約102.6兆円となります。
[参考]財務省「令和2年度予算政府案」
特別会計予算
一方で、「特別会計予算」とは、「国が特定の事業を行う場合、あるいは特定の資金を保有してその運用を行う場合、その他特定の歳入を持って特定の歳出にあて一般の歳入歳出と区分して経理する必要がある場合に限り、法律を持って設置された会計の予算」(財政法第13条)のことを言います。
「特別会計の歳出予算額」によると、令和2年度の特別会計予算の歳出総額は約391.8兆円ですが、他の予算との重複分を除いた純計額は196.8兆円となります。
[出典]財務省「特別会計について(令和2年度予算)」
特別会計は、東日本大震災復興特別会計や年金特別会計などがあり、令和元年度時点で、13会計が特別会計予算に当たります。
政府関係機関予算
3つ目の「政府関係機関予算」とは、「その予算について国会の議決を必要とする機関の会計の予算」を言います。政府関係機関とは、企業的な経営活動が求められるものの、公共の利益のため国に近い事業を実施している機関のことを言います。
令和2年度現在、沖縄振興開発金融公庫、株式会社日本政策金融公庫、株式会社国際協力銀行、独立行政法人国際協力機構有償資金協力部門の4機関が政府関係機関予算として、国会の議決を必要とされています。
最後に
以上、今回は国の予算について見てきました。地方公務員志望の受験生にとっては国の予算は無関係と考えてしまうかもしれませんが、財政の部分はどの自治体にとっても重要な部分です。面接などでも知識として理解しておくといいと思うので、まずはしっかりと大枠を理解してしまいましょう。