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法の下の平等とは

登場人物

カズ

市役所に勤務しはじめた新卒公務員。学生時代は経済学部だったほか、地域活性のサークルにも所属していた。

先輩職員

カズと同じ市役所に勤務する先輩職員。法学部卒。司法試験を目指していたこともあり、法律に関する造詣が深い。

 

法の下の平等とは

先輩、先週のお話以来、昔使っていた公務員試験の憲法のテキストを読み返してみました…。

おっ、そうなんだ!

憲法の人権分野で重要な論点として、まず第14条にある「法の下の平等」がありますよね。

               

 

日本国憲法第14条 1項
すべて国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。

 

 

14条の論点としては、大きく分けて「法の下の平等」の具体的な意味と、「人種、信条、性別、社会的身分又は門地」は例示列挙か具体的列挙なのか、の二つがある。

まずは、何が平等でなければならないか、というのが論点です。 通説は、「法適用の平等」に加えて、「法内容の平等」も保障される、としていますね。 法適用の平等とは、法を執行し適用する行政・司法が国民を差別してはならないという概念。 それに対して、法内容の平等とは、法そのものの内容も国民に対して平等でなければならない、という概念です。

そうすると、「平等」というもの自体の定義も一つの論点になってくる。

法の下の平等」における平等とは、絶対的平等ではなく相対的平等であると解されています。相対的平等とは、各人の性別、年齢、財産、職業のような属性、人と人との特別な関係といった事実的差異を前提として、同一の事情と条件の下では均等に取り扱うことを意味します。

相対的平等の概念からすれば、合理的差別は許容されるね。例えば、所得税累進課税制度がとられているけれど、これは収入の差を考慮した合理的差別と言うことができる。

次に、「人種、信条、性別、社会的身分又は門地」についてですね。これらは、限定列挙ではなく例示列挙である、とされています。つまり、これ以外のあらゆる属性についても、法の下の平等は考慮されるべき、ということです。

 

法の下の平等に関連する重要判例

 

14条関連の重要判例には、どのようなものがあったかな。

14条の判例はたくさんありますが、一つのテーマとしてまず議員定数不均衡問題が挙げられます。これは、国会議員や地方議会議員選挙において各選挙区の議員定数の配分に不均衡があり、議員定数と人口数との比率において選挙人の投票価値に不平等が存在するという問題です。

選挙権の平等の観念には、投票の数的平等である一人一票の原則にとどまらず、一票が選挙の影響に対して持つ影響力の平等たる「投票価値の平等」も含まれる、とされているね。

議員定数の不均衡に関する訴訟については、衆議院議員定数に関する昭和51年の最高裁判決が有名ですね。   この判決では、定数の配分規定自体は違憲であるが、選挙の結果を取り消すことが公共の福祉に適合しないため、違法を宣言して選挙自体は無効としない「事情判決の法理」が用いられました。

この訴訟では、一票の較差が最大で約5対1となったんだね。でも、だからと言って選挙の結果を取り消すことは現実的に不可能だから、とりあえず今の状態は憲法違反の状態ではあるけれども、選挙の結果を取り消すことはしない、ということになった。

その他、14条関連の判例としては、女子再婚禁止期間の合憲性に関する判例や、非嫡出子相続差別訴訟の判例などが有名ですね。

女子再婚禁止期間の合憲性について最高裁は、民法で定められた女子の6か月間の再婚禁止期間は合理的差別であるとして合憲の判断を下している。 非嫡出子相続分差別規定は、平成25年に最高裁違憲の判断を下して、それまでの合憲判断が覆された。従来、婚姻関係の無い男女の間に生まれた非嫡出子の相続分は、嫡出子の半分だったけれども、それは法の下の平等に反するという判断を最高裁が下した。

このほかにも、14条には多数の判例が存在します。公務員試験の受験を考えている方は、その他の判例にも目を通しておいてください!

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